68 / 228
本編
第53話 マヨイは講習が受けられない。
しおりを挟む⚫︎マヨイ
昼食を食べてからログインしてからフレンドリストを確認するとログインしているのは藍香だけだった。現在地がアルテラ北部草原地帯となっている。このフレンドの現在地が分かる機能は賛否両論ありそうだな。
訓練場でログアウトしたままだった僕は組合のエントランスに戻って加工施設を借りることにした。
「講習はお受けになられますか?」
「錬金術の講習はありますか?」
錬金術のスキル説明を見ただけでは間違いなく持て余しそうなので講習を受けたい。クレアちゃんの話ではNPCから色々とアドバイスを貰えたようだし損はしないはずだ。
「申し訳ありません。錬金術の講習を受けられるのは王都や領都などの大都市の組合のみとなっております」
「でしたら錬金術の講習が受けられる組合で1番近いのは何処ですか?」
「このテコから東に行ったところにある領都エイトが最寄りとなりますが……現在はスケルトンの群れが往来を妨げているようでして領軍が討伐に当たっているようです」
「ありがとうございます。なら今回は講習はなしにします」
この往来を妨げているスケルトンの群れが本当のエリアボスなんじゃなかろうか。対多数の戦闘は僕のプレイスタイルを考えれば比較的得意な部類に入る。領軍を手伝えるクエストがあれば討伐に参加できるのだろうか。
とりあえず僕は錬金術を試すために組合で癒草や空き瓶などを購入してから借りた加工施設へと向かった。
…………………………………
……………………………
………………………
まずは魔術士の素質が錬金術士に変化した影響を確認する。
チャラ王とユウジを倒したことで位階は僅かに上昇している。
◼︎パーソナル
名前:マヨイ
性別:男
位階:32
資質:狩人/錬金術士/神使
覚醒:灰神の使徒/蒼神の使徒
称号:灰神の寵愛/蒼神の祝福
虹神の興味/錬金術見習い
森大猪の討伐者/草原白蛇の討伐者
草原狼王の討伐者
自然の破壊者/環境の破壊者
星に爪痕を残す者
征伐者
◼︎ステータス
体力:33447
魔力:149014
筋力:37
耐久:37
器用:10416
敏捷:16594
知力:12564
精神:14722
◼︎スキル
①探索
┣個体識別
┗消費魔力減少
②魔力弾
┣形状変化
┣軌道操作
┗消費魔力減少
③灰の神威
④灰神の法器
⑤蒼の神威
⑥蒼神の法器
⑦攻撃威力調整
⑧錬金術
┣加工の心得
┣調理
┣調薬
┗調合
まだ装備分の増減が含まれていないステータスのようだけど、相変わらず筋力と耐久のステータス値の低さが目立つ。その弱点も"狂狼化"で補えるようになったので近接戦闘関係のスキルも早いうちに手に入れておきたい。
リストから習得できるスキルは獲得している素質と覚醒1種類につき2枠、位階5毎に1枠増えるようなので僕の場合は全部で16枠、攻撃威力調整スキルで1枠消費しているので残りは15枠になる。
本当なら調理スキルや調合スキルで更に枠は減っていたはずなのだけれど、統合された錬金術は自動習得扱いのようで枠を圧迫しないようだ。これはありがたい。
「とりあえず短剣術は覚えておこうか」
[技能:短剣術を習得しました]
[技能:解体術を習得しました]
[技能:暗殺術を習得しました]
[技能:短剣術は暗殺術に統合されました]
[技能:解体術は暗殺術に統合されました]
[技能:攻撃威力調整は暗殺術に統合されました]
[技能:高速戦闘術を習得しました]
[技能:暗殺術は高速戦闘術に統合されました]
「はい?」
短剣術スキルを習得可能スキルリストから選択しただけで色々と習得したらしい。履歴から習得したスキルの詳細を確認すると、解体術スキルは"生物を短剣もしくはナイフで解体する"だけで自動習得するスキルのようだ。
そして"不意打ちで敵の体力を0にする"ことと"武器スキル1種以上習得"の条件を満たして暗殺術スキルを自動習得した。高速戦闘術は僕の敏捷のステータスが5万を超えたことで条件を満たしたようだ。スキルや装備の効果で一時的に超えただけでも条件は満たされるらしい。
名前:高速戦闘術
分類:戦闘
効果:全ステータス上昇(10%)
[分類:戦闘]を持つスキルの効果上昇(+100%)
