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本編
第95話 マヨイは進化先を考える。
しおりを挟む⚫︎マヨイ
僕らは更に暁たちが見つけた本を読み進める。幸い分厚いけど文字が大きいだけで文章量はそこまで多くないので読んでいてもあまり疲れない。
「これベースの上位互換がハイがあるだけで他はハイの相互互換ってことよね?」
「たぶんね。エルダーは種族の短所を更に弱くする代わりに長所を伸ばすみたいだし、そもそもユニーク種は"姿形こそ同じなれど特異性が際立つ"とか書かれてるから普通の進化先じゃないよね」
「ねぇねぇ、兄さん、竜の血って持ってる?」
「ないよ」
「竜人になる条件厳し過ぎるよー」
どうやら暁は竜人になりたいらしい。しかし、竜人への進化条件は竜に関する素材を体内に取り込むか、竜種から加護を受けるなどの繋がりが必要なようだ。ワイバーンでも大丈夫ならソプラで頑張ってた人たちはラッキーだね。
「お、お兄さん」
「ん、どうした?」
「その、私、ドワーフになりたいんですけど……その、ドワーフって足が遅くなるって書いてあって、パーティで戦う時に迷惑になりますよね?」
「別に気にしないでいいよ。クレアちゃん、戦闘よりものづくりが好きなんでしょ?」
「はい、その、ドワーフになると手先が器用になるって書いてあって……」
「ならドワーフを目指せばいいじゃん。戦闘だって足が遅いなら遅いなりの戦い方があるだろうし、何事も工夫次第だと思うよ」
「でもクレアってドワーフの条件満たせるのかしら」
「うっ……頑張ります!」
「この中でドワーフの条件を満たしてるのは僕だけ?」
「真宵、採掘なんてやってたの?」
採掘はしていないが条件は満たしているのだ。
ちなみにドワーフのベース種へ進化する条件はこんな感じ。
名称:ドワーフ
分類:ベース種
説明:小柄で頑健な体躯を持った人型種族。
手先が器用でものづくりにも長けている。
補正:基礎ステータス10%増加[筋力]
基礎ステータス10%増加[耐久]
基礎ステータス20%増加[器用]
基礎ステータス20%減少[敏捷]
基礎ステータス10%減少[知力]
基礎ステータス10%減少[精神]
アバター最大身長制限
[分類:器用]を参照する技能の習得条件緩和
条件:位階30以上
[分類:鉱石/素材]を持つアイテムを10種類入手
[分類:加工]を持つ素質または覚醒を所持している。
どうやらドワーフは脳筋な種族な種族らしい。
条件は緩いので僕がクレアちゃんに鉱石を何個か渡せば満たせるだろう。
「でも進化ってどうすればいいの?」
「条件を満たした状態で進化の宝玉ってアイテムを使うか祭壇の女神像に触れればいいそうよ」
「祭壇かは分からないけど、女神像っていうとアルテラの噴水にあるやつかな?」
「たぶんね」
「ねぇ、でも条件に位階とかないのはなんで?」
「よく読みなさい。こっちに書いてあるじゃない」
「あ、ほんとだ」
その後も進化についての話で盛り上がった。どうやらクレアちゃんはドワーフ、暁は竜人かドワーフ、藍香はエルフか獣人に進化することを考えているらしい。
「兄さんは何に進化するの?」
「たぶんエルフかな。今のプレイスタイルを崩さずに済みそうだし、他の魔法が得意な種族は進化条件を満たしてないんだよね」
ちなみにエルフのベースとハイはこんな感じだ。
名称:エルフ
分類:ベース種
説明:華奢な体躯に英知を詰め込んだ人型種族。
魔法の素養に優れている。
補正:基礎ステータス20%減少[筋力]
基礎ステータス20%減少[耐久]
基礎ステータス10%増加[器用]
基礎ステータス10%増加[敏捷]
基礎ステータス10%増加[知力]
基礎ステータス10%増加[精神]
アバター美形補正
[分類:知力]を参照する技能の習得条件緩和
条件:位階30以上
[分類:魔法]を持つ素質または覚醒を所持している。
[分類:神秘]を持つ素質または覚醒を所持している。
名称:エルフ
分類:ハイ
説明:非常に珍しいエルフの上位種族
補正:基礎ステータス30%増加[器用]
基礎ステータス30%増加[敏捷]
基礎ステータス30%増加[知力]
基礎ステータス30%増加[精神]
アバター美形補正
[分類:知力]を参照する技能の習得条件緩和
[分類:知力]を参照する技能の基本性能向上
条件:位階80以上
[分類:魔法]を持つ覚醒を所持している。
[分類:神秘]を持つ覚醒を所持している。
エルフのハイ──ようするにハイエルフ?──に進化するための条件は既に満たしているので下位互換であるベースへ進化するメリットはない。
「え、お兄さん、獣人にならないんですか!?」
「条件を満たしてる狼と猪の獣人は器用と知力が下がるからね。進化するメリットがないんだよ」
「なら、しょうがない、ですよね……」
クレアちゃんが小声で「モフモフできなくなっちゃう……」とか呟いているけれど、そもそも僕の狂狼化は装備の付属スキルなので進化しても今と大して変わらないだろう。
「ま、ここで皮算用してても仕方ないわよ。とりあえずイベント中に位階を100に上げたら進化しましょう」
「ベース以外への進化を目指すのは僕も賛成だけどアカトキたちは?」
「おんぶに抱っこでいいならー」
「はい!頑張りますっ」
「なら昼食取ってからテコに行こうか」
「そうね」
「さんせーい」
「わかりました」
進化前にイベントで高いスコアを出しておきたかった僕らは昼休憩を挟んでからテコに向かってイベントの難易度10に挑戦した。難易度10になればドーム状のバリアも解除されるのではないかと少し期待したのだけど、残念ながら難易度8~9の焼き回しだった。とはいえ全員が位階を90台後半まで上昇させスコアの方も19970と中々の高得点を出すことが出来たので悪くはないだろう。
こうして僕らはイベント2日目を終えた。
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お読みいただきありがとうございます。
レベリングシーンはキンクリしました。
次話は掲示板回になります。
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