62 / 204
第60話 ウルグサスの出す課題とハーネイトの異変
しおりを挟む目の前にいた巨大な龍は、あっという間に蒼銀の腰まである長い髪に、燃えるような赤と青の瞳、薄緑色のゆったりした服を着た青年と化していた。
時折吹く強い霧混じりの風に服の裾ををたなびかせながらも、ハーネイトたちを優しく、そして鋭く見つめている。それに気づいたハーネイトは一種の恐怖とある種の安心を感じていたのであった。
「これが霧の龍の正体、なのか? 」
「巨大な龍が、人間に……」
「おおお、おおおおお! 」
「これは驚きですね。フフフ、里帰りをして早々に……しかし無事で何よりです」
「里帰り、どういうこと? 」
「え、いや、聞き間違いでは? 」
伯爵とリリー、ユミロは人間になった龍を見てそれ以上の言葉が出なかった。またシャックスとリリエットは変身した彼の姿をじっと見続けていたが、どうもシャックスは意味深なことを小声で口にしておりハーネイトもそれに気づく。
そもそも伯爵もリリーも異世界から来た転移者であり、実際に小説や物語であるような光景を自身の目で捉え見ることになるとは思ってはいなかったのだ。
またユミロも、故郷でそのようなものに出くわしたことはなく、ただただ見入っていた。
「改めて、私の命を助けてくれてありがとう、ヴィダールの血を継ぐもの、ハーネイトよ」
「は、はあ……ヴィダール……? 」
先ほどの威厳のある声から一転し、人の姿になった龍の声は若く透き通るような声であった。
「そうかしこまらずともよい。私の名は、ウルグサス・ミストラス。俗に龍人と呼ばれている」
「龍人、聞いたことがないですね。……神の存在など信じてはいませんが、貴方からは荘厳な気を感じます。それに、懐かしいというか、落ち着く感じもします。自分の中にある力と、同じ何かを」
「それもそうだろう。しかし、古代人の血を継ぐにしては、あまりにあの女神、ソラの気運が強すぎる。まあそれは、あの計画による産物が故か。しかしそれに……まだおかしい点がある」
ウルグサスは丁寧に、ハーネイトの質問に答えつつ彼の全身をくまなく観察する。目が合った時から、違和感を覚えておりウルグサスは警戒すらしていた。
「私はヴィダールと呼ばれる生命体、その一種にして一柱。ハーネイト、お前も同じ力をもっている。いや、それ以上にその龍の力、何故6つ全てを宿して……そうか、ようやく成功したのだなソラ、それにドラグティクス」
そんな中、ウルグサスの突然の発言に思わずハーネイトは驚きを隠せず顔が青ざめる。自分の力は果たしてどこ由来のものなのだろうか、フューゲルたちに質問しても答えてくれないその理由も合わせ、ハーネイトは真相を確かめたいためウルグサスに近寄る。
「あの、その龍の力とは何なのでしょうか? 」
「そうだな、それをまず教える必要がある。昔、まだ今の世界ができる前。旧世界と言えばいいか。それを支配していたのが龍なのだ。その力を、私もお前も、その隣にいる青髪の男もしっかり宿している。それが、世界龍の因子だ」
「せ、世界龍? 」
「なんやて?俺にもそんなのが入ってんのかよ、てことはお前みたいなドラゴンになるのか俺? 」
「落ち着け、青髪の男」
「俺は伯爵や。サルモネラ・エンテリカ・ヴァルドラウン伯爵」
「そうか、しかし君も人の形をした何か、だね。ハーネイトも君も、共に龍の因子が埋め込まれているのだが……それを無理矢理制御しているか」
ウルグサスは、伯爵の方も見て違和感を覚えていた。この男は、明らかに人ではない。霊体に微生物の体を纏わせている何かだ。それでいて黒き龍の力を感じる。そうなると、2人ともかなり特殊な出生の秘密を持っているとしか思えないと彼は判断する。
「俺は、あの事件以前の記憶がほとんどねえけど……ある家に拾われ、養子だったことと、あの事件のことは覚えている。しかし、産みの親……分かんねえがお前、何か知っているのか? 」
「自分も分からない、誰が自分をこの世界に解き放ったのか。でも、今まで思っていたのときっと違う何かがあるのは感じます」
2人の反応を見てから、ウルグサスはある提案というか道を示そうとした。それは、彼らの背負う運命とその道のりが誰よりも過酷なものになるからと考えていたからである。
