110 / 228
本編
第95話 マヨイは進化先を考える。
しおりを挟む⚫︎マヨイ
僕らは更に暁たちが見つけた本を読み進める。幸い分厚いけど文字が大きいだけで文章量はそこまで多くないので読んでいてもあまり疲れない。
「これベースの上位互換がハイがあるだけで他はハイの相互互換ってことよね?」
「たぶんね。エルダーは種族の短所を更に弱くする代わりに長所を伸ばすみたいだし、そもそもユニーク種は"姿形こそ同じなれど特異性が際立つ"とか書かれてるから普通の進化先じゃないよね」
「ねぇねぇ、兄さん、竜の血って持ってる?」
「ないよ」
「竜人になる条件厳し過ぎるよー」
どうやら暁は竜人になりたいらしい。しかし、竜人への進化条件は竜に関する素材を体内に取り込むか、竜種から加護を受けるなどの繋がりが必要なようだ。ワイバーンでも大丈夫ならソプラで頑張ってた人たちはラッキーだね。
「お、お兄さん」
「ん、どうした?」
「その、私、ドワーフになりたいんですけど……その、ドワーフって足が遅くなるって書いてあって、パーティで戦う時に迷惑になりますよね?」
「別に気にしないでいいよ。クレアちゃん、戦闘よりものづくりが好きなんでしょ?」
「はい、その、ドワーフになると手先が器用になるって書いてあって……」
「ならドワーフを目指せばいいじゃん。戦闘だって足が遅いなら遅いなりの戦い方があるだろうし、何事も工夫次第だと思うよ」
「でもクレアってドワーフの条件満たせるのかしら」
「うっ……頑張ります!」
「この中でドワーフの条件を満たしてるのは僕だけ?」
「真宵、採掘なんてやってたの?」
採掘はしていないが条件は満たしているのだ。
ちなみにドワーフのベース種へ進化する条件はこんな感じ。
名称:ドワーフ
分類:ベース種
説明:小柄で頑健な体躯を持った人型種族。
手先が器用でものづくりにも長けている。
補正:基礎ステータス10%増加[筋力]
基礎ステータス10%増加[耐久]
基礎ステータス20%増加[器用]
基礎ステータス20%減少[敏捷]
基礎ステータス10%減少[知力]
基礎ステータス10%減少[精神]
アバター最大身長制限
[分類:器用]を参照する技能の習得条件緩和
条件:位階30以上
[分類:鉱石/素材]を持つアイテムを10種類入手
[分類:加工]を持つ素質または覚醒を所持している。
どうやらドワーフは脳筋な種族な種族らしい。
条件は緩いので僕がクレアちゃんに鉱石を何個か渡せば満たせるだろう。
「でも進化ってどうすればいいの?」
「条件を満たした状態で進化の宝玉ってアイテムを使うか祭壇の女神像に触れればいいそうよ」
「祭壇かは分からないけど、女神像っていうとアルテラの噴水にあるやつかな?」
「たぶんね」
「ねぇ、でも条件に位階とかないのはなんで?」
「よく読みなさい。こっちに書いてあるじゃない」
「あ、ほんとだ」
その後も進化についての話で盛り上がった。どうやらクレアちゃんはドワーフ、暁は竜人かドワーフ、藍香はエルフか獣人に進化することを考えているらしい。
「兄さんは何に進化するの?」
「たぶんエルフかな。今のプレイスタイルを崩さずに済みそうだし、他の魔法が得意な種族は進化条件を満たしてないんだよね」
ちなみにエルフのベースとハイはこんな感じだ。
名称:エルフ
分類:ベース種
説明:華奢な体躯に英知を詰め込んだ人型種族。
魔法の素養に優れている。
補正:基礎ステータス20%減少[筋力]
基礎ステータス20%減少[耐久]
基礎ステータス10%増加[器用]
基礎ステータス10%増加[敏捷]
基礎ステータス10%増加[知力]
基礎ステータス10%増加[精神]
アバター美形補正
[分類:知力]を参照する技能の習得条件緩和
条件:位階30以上
[分類:魔法]を持つ素質または覚醒を所持している。
[分類:神秘]を持つ素質または覚醒を所持している。
名称:エルフ
分類:ハイ
説明:非常に珍しいエルフの上位種族
補正:基礎ステータス30%増加[器用]
基礎ステータス30%増加[敏捷]
基礎ステータス30%増加[知力]
基礎ステータス30%増加[精神]
アバター美形補正
[分類:知力]を参照する技能の習得条件緩和
[分類:知力]を参照する技能の基本性能向上
条件:位階80以上
[分類:魔法]を持つ覚醒を所持している。
[分類:神秘]を持つ覚醒を所持している。
