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4-6 闇オークション

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『ひゃ、100です!!!100カラット!これ以上の方、いらっしゃいますでしょうか!?』
 
 
 興奮したMCの上擦った声に次第に我を取り戻し始めた会場内のボルテージがマックスまで上がっていく。先程10カラットを申し出た初老の男性も、お手上げと言わんばかりに首を振っていた。
 
 
『いいですね!?締め切りますよ!?』
 
 
 カンカンカンッ
 
 
 小槌を叩く甲高い音が鳴り響き、僕の落札額と購入者が決定した―――。
 
 
 
 鳥籠ごと舞台裏まで下げられると、オーナーだと思われる初めに会った男性が興奮した面持ちで僕を出迎えた。
 
 
「素晴らしいっ最高だったよ!お前は過去一番の高値だ!さぁ、主人となる方を迎える準備をしなくては。こちらに来なさい」
 
 
 覆われた視界のまま黒服に支えられ、男性の後を着いていく。
 
 その間、僕を落札した人――おそらく舞台に上がってきたあの人のことを考えていた。
 当然17の僕よりは年上だろうが、会場内にいた誰よりも若さを持った高身長の男性。初めてあったはずなのに、僕の名前を知っていた。
 
 
 連れられた部屋は再び浴室で、ここでやっと外されたレースの目隠しにクリアになる視界を慣れさせる暇もなく来た時と同じようにメイドの手によってさらに丹念に磨かれる。
 その際身体に柑橘系の香油のようなものを塗り込められ、肌が艶々と輝いていた。
 
 ガウン一枚羽織らされただけの格好で瞬く間に連れてこられた部屋ではこれから僕が着るであろう服が一着中央に鎮座し、大きな姿見が用意されている。
 それを眺める形で一人がけのソファにオーナーが腰掛け準備を始めるようメイドに合図を送っていた。
 
 
 姿見の前に立たされ、ガウンをストンと落とされる。首元を覆うチョーカー以外何も身に付けないありのままの姿。
 
 足を通すよう促され履かされるのは先程と同じレースの下着。
 その後、オフショルダーの薄い布を頭から通されると、前はギリギリ下着が隠れ太ももは完全に剥き出しになった短い丈、逆に後ろは床を引き摺ってしまう長さのヒラヒラ揺れる薄いワンピースを着せられた僕が鏡に写っていた。
 
 手首や太ももに装飾品を付けられ、最後にレースの布を頭から被せられる。
 
 
 完成した格好はまるで純白の花嫁のような、そんな姿。
 つい先程ステージの上で大衆の目に晒され、辱められ、金で取引されたとはまるで思えない、清楚な姿だった。
 
 
 
 
 
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