「そうなると、そのルーツを探す旅を2人はしないといけない。その真実を知らなければ、龍の力が毒になる。しかもハーネイトは何かしら処置を施さなければいけない。伯爵も、他に龍の力が埋め込まれていた場合はそうだな。その前に、あるものを取り込む必要があるか、ふむ」
ウルグサスはそれから、ハーネイトの方を見ていかにも深刻な顔を見せる。その理由は、彼の体に埋め込まれた力が彼に悪影響を与えていると言う事であった。
「古代人、つまり古代バガルタ人は生まれてすぐにある物を体に埋め込まれていたという話を知っている。それがその龍の力だ。しかし、それを2つ以上宿し、力を引き出すと肉体をボロボロにしかねない」
ウルグサスが言うには、古代バガルタ人はある実験の元にその龍の力を1つ埋められていると言う。しかし計6種ある因子のうち、2つ以上を宿して無事な存在は全体の7~10%程度であり、ましてや全部の因子を宿した者は今まで見たことがないと言う。それが一番の気がかりであり、ハーネイトを蝕む要因でもあった。
「では、それをどうにかするには? 」
「霊宝玉と呼ばれる常に光る玉から、制御する力を補うか霊量子と呼ばれるエネルギーを完全に支配するしかないだろう。それでも6つの力が解放されれば、命はないかもしれない」
ハーネイトの質問に対しそう答えるウルグサスは、誰がこんな無茶な施術をしたのかと憤るものの、それを取り除く手段がない以上は体を慣らすか、力に耐える体になってもらうしかないと話したのであった。
「……ずっと、調子がどこか悪かった原因はそれ、ですか? 」
「そうかもしれん」
「あの、1ついいでしょうか? 」
すると、シャックスが前に出て、ウルグサスに対しそう質問する。一体何者だと思いきや、彼はシャックスの体を見て思わず戸惑い、彼にも龍の力とヴィダールの力を感じたことに驚きながらも話を聞くことにした。
「何の用だ……!まさか、ほう。離反した同族の者か? 」
「このハーネイトという男が、霊量子の力をはっきりと感じ取れるようになれば、まだ猶予はありますか?今のままでは、内なる力を制御できなくなります。彼を今ここで失うわけにはいかないのです」
「あるにはあるが、それだけではダメだ。それと、ハーネイトの中にはまだ何か、炉心のような物がある。それを起動するには、霊宝玉かそれに準じた何かがいる。その炉心自体も、何か入っていると言うか……こればかりは流石に私でもな。ソラがあれを見て作ったのだろうが、作った本人に見てもらわんとな」
そう言いながらウルグサスは、一応ハーネイトと伯爵の内なる力を導く存在がそばにいることに安堵しつつも、一体シャックスという男も何者なのかと驚きを隠せない。
それもそのはず、シャックスは人となったヴィダールという存在である。そのため尋常でない霊量子の力に気付き、しかもある経緯でハーネイトこそ、ある予言のカギを握る存在だと分かっていたという。
「分かりました。リリエットさん、今の話は? 」
「き、聞いたわよ。しかし、そんな力をどこで手に入れたのかしら。道場にいた時は、彼にそんな力は……あっ」
「霊宝玉、それを集めれば、ハーネイトは大丈夫なのか」
「その通りだ。しかして、1つ話をしよう。古代人と俗にいう「バガルタ人」その文明、ハルフィ・ラフィース。かつて恐るべきほどの力を持つ文明がこの星で栄えていた。それは、ヴィダールという生命体であったという」
「話には、聞いたことがあります。その文明はある時を境に突然滅亡したと」
「確かにそうだ。しかしその滅亡の原因に迫れば、もしかすると誰が無茶な施しをしたのか、旧世界の支配者に関する文献、古文書なども手に入るかもしれないぞ。とにかく、2人ともかなり特殊な改造をされているのは分かった。まずは炉心のような物の調整、次に龍の力について調べながら体になじませる、最後にその龍の正体を暴き理解する。その流れを君たちの課題にしよう」
ウルグサスはしばらく古代人や、この星のことについて話をつづけた。その中には、この星で生まれ育ったものは誰もが、その神、ヴィダールと大きな関りがあり、力の一部や技術を受け継いでいることを説明する。
