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本編
第203話 マヨイは依頼を受ける。
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前話、一部設定が矛盾していたので修正しました。
アイン家の前当主を暗殺したのは家宰ではなく分家当主(現当主の叔父)でした。申し訳ありません。
───────────────
⚫︎マヨイ
ウォルターが抵抗球を持ったメイドを連れて戻って来たのは、シーリーが僕に向かって手袋を投げつけてからすぐのことだった。
「……ウォルター様。この男と決闘することになりましたので訓練場をお貸しください」
「いや、お前は何を言ってるんだ?」
メイドが机の上に抵抗球を乗せると恭しく一礼しながら部屋を後にするのを見計らって発言したシーリーの言葉にウォルターはだいぶ驚いた様子だ。
「僕は決闘を受けるとは一言も言ってないよ」
「お前は私の投げた手袋を受け取ったじゃないか!」
「手袋を投げた?シーリーが?」
「彼女は何やら僕に不満があるみたいでね。いきなり"私はお前が気に入らない"と文句を言われた挙句、子どもが癇癪でも起こしたかのように手袋を投げつけてきたんだ」
シーリーがポロッと秘密っぽいのを喋ってしまったこととか、その口封じのために決闘を申し込んできた事を秘密にするとこうなる。
「それが事実なら貴族の子女としても私の護衛としても許される対応ではないな。シーリー、何か異議申し立てはあるか?」
「……そ、それは……ひ、卑怯だぞ!」
ウォルターとの関係を悪化させたくない僕としては最大限にシーリーを庇っているつもりだ。
「もういい」
「叔父様!」
「職務中は名前で呼べと言っているだろう。もうだいたいの事情は察した。どうせシーリーが何かしらの秘密を不用意に漏らしたのを誤魔化すために決闘を吹っ掛けたんだろ?」
ウォルターが呆れた様子でシーリーに視線を向けた。
どうやらシーリーの暴走はこれが初めてというわけではないらしい。
「…………はい」
「マヨイ、何を聞いた?」
「アイン家の分家の当主が娘を人質取られて前のアイン家当主を殺害したこと。その裏で糸を引いていたのがウォルターと敵対している派閥の貴族であることだね」
「はぁ……いや、それなら例の件はシーリーではなくマヨイに依頼するか」
「ウォルター様!?」
「依頼って?」
「3日後にアイン領の領都で闘技大会が催されるのは知ってるいるか?」
「知ってるし、ギルドの仲間と参加する予定だよ」
「その大会にメアリー・アインが出場することは?」
メアリー・アインは今のアイン領の領主だ。
掲示板では保護欲を誘う容姿も相まってかなり人気を集めている。
「アインの今の領主ですよね。闘技大会に出るってことは戦えるんですか?」
「戦えるもなにも王国でも有数の戦士だぞ!? 何故そんなことも知らん!」
「シーリー。次に許可なく口を挟んだら実家に戻すぞ」
「え、ダメ、それだけはっ!」
「なら口を挟むな」
「は、はぃ……」
「シーリーも言っていたように彼女は強い。そして見た目の幼さとは裏腹に他の貴族の息のかかった親類を皆殺しにする苛烈な性格をしているが、処断した親族の資産を領民に還元したことでアイン領は大した混乱もなく落ち着いている。それに加えて派閥内の発言力も維持していることから政治手腕も一流と言えるだろうな」
それ山賊や盗賊の話ではなく領主の話なんだよね?
まだ若いらしいけど本人だけでなく部下も優秀なのかな?
「ただアイン領前当主の死んだ後、その娘であるメアリーを息子と婚約させようと画策していた貴族が逆恨みしていてな。何をトチ狂ったのか闘技大会中に事故を装って暗殺するよう手勢に指示を出したらしい」
「国でも有数の戦士なんですよね?」
「だからマヨイには暗殺者をメアリーから守って欲しい」
「え」
メアリーが暗殺されそうになってるという話なのにメアリーから暗殺者を守るってどういうこと?
