134 / 204
Code 132 楽しい一時の始まりと友との再会
しおりを挟む「ルテシア、ナイスフライトだったよ。さらに操縦の腕が上がったかい?」
「え、ええ。ハーネイト様。褒めて頂きありがとうございます」
ミスティルトシティに数時間してやっと到着した彼らは、近郊にある広場にトランスポーターを着地させた。数十トンのペイロードを軽々と運べるこのVTOL輸送戦術機は魔法工学の技術と古代人の技術が合わさり生まれた最新鋭の装備であった。操縦するのに癖があるが、それを丁寧に操縦し、なおかつ飛行技術の発展を妨げている見えないオベリスクの影響を避けながら操縦して見せたルテシアの腕前をハーネイトは高く評価した。また、自分も製作にかかわってきたとはいえ、再びこの星の空に鳥や竜以外のものを飛ばせたことについて喜びを隠せずにいられなかった。長い旅の中で、見えないオベリスクの影響範囲やその理由についても同時に調べ、膨大なデータをまとめた集大成がようやく実を結んだことに、今まで苦労してきたかいがあったなともこのとき彼は思っていた。
「ようやくついたぜ。さあ、やっとゆっくりできるな相棒」
「そうだかねえ、だけど、今は勝利を祝い、噛み締めよう」
「そうっすよ師匠。早く降りてホテルに行きましょうよ」
そうして彼らは機体から降り、街中を吹きぬける生ぬるい南風を感じ戦いが終わったことを改めて感じていた。
「ようやく、一区切りだな」
「ええ。それと、ハーネイトさん、今まで、本当に申し訳ありませんでした」
エレクトリールはハーネイトに対して、今まで隠していたことについて話し謝罪した。けれど彼は彼女を許した。
「……確かに、今までのことは容易に許されるものではない。DGにいたことを隠したことも、それ以前のことも。しかし、反省したのならばそれでいいんじゃないのか?前だけ見て、これからは生きていこう、お互いにな」
「……ありがとうございます。これからも、あなたのそばにいていいですか?」
「好きに、するといいさ。……私に力をこれからも貸してくれ、エレクトリール」
同じ孤独を味わったもの同士だから、ハーネイトは強く言うことはなかった。そしてホテルの玄関前につくと従業員たちが彼らを出迎えた。そして涼しいホテルの中に入り、ハーネイトは全員がいるか確認をしていた。
「お待ちしておりました、ハーネイト様。すでに準備はできておりますよ」
「すまないな、いろいろ無理をさせて」
「確かにそうだな、だが、おめでとう。また歴史に名を刻んだな」
「あなたはあの時の。ヤカニさん、元気にしていましたか?」
ロビーのソファーに座っていた一人の男が近寄ってきた。そう、リシェルとともに以前助けたゼルベット連合の商人ヤカニもこのウルシュトラを訪れていた。実はホテル側からの要請で会に必要な食材を集めてきてもらうように頼まれていたという。
「ああ、おかげさまでな。今回のパーティーに必要な食材を連合から集めてきた。どこぞの誰かさんが連絡してきてな」
「そうでしたか。お手数をおかけいたしましたね」
ハーネイトは至って物腰柔らかく、口調もそれに応じた感じで話を進める。こういった姿勢が、様々な場面で彼を助けたといえよう。
「いやいや、しかしこれで流通も元通りになる。それとリシェル、あの時より顔つきが精悍になったな」
「そうっす、か。予想より戦いは早く終わりましたが、でも、自身の至らなさと世界の狭さを実感した旅でした」
「そう、か。だが、一つ一つが自身の糧となるだろう。私の仕事も、似たようなものだ」
そして話をしている光景を見たリシェルが近寄り声をかける。そしてヤカニの言葉に対しまだ未熟ですと返す彼に、自身の体験談を踏まえた経験の大切さを改めて説くヤカニであった。
「空の旅、いいわねえ。使い魔とは違った景色。彼らに協力したおかげで、色々楽しめたわ」
「姉さん……もう。あれ、風魔さんと南雲さん、どうかしましたか?」
「え、あ、少し酔った、だけよ」
「まあ、大丈夫だお二人さん。それより早く会場に行こうぜ。お腹空いたよもう」
一方で南雲と風魔、ミカエルとルシエルはすぐにソファーに座り、だらけきっていた。どうも忍者たちは少し酔っているようで、あまり気分がよくなさそうに見えた。戦いの中で、機士国や龍教団の人たち以外に傷を負ったのは忍者たちであり、その影響がまだ残っているようであった。けれど問題ないといい、いつ会が始まるか彼らは楽しみにしていた。そして機士国関係者も集まって話をしていた。
「こうも人望があると、さぞ大変だろうな」