しかし、ハーネイトと伯爵のそれはあまりにもこの星で生み出されたのとはわけが違う性能を秘めている。そこで彼らに対し、改めて自身を知り力の使い方を理解するためにそういう課題を出したのであった。そうすれば、その強大過ぎる力も絶対に我が物にできる、そうアドバイスし2人はそれを理解した。
その中で、話をしながら目を閉じて、余裕のある表情をなぜか見せるウルグサスを見ると、彼は一体どこまで知っているのだろうか、謎の多い男だとハーネイトたちはそう思っていた。
「おかしいとは、ずっと思っていても、実際そう話を聞くと不安になってくる。浴びると怪物、屍になる血を浴びても変異しない、銀色の血にすぐ再生する肉体、それにすごく戸惑って生きてきた。本当に、その龍の力って……」
「案ずるな。貴様が願えば、その強大な力はすべて意のままに操れる。呪われた体でさえも乗り越えることもできよう。一番は、心を強く持てば、最悪の結末には決して至らないということだ。それが君たち2人に埋め込まれた力であるぞ」
ウルグサスはハーネイトを困らせてしまったことを詫びるため、一つの既に分かっていることについて話をした。それは彼が最も恐れていた、力の暴走で大好きな人や物が傷つくことについてであった。そしてそれは精神力の強さでどうにでもなると龍は丁寧に説明した。
「心を強く持て、ですか。確かにそれは、大切な事ですが……。ともかく、私たちのことを調べて頂き、ありがとうございましたウルグサスさん」
ウルグサスから話をすべて聞いたうえで、ハーネイトはその事実を受け入れる準備は全くできておらず、内心はとてももやもやして気分が悪かったが、それでもとても大切な情報を聞いたことについて素直に感謝し、一礼した。それにウルグサスも軽く微笑んだ。
「分かった。近いうちにまた会うことになる。ああ、いつでも呼び出せるように後で笛を渡そう。それとだ、もし私のような格好をし、なおかつ黒髪で紅い眼をした男と出会ったら気を付けるのだ」
「貴方に似た人がいるのですか。しかも気を付けろとは?」
「その男はお前を狙っている可能性があるのでな。それと別に課題というか、やるべきことを示そう。白い男とその遺跡、ダムファール・ラー遺跡に行きそこにある遺物を調べること。それと予言の神子について調べそれを探し出すことだ」
「予言の神子……はあ」
またも思わせぶりなことを口にし、ウルグサスは再度龍の姿になる。そして彼らに、背中の上に載るように首を振ってジェスチャーをする。
「さあ、背中に乗るとよい。迷霧の霧が晴れるまで少し時間がかかる」
「覚えておきます。遺跡か、しかしラー遺跡。しかしあそこは。いや、まあとにかく任務は果たした。報告は……」
「それならば、私が直接セフィラに会おう。送り届けてからな」
「セフィラさんはあなたのことをすごく心配していました。元気な姿を早く見せてあげてください。私たちはやらなければならないことがあります」
リリーのその言葉に、ウルグサスは更にもう一つ言葉をかける。
「ハーネイトよ、早く本当の力を出して今起きている事態を解決するのだ。そう願っているものは多いと考えている。後その隣の男もだ」
最後に、改めてハーネイトと伯爵の2人にウルグサスは、自身の内なる数々の力と真に向き合い理解し、受け入れることがあらゆる世界を救うことになると説き、鍛錬を怠るなと言う。
「ええ、やれるだけ、やってみます。いつまでも、怯えていては……優しくて強き王(モナーク)に、なれないかも」
「へへへ、そこまでいわれちゃあなあ。また聞きたいことあったら来るからよ、手土産持ってくるからさ」
「そうだな、何か詰まったときはここに来るとよい。それとそれにそこの3人よ。お前らがDGの者であることは分かっておる。別に動くヴィダールの力宿す者共よ」
「っ!もしかして私たちの力の秘密? 」
「俺はDGを抜けた。ハーネイト、新たな主。王にするべく力になりたい。それとヴィダールの力とは? 」
「知らずに使うとは、愚の骨頂だな。リリエット、シャックス、ユミロよ。お主等も龍の破片を体内に持っておるな?それが起因でヴィダールの力をある程度使えるようだが、女神ソラという存在はそのような者を認めない、いや、正確にはそういう存在が生まれないようにしてきた」