「説明しよう。まず闘技大会では殺人は禁止されている」
「はい」
「そこで暗殺者とは言っても参加者を領主が殺したとあっては外聞が悪い」
「それは、まぁ……分かるけど仕方ないんじゃ……」
「その暗殺者が貴族の庶子であったら? そしてメアリーの元にはそれを知らせる手紙が大会開催前に届いていたら?」
「……メアリーが意図してその庶子を殺したように見える?」
「そうなる。実際に手紙が届くのは大会の予選の最中になるだろうが、そこら辺のズレはいくらでも誤魔化す方法がある」
暗殺は暗殺でも社会的に暗殺するってことか。
それにしても自分の子どもを謀略の捨て駒にするとかえげつないことするなぁ……
「ならメアリーにそれを教えればいいんじゃ……」
「私はメアリーというかアイン家から嫌われていてな。もし教えたところでトラブルになるのが目に見えているんだ」
「自分を嫌っている相手を助けるの?」
「もし今回の謀略が成功すればアイン領は間違いなく荒れる。そうなれば隣接するエイト領も相応の被害を受けるだろう。それは許容できない」
そういうのもなのか。
そういう設定なんだろうけど領主も大変だな。
「でも予選の組み合わせはランダムだから上手くカチ合うか運任せになるよな?」
「そこはウチの手勢が裏から手を回すから安心してくれ」
これ絶対にアイン家の中にウォルターの手勢が紛れ込んでるよね。これくらいは敵対派閥が相手なら当然なのかもしれないけど、その手勢を使って止められるんじゃないの?
「ちなみに潜入させている手勢は戦闘力はからっきしだから期待するなよ?」
潜入って言っちゃったよ!?
でも、そういうことなら仕方ないか。
「上手くいくか分からないよ?」
「そこは期待してるよ」
なるほど。ウォルターとしては今回の件が上手くいくのがベストだけど、別に僕が失敗しても次善の策があるのか。
「なら僕は報酬に期待させて貰うよ」
「それは期待してくれていいぞ。……そうだな、マヨイが闘技大会で優勝したら更に追加で報酬を支払うっていうのはどうだ?」
「いいの?」
「もちろんだ。闘技大会でエイト領に拠点のあるギルドのギルドマスターが優勝すればメアリー嬢にはちょうどいい嫌がらせになるしな!」
そう言って笑い声をあげるウォルターだけど、その目は全く笑っていなかった。
───────────────
お読みいただきありがとうございます。
シーリーちゃん(15)九死に一生を得る。
アイン領の荒廃によるエイト領の被害を未然に防ぎつつ、アイン領の領主の面目を潰して貸し借りを無くそうとか思っている腹黒領主がこちらになります。
アイン家の前当主を暗殺したのは家宰ではなく分家当主(現当主の叔父)でした。申し訳ありません。
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⚫︎マヨイ
ウォルターが抵抗球を持ったメイドを連れて戻って来たのは、シーリーが僕に向かって手袋を投げつけてからすぐのことだった。
「……ウォルター様。この男と決闘することになりましたので訓練場をお貸しください」
「いや、お前は何を言ってるんだ?」
メイドが机の上に抵抗球を乗せると恭しく一礼しながら部屋を後にするのを見計らって発言したシーリーの言葉にウォルターはだいぶ驚いた様子だ。
「僕は決闘を受けるとは一言も言ってないよ」
「お前は私の投げた手袋を受け取ったじゃないか!」
「手袋を投げた?シーリーが?」
「彼女は何やら僕に不満があるみたいでね。いきなり"私はお前が気に入らない"と文句を言われた挙句、子どもが癇癪でも起こしたかのように手袋を投げつけてきたんだ」
シーリーがポロッと秘密っぽいのを喋ってしまったこととか、その口封じのために決闘を申し込んできた事を秘密にするとこうなる。
「それが事実なら貴族の子女としても私の護衛としても許される対応ではないな。シーリー、何か異議申し立てはあるか?」
「……そ、それは……ひ、卑怯だぞ!」
ウォルターとの関係を悪化させたくない僕としては最大限にシーリーを庇っているつもりだ。
「もういい」
「叔父様!」
「職務中は名前で呼べと言っているだろう。もうだいたいの事情は察した。どうせシーリーが何かしらの秘密を不用意に漏らしたのを誤魔化すために決闘を吹っ掛けたんだろ?」
ウォルターが呆れた様子でシーリーに視線を向けた。
どうやらシーリーの暴走はこれが初めてというわけではないらしい。
「…………はい」
「マヨイ、何を聞いた?」
「アイン家の分家の当主が娘を人質取られて前のアイン家当主を殺害したこと。その裏で糸を引いていたのがウォルターと敵対している派閥の貴族であることだね」
「はぁ……いや、それなら例の件はシーリーではなくマヨイに依頼するか」
「ウォルター様!?」
「依頼って?」
「3日後にアイン領の領都で闘技大会が催されるのは知ってるいるか?」
「知ってるし、ギルドの仲間と参加する予定だよ」
「その大会にメアリー・アインが出場することは?」
メアリー・アインは今のアイン領の領主だ。
掲示板では保護欲を誘う容姿も相まってかなり人気を集めている。
「アインの今の領主ですよね。闘技大会に出るってことは戦えるんですか?」
「戦えるもなにも王国でも有数の戦士だぞ!? 何故そんなことも知らん!」
「シーリー。次に許可なく口を挟んだら実家に戻すぞ」
「え、ダメ、それだけはっ!」
「なら口を挟むな」
「は、はぃ……」
「シーリーも言っていたように彼女は強い。そして見た目の幼さとは裏腹に他の貴族の息のかかった親類を皆殺しにする苛烈な性格をしているが、処断した親族の資産を領民に還元したことでアイン領は大した混乱もなく落ち着いている。それに加えて派閥内の発言力も維持していることから政治手腕も一流と言えるだろうな」
それ山賊や盗賊の話ではなく領主の話なんだよね?