「確かにそうですね。ですが、彼の今までの功績は、誰もが憧れるものですよ国王」
「そうよね。そして彼に匹敵、いや同等の力を持つ人たちがこんなにいたなんて、驚きだわ」
今回の事件で、分かったこと、至らなかったことを実感させられた機士国の王とその側近。二度とこのような過ちを繰り返さないと決意しながら、ハーネイトのほかにも頼れる人材が多く存在していたことにほっと胸を撫で下ろしていた。
「今まで同じセリフを、私たちは何回言わされただろうな」
「夜之一か、来ていたのだな」
「ああ。私たちも件の研究者達の支援をしていてな」
「ボルナレロたちか、彼らには申し訳ないことをしたな」
操られていたとはいえ、彼らに取り返しのつかないことをしてしまった機士国王は終始表情に影を落としていた。
「彼らはハーネイトの傘の下、一致団結して国の危機を救っていましたよ」
「ああ、だがいくら魔導師に洗脳されたとはいえ……」
「……確かに、あの一連の事件は爪痕を残した。しかしもう戦いは終わった」
「ボルナレロ氏、ホミルド氏、それに皆さん」
地下室からエレベーターでボルナレロたちとアリスが上がってきて彼らに声をかけた。そして全員を代表し、ボルナレロが言葉を発する。
「この際、あの時のことは水に流しましょう。今は、全員が無事に帰ってこられたことを祝いましょう」
「確かに、そうだ」
「会場は2階のレストランだとな。おい、片づけ次第すぐに行くぞ、皆のども」
ホミルドが他の研究者たちに声をかけ、パーディーの準備を進める。その光景を見たルズイークたちは以前よりも絆が深まっているのではないかと感じていた。そしてハーネイトは改めて、自身が思っていたよりも世界が広く、その分だけ素敵な人がいる。そう思っていたのであった。
「仲直り、できたみたいかな。今回の戦い、多くの事件、それに出会い。世界って、やはり計り知れないほどでかい」
「お帰り、ハーネイト。一時はどうなるかと思ったが、新しい力、見事だった」
「あ、ああ。ボルナレロ。君たちの力があったから、あれだけの大軍勢が一糸乱れぬ動きをとれた。あとで、食事をしながら新しいビジネスの話でもしないか?」
「フッ、そうだな。しかしパンケーキばかり食べていると体を壊すぞ?って、流石に宴会でそれはないな、すまん」
ハーネイトが大の甘党なのは昔からの付き合いで分かるボルナレロ。体に気を使えと言いながら、今後の話についてあとで話を酌み交わそうと約束する。
「皆さん、料理と飲み物の準備できていますよ。2階に来てください」
「済まないなルテシア。皆さん、話の続きは会場に入ってからですよ」
「そうっすよ、折角豪華な食材と腕の立つ料理人を連れてきたんすからね。楽しみましょうね!」
そしてパーティーの準備ができたことを知らせるためルテシアとアリスがホテルのロビーにいる全員に声をかける。そしてリシェルや南雲、魔女たちが続々と会場に向かう。
「……私たちは、参加する立場にはないわね」
「ううむ、もとは敵として争うはずだった」
「しかし、俺たちはあいつらのおかげで呪縛から解かれた」
「複雑な、立場ですねえ」
そんな中、ホテルの片隅で集まっていたリリエットたちを見たハーネイトがどうしたのかと声をかけた。
「……来ないの?リリエットたち」
「……だって、私たちは元敵よ。それにハーネイトには、あの時とても申し訳ないことをしたわ。償いきれないわ」
「だけど、結果的に、味方になってくれたじゃないかみんな」
確かに事情が事情なら、命の奪い合いをしていた関係である彼らだが、ハーネイトの機転、そして能力。それが彼らを助け、結果として戦争の早期決着につながった。それをハーネイト本人は自覚したうえで、一度でもともに戦えば戦友だろうと彼らにそう言ったのであった。
「しかし、いいのか?大将さんよ。厄介になるが……」
「DGは消えた。しかし故郷をなくした人も多い。俺も、ボガーたちもだ」
「ああ、それはわかっている。……それで、改めて聞くがどうしたい?」
ハーネイトの寛大な処置、そして懐の大きさに感嘆するも、ボガーたちは内心申し訳ないと思っていた。そして彼らの境遇も把握したうえでそう彼らに質問をするハーネイト。その返答は、予想通りのものであった。
「俺たちもユミロと同じ、あんたの下で働きたい」
「……この星のことを、教えてほしい」
「……ああ。しかし実力はもう一度確認させてもらう。仕事柄、強さをどうしても求められるからな。それと多くの人に認めてもらうためには私と剣を交えて力を見せつけないと、いい仕事をもらえない。それがこの星の人たちの特徴だ。長い間、転移による事件で多くの人が苦しんでいた故にな」
