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魔法少女
不安
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そこまで思い返していると、チャッピーが見上げているのに気付いた。
「どうした、眠いのか?」
チャッピーの問い掛けに、首を左右に振って答える。
「大丈夫。行こう」
物音を立てずに裏口から抜け出す技術は、ここ数カ月で随分と上手くなった。敵が出現した『ふれあい公園』に向かった。
4人の少女と対峙するのは3メートルほどの巨躯に、ピエロの様なか面を付けた魔物だった。
死闘激闘を繰り広げ、
「私たちがここで諦めたら地球は滅んでしまう。そんな事、絶対にさせない!」
泉未菜が叫ぶ。それに答え、同調するように光球が少し大きくなった。
「ボクたちの正義を思い知れ」
神崎美琴が。
「アナタは間違ってます。人を傷つけて喜ぶなんて」
小林亜紀が。
「私たちは負けない! それが使命だからッ!」
瀬戸舞花が叫ぶ。
やっとの思いで、スターライト・インフェルノで敵を倒した。
全員が肩で息をしていると、今までどこに隠れていたのか、チャッピーが足元に来ていた。
「お疲れ様。なかなかの強敵だったな」
そう言ってチャッピーがジャンプした。本来なら重力によって落ち始めるはずの身体は宙づりのまま固定された。
「やはり、このくらいの位置の方が良いな」
地面にいるより、空中の方が良いらしい。お世辞にも可愛いとは言えないウサギが目の前を浮いているのは全員に不評だが、本人は気にしていない。
暫く4人と1匹で話していると、チャッピーが亜紀に右に動くように指示した。それに素直にしたがった亜紀の奥の暗闇を、じっと見つめていたチャッピーに疑問を持った舞花が口を開こうとした瞬間、彼女たちの足元に缶のようなモノが落ちてきた。
その缶が煙を出した事で、パニックになったが、すぐにチャッピーが落ち着くように言った。
「安心しろ。この煙に害はない。私が相手の存在を確認してしまったから、彼らが安全に逃げるために炊いた煙だ」
チャッピーの言う通り、誰も倒れる事なく煙は晴れた。
「何なの?」
美琴が震えた声で未菜の手を握る。
「大丈夫だ。もう気配はない」
チャッピーはそう言うが、不安は拭えないが、いつまでも公園に居るわけにもいかない。
「みんな、気をつけてね」
そうして、4人は慎重に家路に着いた。
「どうした、眠いのか?」
チャッピーの問い掛けに、首を左右に振って答える。
「大丈夫。行こう」
物音を立てずに裏口から抜け出す技術は、ここ数カ月で随分と上手くなった。敵が出現した『ふれあい公園』に向かった。
4人の少女と対峙するのは3メートルほどの巨躯に、ピエロの様なか面を付けた魔物だった。
死闘激闘を繰り広げ、
「私たちがここで諦めたら地球は滅んでしまう。そんな事、絶対にさせない!」
泉未菜が叫ぶ。それに答え、同調するように光球が少し大きくなった。
「ボクたちの正義を思い知れ」
神崎美琴が。
「アナタは間違ってます。人を傷つけて喜ぶなんて」
小林亜紀が。
「私たちは負けない! それが使命だからッ!」
瀬戸舞花が叫ぶ。
やっとの思いで、スターライト・インフェルノで敵を倒した。
全員が肩で息をしていると、今までどこに隠れていたのか、チャッピーが足元に来ていた。
「お疲れ様。なかなかの強敵だったな」
そう言ってチャッピーがジャンプした。本来なら重力によって落ち始めるはずの身体は宙づりのまま固定された。
「やはり、このくらいの位置の方が良いな」
地面にいるより、空中の方が良いらしい。お世辞にも可愛いとは言えないウサギが目の前を浮いているのは全員に不評だが、本人は気にしていない。
暫く4人と1匹で話していると、チャッピーが亜紀に右に動くように指示した。それに素直にしたがった亜紀の奥の暗闇を、じっと見つめていたチャッピーに疑問を持った舞花が口を開こうとした瞬間、彼女たちの足元に缶のようなモノが落ちてきた。
その缶が煙を出した事で、パニックになったが、すぐにチャッピーが落ち着くように言った。
「安心しろ。この煙に害はない。私が相手の存在を確認してしまったから、彼らが安全に逃げるために炊いた煙だ」
チャッピーの言う通り、誰も倒れる事なく煙は晴れた。
「何なの?」
美琴が震えた声で未菜の手を握る。
「大丈夫だ。もう気配はない」
チャッピーはそう言うが、不安は拭えないが、いつまでも公園に居るわけにもいかない。
「みんな、気をつけてね」
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