憧れの先輩にお持ち帰りされて両想いになるまで快楽責めされる話

憧れの先輩にお持ち帰りされて両想いになるまで快楽責めされる話

5

「……っ、は……♡……は♡…………ッ♡」
「佐倉の身体、すごくえっちになっちゃったね」

　はだけたまま腕に絡まっていた服が器用に脱がされ、汗ばんだ肌が外気に晒された。露わになった首筋や鎖骨の上を、ぬるりとした舌がゆっくりと這っていく。時折走るちくりとした痛みですら、今の身体には快楽として響いてしまう。

「乳首もぴんと立って可愛い形になったし……」

　胸元へと伸びた手が突起の周りを撫ぜ、肩が小さく跳ねた。先輩はそのまま下腹部へ手を滑らせ、鼠径部を指先でなぞる。

「ここもこんなに柔らかくなって、もう俺のも飲み込めそう」
「……ッ！♡ぅ゛……♡……っ、ん……♡」

　とん、と秘部のすぐ上を軽く押されただけで、胎内がきゅんきゅんとうねる。決定的な刺激が与えられないもどかしさと戸惑いを訴えるように先輩を見上げれば、ふわりとした微笑みとともに耳元に口を寄せられた。

「好き。好きだよ、佐倉」

　柔らかく包み込むような声音が耳朶を打ち、思考が停止する。

「初めて会った時から好きだった。静かで落ち着いているように見えて、実は負けず嫌いで一生懸命頑張ってるところも全部好き」

　愛おしむように頬を優しく包み込まれ、唇が重なる。啄ばむように繰り返される口づけはどこまでも優しい。

「この白い肌も、細い腰も、触ってみたらどんな反応をするのかずっと知りたかった」

　壊れ物を扱うかのように、骨張った手が身体中を這い回る。触れたところから伝わる体温に、強張っていた身体が少しずつ弛緩していく。先輩の言葉がまるで毒のように緩やかに頭の中に染み込み、わずかに残っていた正気を奪い去っていく。

「とろとろに解れてるここも、早く俺のでいっぱいにしたい」
「ん゛♡……ッ♡ふ、……ぁ♡」

　つぷり、と音を立てて小指が後孔に差し込まれる。そのまま浅いところをぐるりとかき混ぜられ、我にもなく鼻にかかったような吐息が漏れた。

「佐倉は俺のこと好き？……それとも、期待通りの先輩じゃなくて幻滅したかな」

　穏やかでありながら、どこか寂しそうな表情が心を波立たせる。そんな顔をさせたかったわけじゃない。苦しいほどの快楽を与えられてもなお、目の前にいる彼を拒絶することはできなかった。応えなければ、と焦燥感にも似た感情が湧き起こる。
――俺も、きっと先輩のことが好きなのだろう。霞がかかったようにぼんやりとした頭が、無意識のうちに問いかけられた言葉に答えを出す。そうでなければ、自分自身の奥深くまで埋める質量を、全身を貫いて滅茶苦茶にするような熱さを求めて酷く身体が疼く理由に説明をつけることができないのだから。

「せん、ぱい」

　上手く力の入らない腕を先輩の首に回し、自分の思いが少しでも伝わるように身体を寄せる。

「おれ、も……すき、です……♡きもちよすぎる、のは……つらいけど……せんぱいにさわられるのは、いやじゃない……です、あたまがふわふわして、おなかもきゅん、ってして……♡」

　ぱちぱちと目を瞬かせる彼に構わず言葉を続ける。もはや自分でも何を言っているのか分からないまま、欲望に任せて心の内を曝け出す。

「でも……からだ、さっきからずっとあつくて、だせないからくるしいままで……♡たりないのに……♡どうしたらいいか、わかんなくて……っ♡」

　理性はとうに崩れ落ちていた。今まで感じたことのないほどの強烈な快楽を植え付けられて、おかしくなってしまったのかもしれない。それでもいいと思った。この先への期待だけが頭を埋め尽くし、正常な判断力を奪い去っていく。浅ましい欲求を自覚しながらも、もはや自分を止めることはできなかった。