自身の旅の経験も踏まえた、この星で生き抜くための秘訣。それを彼らに教えるハーネイト。彼自身も彼らとの出会いで大きく成長したといえる。事情は複雑であれど、少しでもさらなる高みを目指したい。向上心の高いハーネイトは全員を迎え入れたかったのであった。そしてこの星の出身でない人にもわかるように、この星の歴史やそういう考えに至った経緯を話した。
「了解、いいぜ。伊達に戦っていたわけじゃねえ」
「まあ、話はそのくらいにして、参加しましょうかね」
「今回の戦いもあれだったけど、異星人も転移生物も、脅威にしかならないよね。……これからは本来のDGの目的通り、ハーネイトみたいにみんなを救う存在として私たちもできることをしないとね」
ボガーとシャックスはそれぞれそういった後、リリエットは静かに、これからの決意を口に出した。それに一同は同じくうなづいた後、ハーネイトはユミロたちを連れてレストランに入る。すでに何人かは酒盛りを始めており、会場は大きくにぎわっていた。幾つもある大きな丸いテーブルには豪勢な料理と貴重なお酒の数々。これはハーネイトとバイザーカーニア、そしてゼぺティックス社の経理部が用意したものであった。勝利を共に、盛大に祝うのは彼らが毎日を必死に生きているからである。今日も勝って生き延びることができた。それを感じるための儀式でもあるといえる。
「おお、やっと主役が来た」
「リラム、ハルディナ、みんな来ていたのか」
「ええ。それにしても、私も折角手伝ったのに何にも声をかけてくれなかったのね、寂しいわダーリン?」
「すまない、ハルディナ。……ありがとう。あれから話は聞いた。相変わらず気閃(グランシエロ)の威力はすさまじいな」
ハーネイトは彼女らが来ていたことに驚いていたといいながら、リンドブルグの住民たちも奮戦し勝利に貢献したことを称えた。
「ハルディナ町長はダグニスから決戦の話を聞いて真っ先に駆け付けたんだ。私たちもついていくのがやっとでな」
「確かにそうだなリラムさん。それと俺たちも陰で戦っていたんだぜ。異郷の地に飛ばされて何やってんだかと思ったが、まあ悪くねえ」
「これでまたファンが増えますね、ハーネイトの兄貴!」
リラムはハーネイトに、ハルディナ町長がいてもたってもいられずここまで来たことを話した。彼女は彼が町を出る時に渡したレジアナダの宝石の対の一つから感じた嫌な予感を感じて加勢に来たことを説明した。また婆羅賀とアリスはそう言いながらハーネイトたちの活躍をほめたたえていた。
「はは、みんなすごい行動力だね。ありがとう。今回の戦い、一人じゃ決してこうまではいかなかった」
「いいってことよ。落ち着いたらまた、息子たちとともに料理研究しようや。さあ、あそこのお嬢ちゃんたちが話したがっているみたいだ。俺らが作った料理も堪能してくれ」
「ああ。たまには甘いもの以外も食べないと、な」
そしてリラムは、息子とこのホテルで出会い協力してパーティー用の料理を作っていたという。彼自身は戦闘向きではあまりないため、役割分担ということで自分のできることを行っていたという。そして彼に昔のようにまた研究をしようといい、ハーネイトはそうだなと言葉を返し笑顔を彼らに見せた。
「どう?みんな。食事は楽しんでいるかい?」
「ええ、噂には聞いていたけど、本当においしいわねこのホテルの料理は」
「まあな、この私が料理長だからな」
「俺は本業じゃねえが、大分板についちまったよ」
「……!テッサム、それにシザッツ!」
バイザーカーニアの女性社員たちと話をするハーネイトに二人の男が近づき声をかけた。二人ともコックの格好をし、一人は金色短髪、もう一人は濃い灰色で少しウェーブがかかった褐色肌の男。彼らはハーネイトやゼぺティックスの友人であり、共に夢を目指し突き進んでいた料理士テッサムとカリスマ美容師シザッツであった。彼らはDGの侵攻により店を壊され、一時的にこのホテルに身を隠しながら仕事をしていたという。
「よう、我らがヒーローさん」
「しばらく見ない間に、いい顔つきになったな」
もう10年近くも顔を合わせていなかったため、ハーネイトと二人は互いに驚いていた。しかし元気そうな顔を見合い、3人はフフッと笑いながら今まであったことを話す。
「あいつらのせいで店を壊されてな、都合よくバイザーカーニアの仲間に出会ってここを紹介してもらったのさ」
「活躍は聞いていたぜ。相変わらず鬼神の如き強さだな。地獄の鬼がロケット乗って逃げ出すくらいにな」
「そんな大げさな。しかし、つらい目にあったな。もっと私がしっかりしていれば……」
彼らの説明を聞いたハーネイトは、もっと早く動けば彼らがそのような目に合わなかっただろうと悔しい表情を見せ、歯を食いしばっていた。しかしそれは問題ないと二人はいい、ハーネイトを励ました。
「まあ、人生そういう時もあるさ。それでハーネイト、少しは自分の正体分かったか?」
「ええ、おかげさまでね。だけど、頭の整理が今一追いつかなくて」
「それもそうだろうな。ハーネイトの秘められた力はもはや比較対象外だ」
「ゼぺティックス、お前もいたのか」
魔女との戦い、そして遺跡で起きたことを話したハーネイトは、まだ頭の整理がつかないと正直な感想を述べた。口に出さないとやってられないといいながら大きく息を吐いた時、彼らの後ろから一人の男がやってきて話しかけた。その男はゼぺティックスであり、紺色のスーツを着こなしてきちっと正装でパーティーに参加していた。
「ああ。ハーネイト大先生から直々の依頼でな。大分働かされたが、これでまた通常通り営業できる」
「済まなかったなロジャー。おかげで多くの人員を効率よく展開できた。みんな、本当にやってくれたよ」
「いやいや、あのバカでかい化け物にとどめを刺したハーネイトこそ、な。あんなおぞましい化け物、私たちだけではどうしようもないからな」
自分たちの仕事はあくまで兵器を人を救う道具に作り替えることだといいながら、今回の任務は割に合わないといいつつも、初めてハーネイトが自身のことを頼ってくれたことに喜んでいた。いつもどこか一人で解決しようとしていた彼が変わったなと思い、ゼぺティックスは内心安心していた。そしてモニター越しで見た変貌した魔女の話をし、大型の脅威に対して対抗できる存在はやはりハーネイトぐらいしかいないだろうと言い彼の活躍をほめた。
「そうよねえ、まさかハーネイトが悪魔とか別の人に変身するなんて……ね」
「ええ、それと彼の体が心配だわ、姉さま。あれから問題はありませんか?義兄様?」
話をしているハーネイトたちにそっと声をかけたのは、着替えて華やかなドレスを身にまとっていたミカエルとルシエルであった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
こじらせ中年の深夜の異世界転生飯テロ探訪記
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
※コミカライズ進行中。
なんか気が付いたら目の前に神様がいた。
異世界に転生させる相手を間違えたらしい。
元の世界に戻れないと謝罪を受けたが、
代わりにどんなものでも手に入るスキルと、
どんな食材かを理解するスキルと、
まだ見ぬレシピを知るスキルの、
3つの力を付与された。
うまい飯さえ食えればそれでいい。
なんか世界の危機らしいが、俺には関係ない。
今日も楽しくぼっち飯。
──の筈が、飯にありつこうとする奴らが集まってきて、なんだか騒がしい。
やかましい。
食わせてやるから、黙って俺の飯を食え。
貰った体が、どうやら勇者様に与える筈のものだったことが分かってきたが、俺には戦う能力なんてないし、そのつもりもない。
前世同様、野菜を育てて、たまに狩猟をして、釣りを楽しんでのんびり暮らす。
最近は精霊の子株を我が子として、親バカ育児奮闘中。
更新頻度……深夜に突然うまいものが食いたくなったら。
外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます
蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜
誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。
スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。
そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。
「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。
スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。
また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。
転移した異世界が無茶苦茶なのは、オレのせいではない!
