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結局、離れることなんてできない
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しおりを挟む「…――ッ、げほっ、うげ…ッはぁ…ッ、は…ッ」
口の中が苦くて、吐き出しても変な感じが残ってる。
べたべたする。
「う…え…っ、」
苦しくて、悔しくて、ぼろぼろと涙をこぼしながら吐き出す。
涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃになった口から零れるそれがべたべたして気持ち悪くて、胃の中の物さえ吐きそうになった。
「じゃ、この隙に、一気に最後までやっちゃおうか」
「げほっ、うえ…っ、え…ッ」
精液を吐いていると、いきなり鎖が引っ張られて、地面に倒れた。
「…――ッ」
顔が床にぶつかって、苦痛に声があがる。
酸素が足りずにぼやける視界の中、上に視線を向けると手首の鎖を1つでまとめられていた。
「大人しくしてくれないと困るなぁ。痛いのは嫌でしょ?」
「今からいっぱい二人で気持ちいいことして楽しもうね」と後ろに跨っている男の声が耳元のすぐ後ろで聞こえてきた。
ばくばくと心臓が嫌な音を鳴らす。
(まさか…っ)
腰を掴まれる。
じたばたと身体を動かしても、弱った力では少しの抵抗にもならない。
「ほら、力抜かないと、痛いのは君だよー」
「やめ…ッ、…は…っ、ッ誰か、助けッ、あおい…ッあおいっ!!!」
もう誰でもいいから、誰か、誰か助けて。
喉の奥から声を絞りだして、悲鳴のような声を上げた。
…――その時
「何、やってんの?」
すぐ近くで、怖いくらい無感情で、無機質な声がした。
その足元から這い上がってくるような底冷えした声に背筋が震える。
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