まだ若いらしいけど本人だけでなく部下も優秀なのかな?
「ただアイン領前当主の死んだ後、その娘であるメアリーを息子と婚約させようと画策していた貴族が逆恨みしていてな。何をトチ狂ったのか闘技大会中に事故を装って暗殺するよう手勢に指示を出したらしい」
「国でも有数の戦士なんですよね?」
「だからマヨイには暗殺者をメアリーから守って欲しい」
「え」
メアリーが暗殺されそうになってるという話なのにメアリーから暗殺者を守るってどういうこと?
「説明しよう。まず闘技大会では殺人は禁止されている」
「はい」
「そこで暗殺者とは言っても参加者を領主が殺したとあっては外聞が悪い」
「それは、まぁ……分かるけど仕方ないんじゃ……」
「その暗殺者が貴族の庶子であったら? そしてメアリーの元にはそれを知らせる手紙が大会開催前に届いていたら?」
「……メアリーが意図してその庶子を殺したように見える?」
「そうなる。実際に手紙が届くのは大会の予選の最中になるだろうが、そこら辺のズレはいくらでも誤魔化す方法がある」
暗殺は暗殺でも社会的に暗殺するってことか。
それにしても自分の子どもを謀略の捨て駒にするとかえげつないことするなぁ……
「ならメアリーにそれを教えればいいんじゃ……」
「私はメアリーというかアイン家から嫌われていてな。もし教えたところでトラブルになるのが目に見えているんだ」
「自分を嫌っている相手を助けるの?」
「もし今回の謀略が成功すればアイン領は間違いなく荒れる。そうなれば隣接するエイト領も相応の被害を受けるだろう。それは許容できない」
そういうのもなのか。
そういう設定なんだろうけど領主も大変だな。
「でも予選の組み合わせはランダムだから上手くカチ合うか運任せになるよな?」
「そこはウチの手勢が裏から手を回すから安心してくれ」
これ絶対にアイン家の中にウォルターの手勢が紛れ込んでるよね。これくらいは敵対派閥が相手なら当然なのかもしれないけど、その手勢を使って止められるんじゃないの?
「ちなみに潜入させている手勢は戦闘力はからっきしだから期待するなよ?」
潜入って言っちゃったよ!?
でも、そういうことなら仕方ないか。
「上手くいくか分からないよ?」
「そこは期待してるよ」
なるほど。ウォルターとしては今回の件が上手くいくのがベストだけど、別に僕が失敗しても次善の策があるのか。
「なら僕は報酬に期待させて貰うよ」
「それは期待してくれていいぞ。……そうだな、マヨイが闘技大会で優勝したら更に追加で報酬を支払うっていうのはどうだ?」
「いいの?」
「もちろんだ。闘技大会でエイト領に拠点のあるギルドのギルドマスターが優勝すればメアリー嬢にはちょうどいい嫌がらせになるしな!」
そう言って笑い声をあげるウォルターだけど、その目は全く笑っていなかった。
───────────────
お読みいただきありがとうございます。
シーリーちゃん(15)九死に一生を得る。
アイン領の荒廃によるエイト領の被害を未然に防ぎつつ、アイン領の領主の面目を潰して貸し借りを無くそうとか思っている腹黒領主がこちらになります。
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