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蒼と”彼女”の過去
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しおりを挟む(確かに、綺麗だとは思う)
…でも、何故か怖い。
震える手をもう片方の手で包み込んで、その震えを抑え込もうとしたけど、無理だった。
「それで、あなたは誰?蒼とは、どういう関係なの?」
絶えず笑みを崩さず、柔らかい表情で問いかけてくる椿さんに、どう答えればいいかわからなくて、とりあえずお辞儀をする。
最近こんな質問されたな、なんて思いつつ、ぺットなんて言うわけにもいかないので一般的な答えを返した。
椿さんを直視するのも憚られて、視線を少し彼女からずらす。
「…蒼さんの友人の、柊真冬です」
「…、ゆうじん?」
言葉の意味を理解できないとでも言いたげに首を傾げる椿さんに、視線を下に向ける。
隙間もないくらい、近くで寝ている自分たち。
…椿さんは、きっと俺が抱きしめられて寝ていたのも見ただろう。
確かに友達はこうやって一緒に寝たりしないよな、なんて思いながら、できるだけ平静を装って「そうです」と返した。
間違ってはいない、はずだ。
俺と蒼は、”友達”だから。
罪悪感なのか分からないけど、どうしようもない形容しがたい感情が胸に広がって、蒼から視線をそらす。
「そう、」とまだ納得してないような顔で、でも少し嬉しそうに頬を緩めて頷く椿さんは。
焦ったような表情をしたスーツの男の人に耳元で何かを囁かれて、小さく頷いた。
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