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第194話 ガルマザルクのメンバーとの再会
しおりを挟む道中で水の補給などを済ませ、1日かけてオルヴァルク大森林帯の近くまで到着するが既にいつもと違う気配を感じハーネイトは険しい表情で社内から森林帯を見つめ、外に出るとすぐにリシェルたちに対し指示を出し、シャムロックとミレイシアはベイリックスを護るために待機するように指示を出した。
「てことでオルヴァルク大森林帯の入り口まで来たが、ここからは徒歩で遺跡を目指すほかない」
「確かにベイリックスでは進めなさそうですな」
「だけじゃない、罠が張り巡らされている。慎重に、私の後についてきて」
2つある太陽のうち、その一つが強く輝く中森の中を進むもあまり陽が入らず足場もあまり良くなく、歩き慣れていないエヴィラは少しよろめいていた。一方でエレクトリールたちはすいすいと足場の悪い森林の中を進んでいくがハーネイトにあまり前に進むなと言われる。
それはこの森の中にはガルマザルクが防衛のために用意した罠が張り巡らされているからであり、慎重に移動するように伝えて十数分歩いていたところ、森の中である声が響いたのであった。
「そこから動くな!」
「動く、な!」
「な、何だ?」
「一体どこから声が」
周囲に確かに何者かがいる、しかし気配をとらえきれずヴァンが菌探知で声の主を探そうとした矢先、小鬼と大柄の鬼が現れ道をふさぐように立ちはだかったのであった。
「この森の中に入ろうとは大した者……なっ!何でこんなところに」
「俺、嬉しい!マスター、また会えた!」
「マスター・ハーネイト!」
しかし2人の鬼はハーネイトの顔を見るや否や表情を変え急いで駆け寄り嬉しそうに話しかけお礼をする。
そう、この2人こそガルマザルクの一員でありハーネイトに忠誠を尽くす半獣人たちである。
小柄で緑色の肌、帽子をかぶり冒険家のような服装の目つきが少し悪い小鬼のような半獣人がルクルザイン・レストゥム・アーカイン、ユミロとあまり変わらないほどの体格でのんびりした話し方が特徴の、角の生えた兜をつけて棍棒を握っている大きな半獣人はボブラス・ドグ・フォボナスと名乗り自己紹介をする。
「無礼を詫びます、総司令。しかし、何の用でここを再び訪れたのですか」
「マルファウ遺跡がこの先にあるが、そこに用があるのだ」
「分かりました、案内します」
「ついてきて、くれ。罠だらけ、だからな。しかし、仲間が大分増えた。ハーネイト、一人じゃない」
「そうだな。皆強いぞ」
「それなら頼もしいですね。実はある問題が起きているので」
「問題だと?」
「はい。先ほど襲おうとしたのも覆面をつけた外部の者が遺跡周辺を嗅ぎまわっておってな、しかも2日前には戦闘になったのです」
木々が覆い茂る森の中をルクルザインの案内で歩きつつ最近この森で起きている異変に関して彼が話をする。
それは黒い覆面をつけた謎の集団がこの森に入って活動しているということであった。中には罠にかかり絶命している者もおるというがそれをかいくぐり奥深くまで移動している者もいると話をする。
「もしかして、DG?」
「そう言っていた。何人か捕まえて尋問したが、確かに」
「司令、そのDG、知っているのか?」
「ああ、最近起きている事件の裏にはDGが絡んでいるよな」
「そうか、それなら尚のこと助力を求めたい。それでな、ミコーンとイグザルドと連絡が取れないのだ」
ルクルザインはハーネイトの話を聞き、ある協力を申し出た。
それはガルマザルクのメンバーである狐の獣人であるミコーンと、龍人型の獣人であるイグザルドと連絡が昨日からつかずもしかするとDGと戦闘している可能性があると伝え救出に協力してほしいという話であった。
「何だって?」
「敵と戦闘したのは間違いないが、どうも遺跡に逃げ込んでいるみたいだ」
「そうなると早く助けないといけない」
「丁度よかったです。総司令やその仲間さんがいれば。って村につきますよ」
森の中を抜けた一行は、木や砂を固めたレンガのようなもので周囲を囲っている村、ゴルブレッジ村に到着する。
そこは半獣人が住む街であり、わずかに人間もいる農村のような所であった。しかし近代的な施設、設備も少ないが存在し、それは遠征に出ているガルマザルクの仲間たちがたまに道具や設備などを持ち帰り研究し運用しているためであるという。
村のあちこちで煙が立ちのぼり、それを見ながら中に入るハーネイトたちは活気に満ちているゴルブレッジ村の様子に新鮮な感じを抱いていた。
「大分あの時よりも発展したな。凄いじゃないか」
「これも、総司令のおかげです。しかしどうしたものか」
「なら私がまとめて相手をしてやる。ミロク、リクロウ、それにサインとリシェル!」
「はい、どうするつもりですか」
「4人は村の方の防衛を任せます。私とエレクトリール、エヴィラとヴァンで遺跡周辺まで行きDG戦闘員を倒しミコーンとイグザルドを救出し古文書を回収します」
「手伝ってくれるのですか」
「勿論だ、ルクルザインはどうする」
「ついていきたい。大丈夫か」
「ああ。それに見せたいものがあるからな」
そうしてハーネイトたちはガルマザルクのメンバーである2人の救出と古文書回収のために更に森の奥地に存在するマルファウ遺跡まで間髪を入れずに急いで移動する。
その間にルクルザインの部下であるミコーンとイグザルドはDGの構成員に包囲され、遺跡について何か知っていることはないかと問う。
「っ、私たちは何も知らない!」
「嘘をつくな、このあたりを住処にしているのだろう」
「知らねえって言ってんだこの野郎!」
「どうも知らないようなのは本当だな。……早くあの計画で生み出された存在を抹殺、あるいは捕獲せねばならんのに」
DGの中で背が高く金色と白色の装束に身を包む角を生やした赤髪の男性はミコーンとイグザルドにそう質問してから遺跡の方を見上げ、手に力を籠め拳を握りつつどこか焦っている様子を見せていた。
それを駆け付けたハーネイトたちは遺跡周囲にある森の茂みを利用し息を潜め隠れつつ監視していたのであった。
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