このスキルは複数の[分類:戦闘]スキルを内包する。
条件:[能力:敏捷]の最高到達値50000以上
[分類:戦闘]を持つスキル1種以上習得
覚醒2種以上獲得
あ、そういえば錬金術の詳細を確認するんだった。
名前:錬金術
分類:加工 魔法 錬金術 神秘
効果:魔力を消費することで対象の性質を変化させる魔法。
このスキルは複数の[分類:加工]スキルを内包する。
条件:[分類:加工]を含むスキルを3種類習得
[素質:魔術士]または[素質:加工]を所持
[分類:神秘]を持つ素質もしくは覚醒を計2種以上
錬金術の習得条件である[分類:加工]を含むスキルは調理スキルと一緒に習得したスキルたちだろう。今できるのは調理と調薬と調合の3つだ。一緒に統合された加工の心得は成功率を上げるだけの効果らしいので効果を実感することはなさそうだ。
「あとは……称号めっちゃ増えたな」
めっちゃ、と言いつつ前回から増えたのは3つだけだ。
征伐者はカルマ値がマイナスの相手に与えるダメージが微増するだけのようだし、錬金術士見習いは効果のない称号だ。そこまで強力なものではない。
名前:虹神の興味
分類:称号 神秘 彩神
効果:スキル統合条件緩和
そして3つ目の虹神の興味は『後から習得したスキルを先に習得していた同系統上位スキルに自動的に統合する』という効果を持った称号だった。追加で経験値を支払えば同じことができるようだけど、経験値を支払わなくてもいいというのは凄くお得感がある。
[技能:鍛冶の才を習得しました]
[技能:鍛冶の才は錬金術に統合されました]
「おぉ~」
もう思い切って統合されそうなスキルを片っ端から習得してしまおう。
[技能:服飾の才を習得しました]
[技能:服飾の才は錬金術に統合されました]
[技能:木工の才を習得しました]
[技能:木工の才は錬金術に統合されました]
加工の素質の初期スキルを習得して錬金術に統合されるのを確認してから思い至るのは今更だと思うけれど、鍛冶はともかく服飾や木工まで錬金術に統合されるのおかしくない?もしかしたら何かゲーム内の設定があるのかもしれない。
さて、あとは錬金術に関係ありそうなスキルと高速戦闘術に統合できそうなスキルを習得してしまおう。
[技能:元素魔術を習得しました]
[称号:元素魔術士を獲得しました]
[技能:元素魔術は錬金術に統合されました]
[素質:元素魔術士を選択可能になりました]
[技能:付与魔術を習得しました。]
[技能:付与魔術は元素魔術に統合されました]
[技能:槍術を習得しました]
[技能:槍術は高速戦闘術に統合されました]
[技能:隠密を習得しました]
[技能:隠密は暗殺術に統合されました]
[技能:消音を習得しました]
[技能:消音は暗殺術に統合されました]
[技能:投擲を習得しました]
[技能:投擲は暗殺術に統合されました]
[技能:暗器術を習得しました]
[技能:暗器術は暗殺術に統合されました]
[技能:歩法を習得しました]
[技能:歩法は暗殺術に統合されました]
[技能:走法を習得しました]
[技能:走法は暗殺術に統合されました]
[技能:テイムを習得しました]
「あ……やっちまった」
どうやらテイムは高速戦闘術には統合できないようだ。
余っているとはいえスキル枠を無駄に埋めてしまった。
同じミスをするのも怖いので一旦やめておこう。
最終的にスキル欄はこうなった。
◼︎スキル
①探索
┣個体識別
┗消費魔力減少
②魔力弾
┣形状変化
┣軌道操作
┗消費魔力減少
③灰の神威
④灰神の法器
⑤蒼の神威
⑥蒼神の法器
⑦高速戦闘術
┣槍術
┗暗殺術
┣短剣術
┣暗器術
┣攻撃威力調整
┣隠密
┣消音
┣投擲
┣歩法
┗走法
⑧錬金術
┣加工の心得
┣鍛冶の才
┣服飾の才
┣木工の才
┣調理
┣調薬
┣調合
┗元素魔術
┗付与魔術
⑨テイム(0/1)
───────────────
お読みいただきありがとうございます。
前話後書きの予告通りステータス回でした。
超強化されましたけど戦闘関係はほぼフレーバーですね。
44
お気に入りに追加
2,268
あなたにおすすめの小説

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる