【BL】欠陥Ωのオフィスラブストーリー

カニ蒲鉾

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3【招待という名の呼び出し】

3-33幸せなピロートーク

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「とにかく、一柳代表にはハッキリとお断りしてきたから」
「つかささん…」
 
 
 まだイマイチ説得力に欠けるのか、すぐにでも代表に連絡が入れれるよう握ったスマホを下ろさない楓真くんの手にそっと触れ目を合わせる。
 少しでも僕の想いが伝わればいい、そんな願いを込めて。
 
 
「僕はね楓真くん。外野になんと言われようが、キミの口から直接必要ないと言われるまで、御門から――楓真くんから離れるつもりは無いよ。これが僕の気持ち」
 
 
 しっかり目を見てそう言い切れば、息を呑む楓真くんの目がゆっくり大きく見開かれていく。
 
 
「つかさ…さん……」
「うん」
 
 
 弱々しく名前を呼ぶ彼の表情は大企業のトップに立つアルファの姿から一変、25歳という年相応の年下の男の子だった。
 
 
「なぁにその顔は」
「だってぇ……俺がつかささんを必要ないなんて、言うわけないじゃないですかぁ」
「ふふ、知ってる。だから一生一緒だね」
「~~っ」
 
 
 溢れ出る喜びを顔いっぱいに貼り付けるカッコよくて可愛い楓真くんをじっと見つめているだけで愛おしい気持ちが込み上げてくる。
 
 
 自然と洩れる笑みをそのままにふふ、と笑っているとやっと下ろしたスマホをソファに置いた楓真くんの手が僕の手をきゅっと握り返した。
 
 改めて視線が混じり合う。
 

 
「つかささん」
「……はい」


 
「これからも、一生そばにいてください……」
 
「僕の方こそ……一生そばにいさせてください」
 
 
 
 楓真くんに愛されるのはもちろん幸せ。
 でも、それだけじゃなくて楓真くんを愛する気持ちも常に表したい。
 

 一方的ではなく相互的に与え合うのが理想の愛情表現。

 
 それが、まさに今なんだと思う。
 
 
 夕陽が差し込むリビングのソファ。
 
 子供たちを迎えに行くその時間まで、くすくす囁き合う静かなやり取りが絶えず交わされていた。
 
 
 
 
 
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