「そういう存在、ですか。ヴィダールである私はともかく、この2人は別の生命体でありながらVの力を宿している。それこそが問題なのですね」
「そう言われても、どうすれば」
「あの2人の元で戦い続け力を得るしかないぞ。他に力を持つ者も可能な限り集めるのだ。ヴィダールの力を不用意に使えば、恐るべき事態が起こるだろう。昔我も彼女の機嫌を損ねたせいでひどい目にあったのでな」
「女神、ソラ……それに、ウルグサス。私は夢を見ているのか」
「シャックス、顔色悪いわ」
「リリエット、霊量子の力が、ヴィダールの力、なのです。それは本来人が持っていてはいけない。しかし……ハーネイトの元にいれば結果が変わるはず。ということは、今のDGのNO.4こと貴方のお父様を止めないといけない」
「言われなくても、最初からそのつもり、よ。恐らく、そのヴィダールの力に取り込まれつつあるかも」
「ヴィダール……っ」
シャックスはいつもと違う表情を見せ、そばにいたリリエットに話しかけた。それに彼女は快諾した。うすうすそんな感じだと彼女は分かっていた。
自身の父が現在行っていることが、いかに危険なものか。けれど実際はそれ以上に恐ろしいものであったことを知り、頭が混乱していたのであった。それにユミロはボソッと言い、何かを思っていた。
「俺様も超びっくりな話を聞いて驚きマックスだけど、とりあえず日之国に戻ろうぜ。女神とやらの機嫌が悪くなったらやばいのはオール理解したぜ」
「あ、ああ。……そうだな。ユミロたち、一旦中に」
「すまない、あとで入りたい……」
「戻ってきたら、この様ですか。……もう、私も引きません。おそらく、あれらを止められるのはハーネイトだけですから」
「はあ、尚のこと、父の暴走を止めなければいけませんね。しかし、ハーネイト、大丈夫なの?」
ユミロたちは城に戻るまであの空間に戻りたくないと言い、それをハーネイトは尊重した。そしてシャックスはしばらく黙りこみ、リリエットはハーネイトの顔を見て心配していた。
最後に顔を見たのは道場を去る少し前で、久しぶりに見たライバルであり、好きな人だった彼の顔はひどくやつれていた。それが自分の行った行いのせいだとしたらと思うたび、彼女は胸が締め付けられる感覚に苦しんでいた。
「分かったよユミロ。そうだね、外の風にも当たりたいものね。さて、リリエットとシャックスは改めて後で質問攻めするから。シャックス、いよいよあなたの本領発揮ですか?人となったヴィダールは、ミロクじっちゃんも同じだったし分かっているけど」
「分かりました。私も伝えたいことがあります。女神が何なのか、分かった以上はできる限り教えましょう。まだ2人とも霊量士の力を意識的に使えていない状態なので、それを目覚めさせないと」
「では早く乗るとよい」
こうして6人はウルグサスの背中に乗って、日之国まで送ってもらうことにした。龍は霧の中を突き抜け、巨大な翼で薙ぎ払いながら上空に飛び出た。
そこは雲の上、太陽がまぶしく彼らを照らしていた。そしてハーネイトに異変が起きていた。それは今まで起きていた胃痛や幻聴などとは、はるかに比べ物にならない、彼にとって初めて体験したものであった。
「あ、あれ……力が急に」
ウルグサスの背中に乗り、空の旅を満喫する6人であったがハーネイトは自身の体に異変を感じる。急激な虚脱感と立ちくらみ。それでも抗おうと彼は足に力を込めようとする。しかし今にも倒れそうな状況であることは変わりがなかった。
胸がズキズキと疼き、まるで体全体からエネルギーが漏れ出ていくような感覚に、彼は意識を保つのが難しい状態であった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
前世で家族に恵まれなかった俺、今世では優しい家族に囲まれる 俺だけが使える氷魔法で異世界無双
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
家族や恋人もいなく、孤独に過ごしていた俺は、ある日自宅で倒れ、気がつくと異世界転生をしていた。
神からの定番の啓示などもなく、戸惑いながらも優しい家族の元で過ごせたのは良かったが……。
どうやら、食料事情がよくないらしい。
俺自身が美味しいものを食べたいし、大事な家族のために何とかしないと!