どら焼き
ファンタジー
ありがとうございます。
おかげさまで、第一部無事終了しました。
これも、皆様が読んでくれたおかげです。
第二部は、ゆっくりな投稿頻度になると思われます。
不遇の生活を送っていた主人公が、ある日学校のクラスごと、異世界に強制召喚されてしまった。
しかもチートスキル無し!
生命維持用・基本・言語スキル無し!
そして、転移場所が地元の住民すら立ち入らないスーパーハードなモンスター地帯!
いきなり吐血から始まる、異世界生活!
何故か物理攻撃が効かない主人公は、生きるためなら何でも投げつけます!
たとえ、それがバナナでも!
ざまぁ要素はありますが、少し複雑です。
作者の初投稿作品です。拙い文章ですが、暖かく見守ってほしいいただけるとうれしいです。よろしくおねがいします。
離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!
椿蛍
ファンタジー
【1章】
転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。
――そんなことってある?
私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。
彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。
時を止めて眠ること十年。
彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。
「どうやって生活していくつもりかな?」
「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」
「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」
――後悔するのは、旦那様たちですよ?
【2章】
「もう一度、君を妃に迎えたい」
今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。
再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?
――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね?
【3章】
『サーラちゃん、婚約おめでとう!』
私がリアムの婚約者!?
リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言!
ライバル認定された私。
妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの?
リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて――
【その他】
※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。
※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
勇者の野郎と元婚約者、あいつら全員ぶっ潰す
さとう
ファンタジー
大陸最大の王国である『ファーレン王国』
そこに住む少年ライトは、幼馴染のリリカとセエレと共に、元騎士であるライトの父に剣の稽古を付けてもらっていた。
ライトとリリカはお互いを意識し婚約の約束をする。セエレはライトの愛妾になると宣言。
愛妾を持つには騎士にならなくてはいけないため、ライトは死に物狂いで騎士に生るべく奮闘する。
そして16歳になり、誰もが持つ《ギフト》と呼ばれる特殊能力を授かるため、3人は王国の大聖堂へ向かい、リリカは《鬼太刀》、セエレは《雷切》という『五大祝福剣』の1つを授かる。
一方、ライトが授かったのは『???』という意味不明な力。
首を捻るライトをよそに、1人の男と2人の少女が現れる。
「君たちが、オレの運命の女の子たちか」
現れたのは異世界より来た『勇者レイジ』と『勇者リン』
彼らは魔王を倒すために『五大祝福剣』のギフトを持つ少女たちを集めていた。
全てはこの世界に復活した『魔刃王』を倒すため。
5つの刃と勇者の力で『魔刃王』を倒すために、リリカたちは勇者と共に旅のに出る。
それから1年後。リリカたちは帰って来た、勇者レイジの妻として。
2人のために騎士になったライトはあっさり捨てられる。
それどころか、勇者レイジの力と権力によって身も心もボロボロにされて追放される。
ライトはあてもなく彷徨い、涙を流し、決意する。
悲しみを越えた先にあったモノは、怒りだった。
「あいつら全員……ぶっ潰す!!」
美しくも残酷な世界に花嫁(仮)として召喚されたようです~酒好きアラサーは食糧難の世界で庭を育てて煩悩のままに生活する
くみたろう
ファンタジー
いつもと変わらない日常が一変するのをただの会社員である芽依はその身をもって知った。
世界が違った、価値観が違った、常識が違った、何もかもが違った。
意味がわからなかったが悲観はしなかった。
花嫁だと言われ、その甘い香りが人外者を狂わすと言われても、芽依の周りは優しさに包まれている。
そばに居るのは巨大な蟻で、いつも優しく格好良く守ってくれる。
奴隷となった大好きな二人は本心から芽依を愛して側にいてくれる。
麗しい領主やその周りの人外者達も、話を聞いてくれる。
周りは酷く残酷な世界だけれども、芽依はたまにセクハラをして齧りつきながら穏やかに心を育み生きていく。
それはこの美しく清廉で、残酷でいておぞましい御伽噺の世界の中でも慈しみ育む人外者達や異世界の人間が芽依を育て守ってくれる。
お互いの常識や考えを擦り合わせ歩み寄り、等価交換を基盤とした世界の中で、優しさを育てて自分の居場所作りに励む。
全ては幸せな気持ちで大好きなお酒を飲む為であり、素敵な酒のつまみを開発する日々を送るためだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる