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「じゃあ、維月が思い出すまでセックスするから」
「へっ……!?」
拍子抜けしたのも束の間、油断していた身体は簡単にシーツの上に押さえつけられ、腰だけが高く持ち上げられる。窄まりに擦り付けられた屹立は火傷しそうなほどの熱さと硬さを保ったままで、ひゅ、と微かに喉が鳴った。
「これならさっきより奥まで入りそう」
「ぅ、え?……っあ♡まって♡おく、はいっちゃやだ……ぁ♡」
昂りにぴったりと吸い付いていた窄まりが、突き立てられた欲望を歓迎するように中へと引きずり込む。先程まで自分の中に入っていたとは思えないくらいの質量が身体の中をこじ開けていく感覚だけで、思考回路が焼き切れそうだった。ごちゅん、と不意に最奥に先端が叩きつけられた瞬間、視界にちかちかと火花が散った。
「せな……♡ぁ゛♡や♡これ、むり♡だめ♡だめ……だ♡ひぅ♡……ッう゛♡」
とん、と最奥を軽く小突かれるとはくはくと息が漏れる。今まで感じたことのない強烈な快感から逃げようとする身体は、瀬永の両手によって容易く元の位置に戻される。
「ぁ♡……せ、な♡せな♡酔って、へんなことして♡ごめ、なさ……っ♡ぅ♡ぁ、やっ♡」
浅い呼吸を繰り返しながら必死に謝罪の言葉を紡ぐ。そもそもいくら酔っていたからといって自制できなかったのがいけないのだ。何をしでかしてしまったのかは分からないが、こんなに怒った瀬永は見たことがない。
「そんなことに怒ってる訳じゃないんだけど……まだ思い出せない?」
「っは、ぁ♡んぅ♡……っお゛♡やら♡……まっ、て♡ぁ゛♡……~~ッ♡」
屹立が抜けてしまいそうなくらい浅いところまで引き抜かれたと思った瞬間、強く最奥まで穿たれる。縁を捲り上げるように肉壁を擦り上げられて目の前に星が散った。
「ねえ、聞いてる?」
「は……っ♡ぁ゛♡……お、く♡ごつって♡んぅ゛♡っひ♡ふか、い……っ♡」
「ねえってば」
今自分が何を口走っているかすらよく分からない。ばちゅ、と奥を抉るように突き上げられる度にはしたなく腰が揺れてしまう。激しい抽挿を繰り返しながら腹の上を手のひらで強く押されると、嫌でも中に埋まった昂りを意識してしまって背筋がぞわぞわと粟立つ。
「そろそろ思い出した?」
「ぉ゛♡ぇ……っ?♡♡わかん、にゃ♡♡う、ぁ゛♡」
「そっか」
「や♡やっ……ぁ゛♡それ、やだ……ッ♡♡ん、ぅ……♡っう♡」
上手く回らない頭で必死に考えてみても分からないものは分からない。おぼろげな記憶は熱と快感で溶かされて、思い出すことすらままならない。しかし、背後から聞こえる瀬永の声は地を這うように低い。
「……維月って、本当は俺のこと嫌い?」
耳元で告げられた言葉に反応して身体の奥がまたどくりと脈打つ。
そんなことあるはずもないのに。すぐに否定しなければならない、と頭の片隅で警鐘が鳴っているのに、上手く口が動かない。ここで素直に好意を口にすれば、今まで細心の注意を払って保ってきた関係が崩れ落ちてしまうだろう。既に崩れてしまった繋がりだとしても、すぐに手放せるほどの覚悟はなかった。考えれば考えるほど喉元まで迫り上がってくる言葉を吐き出すことができない。涙やいろいろな体液で濡れた顔を隠すように枕に顔を埋める。
「ねえ、維月」
「ひっ♡ん、ぅ゛……♡……ッ♡……~~~~♡♡」
必死に首を振って拒否の意を示すも腰の動きが止まる気配はない。それどころかぐりぐりと最奥を押し潰すような動きに変わってより逃げ場がなくなっていく。腰を固定されたまま好き勝手に中をかき回される感覚は未知への恐怖を孕んでいるはずなのに、それすらも快感として身体が受け止めてしまうことに頭が追い付かない。
「それとも、他に好きな奴でもいるの?他の奴と間違えて俺のこと誘ってきたの」
「……ぁ♡ちが……っ♡そ、じゃなくて♡……せな♡せな、しか……すきじゃない♡」
思わず口から零れた言葉に反応したのか、動きが緩やかになり、きつく身体を押さえつけていた両手の拘束が緩む。早く。もうなりふり構ってはいられない。今のうちに早く伝えなければ。終わりのない快楽から逃れることができる機会も、瀬永の怒りを収めることができる機会も、今しか残っていないような気がする。
「おれがすきなのは、せなだけ……♡だか、ら♡ずっと、せなが♡すき、で……♡」
「……本当?」
「ほんと♡ほんと……だから、ごめ……♡……っん゛ぅ!?♡」
こんなことを言うつもりではなかったのに。墓場まで持って行こうと思っていたくらいなのに。もはや頭も口も回らない。何か弁明の言葉を発しようとした瞬間、ごちゅん、と中を強く穿たれて喉から空気だけが押し出された。
「……~~ッ♡ぁ♡……ごめ、なさ♡も、こんなことしない……から♡……ゆるして♡きらいにならない、で……♡」
「……そんなの」
不意にぴたりと動きが止まる。訪れた休息に安堵する間もなく、ぐるりと身体を反転させられ、瀬永と向かい合うように体勢を変えられる。真一文字に引き結ばれた口、据わった目はこちらをまっすぐ見つめている。射竦められたように身体が強張って動かない。
「嫌いになれる訳ないじゃん」
「……っ、ぁ♡……ふ♡っん、む♡……ぅ゛♡」
大きな両手が伸びてきて両頬を包み込む。鼻先がぶつかりそうなくらい近い距離にある彼の顔に無意識に視線を奪われる。まだ薄暗さの残る部屋の中で、熱を孕んだような瞳だけが鈍く光っていた。吸い込まれるような錯覚を覚えると同時に、柔らかい感触が唇に押し付けられる。突然触れた唇に驚いて舌で押し返そうとしたが、簡単に絡め取られてしまった。ざらついた表面同士を擦り合わせる度にびりびりと身体が痺れるような感覚に襲われる。
「ん……♡ふ、ぅ゛♡……っは♡……せ、な♡ぁ♡」
流し込まれる唾液を飲み込む度、じわじわと内側から溶かされていくように身体が火照っていく。角度を変えながら何度も何度も深く口付けられて上手く息ができない。恥ずかしくて堪らないのに顔を逸らせない。気持ちいいということ以外何も考えられなくなって、この感覚に身を委ねてしまいそうになる。
「へっ……!?」
拍子抜けしたのも束の間、油断していた身体は簡単にシーツの上に押さえつけられ、腰だけが高く持ち上げられる。窄まりに擦り付けられた屹立は火傷しそうなほどの熱さと硬さを保ったままで、ひゅ、と微かに喉が鳴った。
「これならさっきより奥まで入りそう」
「ぅ、え?……っあ♡まって♡おく、はいっちゃやだ……ぁ♡」
昂りにぴったりと吸い付いていた窄まりが、突き立てられた欲望を歓迎するように中へと引きずり込む。先程まで自分の中に入っていたとは思えないくらいの質量が身体の中をこじ開けていく感覚だけで、思考回路が焼き切れそうだった。ごちゅん、と不意に最奥に先端が叩きつけられた瞬間、視界にちかちかと火花が散った。
「せな……♡ぁ゛♡や♡これ、むり♡だめ♡だめ……だ♡ひぅ♡……ッう゛♡」
とん、と最奥を軽く小突かれるとはくはくと息が漏れる。今まで感じたことのない強烈な快感から逃げようとする身体は、瀬永の両手によって容易く元の位置に戻される。
「ぁ♡……せ、な♡せな♡酔って、へんなことして♡ごめ、なさ……っ♡ぅ♡ぁ、やっ♡」
浅い呼吸を繰り返しながら必死に謝罪の言葉を紡ぐ。そもそもいくら酔っていたからといって自制できなかったのがいけないのだ。何をしでかしてしまったのかは分からないが、こんなに怒った瀬永は見たことがない。
「そんなことに怒ってる訳じゃないんだけど……まだ思い出せない?」
「っは、ぁ♡んぅ♡……っお゛♡やら♡……まっ、て♡ぁ゛♡……~~ッ♡」
屹立が抜けてしまいそうなくらい浅いところまで引き抜かれたと思った瞬間、強く最奥まで穿たれる。縁を捲り上げるように肉壁を擦り上げられて目の前に星が散った。
「ねえ、聞いてる?」
「は……っ♡ぁ゛♡……お、く♡ごつって♡んぅ゛♡っひ♡ふか、い……っ♡」
「ねえってば」
今自分が何を口走っているかすらよく分からない。ばちゅ、と奥を抉るように突き上げられる度にはしたなく腰が揺れてしまう。激しい抽挿を繰り返しながら腹の上を手のひらで強く押されると、嫌でも中に埋まった昂りを意識してしまって背筋がぞわぞわと粟立つ。
「そろそろ思い出した?」
「ぉ゛♡ぇ……っ?♡♡わかん、にゃ♡♡う、ぁ゛♡」
「そっか」
「や♡やっ……ぁ゛♡それ、やだ……ッ♡♡ん、ぅ……♡っう♡」
上手く回らない頭で必死に考えてみても分からないものは分からない。おぼろげな記憶は熱と快感で溶かされて、思い出すことすらままならない。しかし、背後から聞こえる瀬永の声は地を這うように低い。
「……維月って、本当は俺のこと嫌い?」
耳元で告げられた言葉に反応して身体の奥がまたどくりと脈打つ。
そんなことあるはずもないのに。すぐに否定しなければならない、と頭の片隅で警鐘が鳴っているのに、上手く口が動かない。ここで素直に好意を口にすれば、今まで細心の注意を払って保ってきた関係が崩れ落ちてしまうだろう。既に崩れてしまった繋がりだとしても、すぐに手放せるほどの覚悟はなかった。考えれば考えるほど喉元まで迫り上がってくる言葉を吐き出すことができない。涙やいろいろな体液で濡れた顔を隠すように枕に顔を埋める。
「ねえ、維月」
「ひっ♡ん、ぅ゛……♡……ッ♡……~~~~♡♡」
必死に首を振って拒否の意を示すも腰の動きが止まる気配はない。それどころかぐりぐりと最奥を押し潰すような動きに変わってより逃げ場がなくなっていく。腰を固定されたまま好き勝手に中をかき回される感覚は未知への恐怖を孕んでいるはずなのに、それすらも快感として身体が受け止めてしまうことに頭が追い付かない。
「それとも、他に好きな奴でもいるの?他の奴と間違えて俺のこと誘ってきたの」
「……ぁ♡ちが……っ♡そ、じゃなくて♡……せな♡せな、しか……すきじゃない♡」
思わず口から零れた言葉に反応したのか、動きが緩やかになり、きつく身体を押さえつけていた両手の拘束が緩む。早く。もうなりふり構ってはいられない。今のうちに早く伝えなければ。終わりのない快楽から逃れることができる機会も、瀬永の怒りを収めることができる機会も、今しか残っていないような気がする。
「おれがすきなのは、せなだけ……♡だか、ら♡ずっと、せなが♡すき、で……♡」
「……本当?」
「ほんと♡ほんと……だから、ごめ……♡……っん゛ぅ!?♡」
こんなことを言うつもりではなかったのに。墓場まで持って行こうと思っていたくらいなのに。もはや頭も口も回らない。何か弁明の言葉を発しようとした瞬間、ごちゅん、と中を強く穿たれて喉から空気だけが押し出された。
「……~~ッ♡ぁ♡……ごめ、なさ♡も、こんなことしない……から♡……ゆるして♡きらいにならない、で……♡」
「……そんなの」
不意にぴたりと動きが止まる。訪れた休息に安堵する間もなく、ぐるりと身体を反転させられ、瀬永と向かい合うように体勢を変えられる。真一文字に引き結ばれた口、据わった目はこちらをまっすぐ見つめている。射竦められたように身体が強張って動かない。
「嫌いになれる訳ないじゃん」
「……っ、ぁ♡……ふ♡っん、む♡……ぅ゛♡」
大きな両手が伸びてきて両頬を包み込む。鼻先がぶつかりそうなくらい近い距離にある彼の顔に無意識に視線を奪われる。まだ薄暗さの残る部屋の中で、熱を孕んだような瞳だけが鈍く光っていた。吸い込まれるような錯覚を覚えると同時に、柔らかい感触が唇に押し付けられる。突然触れた唇に驚いて舌で押し返そうとしたが、簡単に絡め取られてしまった。ざらついた表面同士を擦り合わせる度にびりびりと身体が痺れるような感覚に襲われる。
「ん……♡ふ、ぅ゛♡……っは♡……せ、な♡ぁ♡」
流し込まれる唾液を飲み込む度、じわじわと内側から溶かされていくように身体が火照っていく。角度を変えながら何度も何度も深く口付けられて上手く息ができない。恥ずかしくて堪らないのに顔を逸らせない。気持ちいいということ以外何も考えられなくなって、この感覚に身を委ねてしまいそうになる。
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