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ラッキースケベ(1)
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「それじゃあラズ、私は行くけど身体辛いだろ?午後は大人しく休んでなさい」
「誰のせいだよエロクオーツ」
「おや、まだもう一回できるくらい元気が残っていたのか」
「はよ行け、しっしっ」
一人で使うには広すぎる王のベッドのど真ん中で枕に突っ伏し、出ていくクオーツに目もくれずしっしっと手を振る。
そんな僕の態度には慣れきっているクオーツはくすっと笑うと「行ってくるね」とうなじにひとつリップ音を残し颯爽と寝室から出て行った。
そんなクオーツと入れ替わるようにして誰かが入ってくる気配がするが、目をやる気力もわかない。
それに、誰なのかは姿を見なくともわかっていた。
「ラズ様だいじょーぶ?」
「全然大丈夫じゃないやい!くそクオーツめ…っ!こんな昼間っから……」
予想通り、入ってきたのは僕が王城で暮らすようになってからずっと僕の世話をしてくれている青年、マリンだった。明るく砕けた口調のマリンはクオーツとも長い付き合いらしく、クオーツが許した数少ない僕の話し相手でもある。
「あははっ大丈夫そうですね~起き上がれます?お身体拭きますよ~それとも湯浴びにします?」
「んんぅ……お風呂」
「はぁいすぐ用意するから寝て待ってて」
よしよしと頭を撫でてからスタスタベッドから離れていくマリンの後ろ姿を細目で見送りながら指一本動かす気力もわかず、きゅぅと休んでいるとそう時間も経たないうちに申し訳なさそうに戻ってきた。
「ラズ様ごめぇん、なんかここのお風呂の調子が悪いみたいでお湯が出ないみたい……どうします?」
「えぇ~…もうお風呂に浸かりたい気分になっちゃったじゃん」
ガーン、とショックを受けパタっと再び枕に突っ伏すと、突如閃いた代替案にガバッと身体を起こす。
「じゃあ大浴場行く」
「はぁ~!?そんなとこ行ったってクオーツ様にバレたら大目玉どころじゃないんですが…?」
「だいじょーぶ大丈夫!僕とマリンの秘密!こんな時間に使う人もいないだろうし!あの広いお風呂に一人で入ってみたいって思ってたんだよね~そうと決まればレッツゴー!」
さっきまでの無気力さが嘘のようにマリンが用意したシャツとズボンをさっと身に付けると、渋るマリンを従え王の寝室を後にすると広い王城の中にある大浴場へ意気揚々と向かった。
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