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3【発情期】
3-10 強制発情(2)※
しおりを挟む「っは、ぁ、」
汗がポタリと顎を伝う。その感触ですら、ぞわっと背筋を震わせた。
「橘さん、スーツ脱がせますね」
「や、め……」
絨毯の上に力無く座ったまま1人の胸に抱えられるよう後ろから上半身を支えられ、前に回ったもう1人の手によってスーツを脱がされていく。
辞めさせたいのに、身体が言うことを聞かない。
時たま後ろの人の髪が首筋を擽る感触にまたぶわりと熱が広がった。
スーツのジャケットは簡単に剥ぎ取られ、あっという間にシャツのボタン全てを外されると外気が上半身をくすぐっていく。
「っ…ん」
その些細な感触にすら昂る身体は小刻みに反応してしまう。
「は、はっ橘さん、フェロモンやばいっすね」
「早く楽にしてあげますからね」
「っやめ、」
後ろと前からはぁはぁと熱い吐息を感じる度に発情するこの身体は、暴れ狂う熱いものとは別の、腹の底から這い上がる不快感を、拾ってしまう。
2人のアルファフェロモンが濃くなっていた――
「……っぅ、」
鼻と口を手で覆いたくとも男性が邪魔でそれも叶わず、必死に歯を食いしばる。
そんな僕の様子などお構い無しに剥き出しの右胸の突起を予告もなしにべろりと舐められ、左胸は後ろの男性の手によってきゅっと摘まれる。
「んっ、ぅ」
突然の同時の刺激に全身を稲妻が走り、自然と反った胸を男性の口へ押し付けてしまう。それに気分を良くしたのか、ぢゅぅぅと激しく吸われ、息が上手くできないほど感じてしまう。
「あっ、ぁ、ぁんぅ、んっ」
餌を求める鯉のように口をぱくぱくさせていると、後ろから伸びてきた指が口内に侵入する。我が物顔で自由に掻き回すその指が不快で仕方がないはずなのに、じゅぷじゅぷと出し入れされる度にここまで一切触れられていない下半身がきゅぅん、とその切なさをアピールしていた。
その事にバレたくない一心で必死に脚を閉じ誤魔化すが、無情にもそれはすぐに見つかってしまう。
「あれ、橘さん、ズボンキツくて苦しそう…」
「後ろももしかして……」
「ぁっ、だ、め…だめっ」
カチャカチャと音を鳴らし外されるベルト。
ジィィとチャックを下ろされ、開放されるズボンの前は下着を押し上げる僕の性器がじわぁと布を濃く染めていた。
「っ、や、ば……」
「はぁ、いい匂い…」
目の前でくんっとひと嗅ぎされ、さらにじわぁと広がる染み。
「ひっや、やだ、だめだめっ、あっぁ、ぁ、」
脚を大きく開かされ、下着ごとその口に含まれるリアルな光景が目の前で繰り広げられる。
見たくないのに、まるで視線を固定されてしまったかのようにその光景から目を離すことができず、ドッドッドッと心臓が爆音で暴れていた。
熱い口内でじゅぅぅっと強く吸われた衝動で、その奥の秘奥から、とろぉ…と流れる粘着性の感触。
「ひ、ぅ…」
気づけばズボンは完全に脱がされ、後ろの男性の指が下着越しに穴の割れ目をなぞるよう優しく上下に触れてくる。
「っは、ぁ…、んぁ」
「見てください。糸、ひいてますよ」
耳元でそう呟かれ、粘る指を目の前で見せつけられると、全身がさらにぶわっと熱くなる。
ぴちゃぴちゃ聞こえる水音が、舐められてでる音なのか、穴から溢れるそれのせいなのか、はたまたそのどちらもなのか、判断がつかないくらい前後から溢れて止まらなかった。
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