そう思ったアレスは、あの手この手を使って行動を開始するのだった。
これは孤独だった者が家族のために奮闘したり、時に冒険に出たり、飯テロしたり、もふもふしたりと……ある意味で好き勝手に生きる物語。
しかし、それが意味するところは……。
小型オンリーテイマーの辺境開拓スローライフ~小さいからって何もできないわけじゃない!~
渡琉兎
ファンタジー
◆『第4回次世代ファンタジーカップ』にて優秀賞受賞!
◆05/22 18:00 ~ 05/28 09:00 HOTランキングで1位になりました!5日間と15時間の維持、皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!!
誰もが神から授かったスキルを活かして生活する世界。
スキルを尊重する、という教えなのだが、年々その教えは損なわれていき、いつしかスキルの強弱でその人を判断する者が多くなってきた。
テイマー一家のリドル・ブリードに転生した元日本人の六井吾郎(むついごろう)は、領主として名を馳せているブリード家の嫡男だった。
リドルもブリード家の例に漏れることなくテイマーのスキルを授かったのだが、その特性に問題があった。
小型オンリーテイム。
大型の魔獣が強い、役に立つと言われる時代となり、小型魔獣しかテイムできないリドルは、家族からも、領民からも、侮られる存在になってしまう。
嫡男でありながら次期当主にはなれないと宣言されたリドルは、それだけではなくブリード家の領地の中でも開拓が進んでいない辺境の地を開拓するよう言い渡されてしまう。
しかしリドルに不安はなかった。
「いこうか。レオ、ルナ」
「ガウ!」
「ミー!」
アイスフェンリルの赤ちゃん、レオ。
フレイムパンサーの赤ちゃん、ルナ。
実は伝説級の存在である二匹の赤ちゃん魔獣と共に、リドルは様々な小型魔獣と、前世で得た知識を駆使して、辺境の地を開拓していく!
聖女なので公爵子息と結婚しました。でも彼には好きな人がいるそうです。
MIRICO
恋愛
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。
カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。
勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?
アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。
なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。
やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!!
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。誤字もお知らせくださりありがとうございます。修正します。ご感想お返事ネタバレになりそうなので控えさせていただきます。
倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~
乃神レンガ
ファンタジー
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
現在毎日更新中。
※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。
妻は異世界人で異世界一位のギルドマスターで世紀末覇王!~けど、ドキドキするのは何故だろう~
udonlevel2
ファンタジー
ブラック会社を辞めて親と一緒に田舎に引っ越して生きたカズマ!
そこには異世界への鏡が納屋の中にあって……異世界に憧れたけど封印することにする!!
しかし、異世界の扉はあちらの世界にもあって!?
突如現れた世紀末王者の風貌の筋肉女子マリリン!!
マリリンの一途な愛情にカズマは――!?
他サイトにも掲載しています。
どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。
kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。
前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。
やばい!やばい!やばい!
確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。
だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。
前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね!
うんうん!
要らない!要らない!
さっさと婚約解消して2人を応援するよ!
だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。
※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。
離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!
椿蛍
ファンタジー
【1章】
転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。
――そんなことってある?
私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。
彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。
時を止めて眠ること十年。
彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。
「どうやって生活していくつもりかな?」
「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」
「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」
――後悔するのは、旦那様たちですよ?
【2章】
「もう一度、君を妃に迎えたい」
今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。
再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?
――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね?
【3章】
『サーラちゃん、婚約おめでとう!』
私がリアムの婚約者!?
リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言!
ライバル認定された私。
妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの?
リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて――
【その他】
※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。
※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。
外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます
蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜
誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。
スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。
そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。
「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。
スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。
また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる