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六話、【合コン】(流羽ver)
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しおりを挟む怒ってない。良かった。
約束を破って勝手な行動をした俺を、ここまで迎えに来てくれた。
それに、心配までしてくれたんだ。
(…嬉しい。幸せ)
彼が好きでたまらない。
頭を撫でてくれる手がすき。
その綺麗な顔が好き。浮かべるどの表情も好き。全部が好き。
今、抱きついたらだめかな。
ぎゅってしたい。
抱き締めてもらいたい。
「優さん、寂しかった。大好き」
「…何?外で甘えるなんて、珍しいね」
本能のままぎゅーってする。
綺麗な首筋に顔を埋めながら素直に思いを吐き出せば、頭の傍で少しの驚きと可笑しそうに笑みを零す気配がした。
優さんの感触と香りでいっぱいだ。
あったかい。優しい。大好き。
「時間も遅いし、そろそろ帰るよ」
「…ん」
足取りがふらつくのを支えてもらい、ぎゅうってしながら歩く。
ドアを開けてくれて、その、車の中に入ろうとして
「る、流羽君…!」
「…なに?」
気分が暗くなるのを感じながら、返事をする。
けど、振り向きはしなかった。
…気づいていた。
さっきから、すぐ近くで
……優さんに、見惚れるように視線を奪われている人がいることに。
「…さっき話してたのってその人のこと…?」
「………」
優さんの服を掴んだ手に、無意識に力が入る。
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