無知で純情で淫らな涼くん

和泉奏

文字の大きさ
上 下
3 / 7
お父さんと夜のゲーム

3

しおりを挟む


***

学校が無事に終わり、帰宅。
ご飯を食べて、お風呂も入って、湯気でほくほくした。すっきりした。
明日の授業の準備をして、適当にテレビを見る。


……と、


「…ねむい…」


段々睡魔が襲ってきた。
くわ、と欠伸をしていると、声をかけられる。


「宿題は?終わったの?」

「終わってないけど、もう眠気が限界…」


いつも前日にやろうやろうと思っているのに、これだ。

仕方ない。また明日の朝早く起きれたらやることにしよう。


「……ぬあー…」


ふわふわした頭でベッドまで歩き、ガバッと倒れ込む。

(…お日様の匂い…)

あったかい。

布団に顔を埋める。

…そうしてその数秒後、
普段の日課である漫画を読む間もなかった。

疲れた身体は限界を超え、そのままぐっすりと寝入ってしまったのだった。


………

………………


「涼、ただいま」


ぼやぼやした眠気の中、ぎゅうっと後ろから何かがお腹に回ってきて抱きつかれる。


「……ん……?…おとう、さん…?」

「あー疲れたー」


長い息を吐いて、この真夏だというのにぎゅうぎゅう身体を密着させてくる。

(…あつい…)


「…すーつ、ぐちゃぐちゃになっちゃうよ…?」

「いーんだよ。そんぐらい」


なんとなく布擦れの音とか、いつもの感じからすると帰って来てそのままここに潜り込んできたんだろう。


「………」


(…なんか香水みたいな匂いがすごいする…)


お仕事の関係上、仕方ないのはわかるけど、それでも今日は特に匂いがきつい。


「りょーう」

「…なぁに…?言っとくけど、ぼく、ねてたんだよ…」


正直いうとまだ完全には起きてない。


「いいだろちょっとぐらい。俺、昔から涼みたいな弟欲しかったんだよなー…」

「……お父さん…」

「その呼び方ってなんかおっさんくさいだろ。お兄ちゃんの方がしっくりくる」

「………」


おとうさんは、きっとまだ自分のことを”父親”だとはちゃんと自覚してないんだろうなっていつも思う。

早くに結婚したから、父親といっても他のお父さんたちよりかなり若い。

だからだと思う。

親子より、兄弟に間違えられる方が多かった。


「…っ、ぁ、」


おとうさんの手が、服をめくって中に入ってくる。

胸の突起の周辺をかるく弄り、腰の方を伝って、下におりてきた。

夏の熱気で汗ばんだ肌をなぞるように触れ、それがくすぐったくてちょっと笑ってしまいそうになった。


しおりを挟む
ご感想等いただけると励みになります。
感想 1

あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

男は教え子達に雌として可愛がられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...