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五話、【昔の友達】(流羽ver)
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しおりを挟む―――その…数日後、
パンパンパンッネチョッグチュッ!とやけに厭らしい音がして、…嫌な匂いが、部屋に充満していた。
「…っ、ぁ゛!う、う…っ、やめ、…っ、んぅ…っ、」
「…るう、…ッ、るう、ずっと好きだったんだ、お前が、お前だけが…っ、」
熱く荒い息を吐き、興奮したように唇を塞がれる。
舌で口腔内を荒らされる。
首筋を、胸を、ちんちんを、…全身を隅々まで唾液でべとべとになるまで舐められ、愛撫され、……捩じ込まれる。
いつも優さんに抱き締めてもらって一緒に寝る部屋で
…いつも優さんと愛し合ってる……ベッドの上で、
「やだっ、やら、ぁ゛ああ…ッ、!!」
嬲るようにキスをされ続けながら、どろりとした唾液を飲みこまされながら、異常な速度で腰を打ち付けられる。
無理矢理解され、濡らされた孔に強引に勃起したちんちんをズボズボッ!って押し込まれ、何度も何度も熱く濡れそぼっている肚のナカをその形に拡げてきた。
弱い場所を見つけたら何度も突き、潰し、絶頂に導こうとしてくる。
パンパンパンッ!と音を立てて結合部が隙間なくくっ付くたびに、びりびりっと脳天が痺れ、背中がのけぞった。
「や、だっ、や、…」
(……痛い)
涙を流しながら、嫌だ、やめて、やめてくれと叫び、必死にシーツを掴んで、相手の頬を引っかき、胸を押し、なんとか逃げようとする。
けど、ベッドの端まで到達する前に、腕を掴まれ、腰を掴まれ、脚を掴まれ、何度も抜いたはずの肉棒に獣の如く犯された。
(…どうして、)
友達だった。
友達だったんだ。
なのに、どうしてこんなことをされているんだろう。
「…は…っ、ぁ゛ああ!…ん゛ん…っ」
「…好きだ。すきだすきだすきだすきだ…!!!!」
俺の上に跨り、ただひたすらに抜き差しを繰り返し、一方的な感情をぶつけ続けてくる友達を、涙を流しながら色のない瞳で見上げる。
(…ここまでされたら少しくらい同情したっていいのに。)
不意に、思う。
好きだと何度も愛を吐かれ、腫れるくらいに唇を塞がれ、数えきれないほど身体を重ねられているんだから、
ちょっとくらい、気持ちが動けば楽になれるんだろうって思った。
(…それで、あの人を諦められるなら…)
どんなに良いだろう。
「るう…っ、るう…ッ、は、は…っ!」
……”初めて味わう男の味”に夢中になって、俺を色んな体勢に変えながら、必死に腰を振り、快感を味わっている正樹。
目が合えば、…俺が求めたと勘違いしたらしい。抱き締められた。
けど、
「…ッ、…な、…れ…?」
…泣き声に混じり、口から零れていった疑問は大きくなった喘ぎ声にかき消される。
やっぱりどれだけ考えても、…正樹に対して、そういう意味での好意的な感情なんて一切なかった。
それに気づいた途端、嬉しさと切なさと…他の色んな感情がごちゃまぜになって、…更に胸を締め付ける。
「…は、はぁ…っ!…ぐ…っ、るうっ!でる…っ!で…っ」
「…っ、…ぁ…っ、ぁ、あ…」
何度目か、肚の中で熱が弾けた。
打ち付けられ、じんわりとあったかくなる。
律動が止まり、…腰を痙攣させながら嬉しそうに笑う正樹にまた唇を塞がれた。
そんな、…ひたすらに恋人のような…玩具のような交わりを繰り返されながら、
それでも脳内を占めるのは、
「…ゆうさ、ん…っ、」
どうして今俺を抱いてるのがあの人じゃないんだろうって
…ただそれだけだった。
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