エルフのハイ──ようするにハイエルフ?──に進化するための条件は既に満たしているので下位互換であるベースへ進化するメリットはない。
「え、お兄さん、獣人にならないんですか!?」
「条件を満たしてる狼と猪の獣人は器用と知力が下がるからね。進化するメリットがないんだよ」
「なら、しょうがない、ですよね……」
クレアちゃんが小声で「モフモフできなくなっちゃう……」とか呟いているけれど、そもそも僕の狂狼化は装備の付属スキルなので進化しても今と大して変わらないだろう。
「ま、ここで皮算用してても仕方ないわよ。とりあえずイベント中に位階を100に上げたら進化しましょう」
「ベース以外への進化を目指すのは僕も賛成だけどアカトキたちは?」
「おんぶに抱っこでいいならー」
「はい!頑張りますっ」
「なら昼食取ってからテコに行こうか」
「そうね」
「さんせーい」
「わかりました」
進化前にイベントで高いスコアを出しておきたかった僕らは昼休憩を挟んでからテコに向かってイベントの難易度10に挑戦した。難易度10になればドーム状のバリアも解除されるのではないかと少し期待したのだけど、残念ながら難易度8~9の焼き回しだった。とはいえ全員が位階を90台後半まで上昇させスコアの方も19970と中々の高得点を出すことが出来たので悪くはないだろう。
こうして僕らはイベント2日目を終えた。
───────────────
お読みいただきありがとうございます。
レベリングシーンはキンクリしました。
次話は掲示板回になります。
40
お気に入りに追加
2,259
あなたにおすすめの小説
Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組
瑞多美音
SF
福引の景品が発売分最後のパッケージであると運営が認め話題になっているVRMMOゲームをたまたま手に入れた少女は……
「はあ、農業って結構重労働なんだ……筋力が足りないからなかなか進まないよー」※ STRにポイントを振れば解決することを思いつきません、根性で頑張ります。
「なんか、はじまりの街なのに外のモンスター強すぎだよね?めっちゃ、死に戻るんだけど……わたし弱すぎ?」※ここははじまりの街ではありません。
「裁縫かぁ。布……あ、畑で綿を育てて布を作ろう!」※布を売っていることを知りません。布から用意するものと思い込んでいます。
リアルラックが高いのに自分はついてないと思っている高山由莉奈(たかやまゆりな)。ついていないなーと言いつつ、ゲームのことを知らないままのんびり楽しくマイペースに過ごしていきます。
そのうち、STRにポイントを振れば解決することや布のこと、自身がどの街にいるか知り大変驚きますが、それでもマイペースは変わらず……どこかで話題になるかも?しれないそんな少女の物語です。
出遅れ組と言っていますが主人公はまったく気にしていません。
○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○
※VRMMO物ですが、作者はゲーム物執筆初心者です。つたない文章ではありますが広いお心で読んで頂けたら幸いです。
※1話約2000〜3000字程度です。時々長かったり短い話もあるかもしれません。
【完結】Atlantis World Online-定年から始めるVRMMO-
双葉 鳴|◉〻◉)
SF
Atlantis World Online。
そこは古代文明の後にできたファンタジー世界。
プレイヤーは古代文明の末裔を名乗るNPCと交友を測り、歴史に隠された謎を解き明かす使命を持っていた。
しかし多くのプレイヤーは目先のモンスター討伐に明け暮れ、謎は置き去りにされていた。
主人公、笹井裕次郎は定年を迎えたばかりのお爺ちゃん。
孫に誘われて参加したそのゲームで幼少時に嗜んだコミックの主人公を投影し、アキカゼ・ハヤテとして活動する。
その常識にとらわれない発想力、謎の行動力を遺憾なく発揮し、多くの先行プレイヤーが見落とした謎をバンバンと発掘していった。
多くのプレイヤー達に賞賛され、やがて有名プレイヤーとしてその知名度を上げていくことになる。
「|◉〻◉)有名は有名でも地雷という意味では?」
「君にだけは言われたくなかった」
ヘンテコで奇抜なプレイヤー、NPC多数!
圧倒的〝ほのぼの〟で送るMMO活劇、ここに開幕。
===========目録======================
1章:お爺ちゃんとVR 【1〜57話】
2章:お爺ちゃんとクラン 【58〜108話】
3章:お爺ちゃんと古代の導き【109〜238話】
4章:お爺ちゃんと生配信 【239話〜355話】
5章:お爺ちゃんと聖魔大戦 【356話〜497話】
====================================
2020.03.21_掲載
2020.05.24_100話達成
2020.09.29_200話達成
2021.02.19_300話達成
2021.11.05_400話達成
2022.06.25_完結!
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する
にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
この作品は 旧題:金運に恵まれたが人運に恵まれなかった俺は、現実逃避するためにフルダイブVRゲームの世界に逃げ込んだ
の内容を一部変更し修正加筆したものになります。
宝くじにより大金を手に入れた主人公だったが、それを皮切りに周囲の人間関係が悪化し、色々あった結果、現実の生活に見切りを付け、溜まっていた鬱憤をVRゲームの世界で好き勝手やって晴らすことを決めた。
そして、課金したりかわいいテイムモンスターといちゃいちゃしたり、なんて事をしている内にダンジョンを手に入れたりする主人公の物語。
※ 異世界転移や転生、ログアウト不可物の話ではありません ※
※修正前から主人公の性別が変わっているので注意。
※男主人公バージョンはカクヨムにあります
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
病弱な私はVRMMOの世界で生きていく。
べちてん
SF
生まれつき体の弱い少女、夏凪夕日は、ある日『サンライズファンタジー』というフルダイブ型VRMMOのゲームに出会う。現実ではできないことがたくさんできて、気が付くとこのゲームのとりこになってしまっていた。スキルを手に入れて敵と戦ってみたり、少し食事をしてみたり、大会に出てみたり。初めての友達もできて毎日が充実しています。朝起きてご飯を食べてゲームをして寝る。そんな生活を続けていたらいつの間にかゲーム最強のプレイヤーになっていた!!
「unknown」と呼ばれ伝説になった俺は、新作に配信機能が追加されたので配信を開始してみました 〜VRMMO底辺配信者の成り上がり〜
トス
SF
VRMMOグランデヘイミナムオンライン、通称『GHO』。
全世界で400万本以上売れた大人気オープンワールドゲーム。
とても難易度が高いが、その高い難易度がクセになると話題になった。
このゲームには「unknown」と呼ばれ、伝説になったプレイヤーがいる。
彼は名前を非公開にしてプレイしていたためそう呼ばれた。
ある日、新作『GHO2』が発売される。
新作となったGHOには新たな機能『配信機能』が追加された。
伝説のプレイヤーもまた配信機能を使用する一人だ。
前作と違うのは、名前を公開し『レットチャンネル』として活動するいわゆる底辺配信者だ。
もちろん、誰もこの人物が『unknown』だということは知らない。
だが、ゲームを攻略していく様は凄まじく、視聴者を楽しませる。
次第に視聴者は嫌でも気づいてしまう。
自分が観ているのは底辺配信者なんかじゃない。
伝説のプレイヤーなんだと――。
(なろう、カクヨム、アルファポリスで掲載しています)
40代(男)アバターで無双する少女
かのよ
SF
同年代の子達と放課後寄り道するよりも、VRMMOでおじさんになってるほうが幸せだ。オープンフィールドの狩りゲーで大剣使いをしているガルドこと佐野みずき。女子高生であることを完璧に隠しながら、親父どもが集まるギルドにいい感じに馴染んでいる…! ひたすらクエストをやりこみ、酒場で仲間と談笑しているおじさんの皮を被った17歳。しかし平穏だった非日常を、唐突なギルドのオフ会とログアウト不可能の文字が破壊する!
序盤はVRMMO+日常系、中盤から転移系の物語に移行していきます。
表紙は茶二三様から頂きました!ありがとうございます!!
校正を加え同人誌版を出しています!
https://00kanoyooo.booth.pm/
こちらにて通販しています。
更新は定期日程で毎月4回行います(2・9・17・23日です)
小説家になろうにも「40代(男)アバターで無双するJK」という名前で投稿しています。
この作品はフィクションです。作中における犯罪行為を真似すると犯罪になります。それらを認可・奨励するものではありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる