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Code 154 DG反体制派と勝負の下準備
しおりを挟む「俺たちも参加したいぜ」
「私も気になります」
話を聞いたリシェルとエレクトリールは自身らも参加したいと申し出た。
「気持ちはすごくわかるが、リシェルとエレクトリールは不測の事態に備え、後方支援でエンぺリル達がデモライズカードの制御ができなくなった時に攻撃してもらう」
しかし二人には別の重要な役割があるといいそちらに専念してもらうことを伝えた。
「マジっすか、師匠。それにいいんですか?」
「ああなっても、教え子なのですよね?」
やや不満そうな顔をする二人に今度特別に教えてやると言って納得させたうえで話を続け、自身らにその役を任せてもらってもよいのかと尋ねた。
「融合型のデモライズカードも含め、一度身に着けてしまうと剥がすのが容易でないし、完全に魔獣などに化してしまえば治しようがない。いっそのこと……」
できればそうならないようにしたいが、何が起こるか分からない。それも踏まえた措置であった。
「そうならないように立ち回るしかないというわけですな。相変わらず苦難な道を選びますな」
「それで、私については」
シャムロックは相変わらずだとハーネイトの行動について思っていた。といつの間にかサインが眼鏡の位置を治しながらハーネイトの元まで来て声をかけた。
「できればミロクかミレイシアも呼びたいが、2人は別方面の作戦を行っている。そこでサインと協力してスタジアム周辺の警備及び被害阻止をお願いします」
本当はミロクとミレイシアも呼びたかったのだが、彼らは別方面で研究者たちの追跡を行わせているため直属の部下2人で対応に当たってもらうほかなかった。
「話には聞いておりましたが、貴方がハーネイト殿の友人であるサイン殿ですかい」
「フッ、それなら話は早い。サイン・シールシャルートだ。以後よろしく頼むぞ」
「ほう、ハーネイトが最も信頼を置くエージェントか、久しぶりだなサイン君」
「そちらこそお元気で何よりです。ロイ・レイフォード・ヴェネトナシア様」
サインはハーネイトの支援のためにしばらくバイザーカーニアに在籍していたことがあるため、ロイ首領とは面識があった。
「しかしあれから何をしておったのじゃ、心配したぞ。ゼペティックスら7賢師の1人だろう?」
「長い間魔法協会やDGなどの不穏な動きを見せていた組織の監視をしていたものでしてね。今回主殿の命で正式に加わることになったわけです」
そういい今まで何があったのか簡潔に話してくれとサインに言うロイ。彼女にそう説明すると、サインは軽く全員に自己紹介をし直した。
「サインさん、よろしくっす」
「霧之里出身の南雲だ。よろしく頼むでござる」
「風魔蓮よ」
忍者たちとリシェルもそれに合わせ自己紹介をした。サインはその面子のバリエーションに呆れながらこう言う。
「忍に魔銃士、テコリトルにメルウク人、霊量士、果たして貴方はどこまでパーティーを混迷の渦に叩き落すのですかね?」
「仕方ないじゃないか、成り行きでそうなっただけなんだから」
「それにしてはあまりにもですね。くれぐれだけも内紛だけは起こさないように」
「言われなくてもわかっています」
口の悪いサインが主であるハーネイトをねちねち攻撃する。負けじとハーネイトも応戦していた。それを見ていたガルドランドは大丈夫なのかと思い彼らを良く知るロイ首領に質問した。
「仲が悪いのかいいのかわかりませんな」
「昔からああじゃぞ、ガルドランド。時にNOと言える人材も必要じゃけな」
そう説明した時、ヴラディミールのズボンから電話の音が鳴る。
「すまんが電話に出てもよいかの?」
「ええ、どうぞ」
彼が電話に出ると、彼の表情が少し暗くなったのが見えた。どうも仲間から連絡が来ているようである。
「何?それはどういうことだシムロ、……そうか、わしが戻ってこれるまで耐えられそうか?」
電話越しの少女は静かにはいと答えてから通信を切った。
「すまんが儂は別行動だ。ヴァルターの同胞たちが謎の生物に襲われているという」
「何?まだDGの戦闘員が潜伏していたのか」
ヴラディミールはハーネイトに対し、一旦離脱すると伝える。それについてハーネイトはまだヴァルターのようなDGのメンバーがいたことに驚きを隠せなかった。それらの情報についてはわずかにしか入ってこなかったためであった。
「シムロ達がいるのか、彼女らもDGからすでに離脱している。ウノガノという街に潜伏していると聞いていたが、どうするヴァルター」
「彼女らのことはこの男に任せておけ、我らはあの科学者たちを追うぞ。この星に降りたと思われる武器商人の手掛かりにつながる」
メッサーは会話を聞いたうえで彼女たちのいる場所に向かうかヴァルターに確認を取るが、当の本人は研究者ザイオの捕獲に専念するという。
「偉大なる全てを統べる女神目覚めるとき、世界に終焉が訪れる。調べたある遺跡に書いてあった言葉だ。女神の放つ権能が多くの命を悪しき者にするとな」
「その影響を武器商人やその部下たちが受ければ、取り返しのつかないことになるのではないかと」
ヴァルターはどうしても武器商人たちの息の根を止めようとしていた。もし遺跡に書かれていたことが本当ならば、色々とまずい事態が起きるのではないかと考えた彼は元から邪悪な精神をもつ奴らを討伐せねばならないと考えていたのであった。見た目はともかく、彼もまた世界を守ろうとしていたのであった。DGに在籍していたという罪を払拭すべく、今こそ諸悪の根源を倒すと誓い仲間を集めていたのが彼であった。
「だから血眼になって手掛かりを探しているわけか。それについてはフューゲルたちからあの後話を聞いたが、ありえなくないというのがな」
「だったら今の事件も危ないっすよね師匠。急いであの男を捕まえないと」
「皆焦らないで。……私が全責任を持つ。だから指示通りに動いてほしい」
ハーネイトはそういうとホテルの方へ連絡をかける。
「すまんが通信だ、……リリエットか、ほかのみんなもいるのか?」
「ええ、ウルシュトラのホテルフロント前に全員いるわよ」
「ちょうどよかった。実は……」
電話に出たリリエットに対しハーネイトはある計画を打ち明け、何が起きているかもすべて話したのであった。
「まあ、なんてことが起きているの」
「んだと?DGの武器商人側についた研究者たちが悪事を働いているのか」
「美しくない、速やかに討伐を」
リリエットとハーネイトの会話を聞いた、風呂上がりのボガーとシャックスはそれぞれそう口を出す。
「みんな話を聞いて。エンぺリルという男がブラッドルで決闘を持ち掛けてきた。君たちは一応ルールはある程度覚えているだろう?」
「え、ええ、まさか、私たちにそれに出ろと?」
「その通りだ。人手が足りない以上、早速力を貸してもらうぞ」
ミランダに通信をモニターにつなげるように指示を出した後、そうリリエットたちに向けて指示を出したのであった。ハーネイトのおかげで現在こうしているわけであり、彼の協力を拒むことは誰もできなかった。
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