君と僕と先輩と後輩と部長とあの子と宇宙人とメイドとその他大勢の日常

ペケペケ

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先輩と後輩

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「ねえねえ先輩、北極いこーよ」
「はあ? 相変わらず頭のネジ飛んでるな、後輩」
「だって折角の放課後ですよ? 何もしないと勿体無いじゃないですか?」
「何もしないと勿体無いと思うのは別に良いんだけどさ、普通ならカラオケとかゲーセンだろ? なんで北極なんだよ」
「オーロラ、見たくないですか?」
「いや見てみたいとは思うけど……」
「じゃあ北極いこー!」
「行かねーよ、つうか行けねーよ」
「ぶーぶー」
「唐突に海外行きましょうって言われていく人間なんていねえだろ、常識的に考えろ」
「でもうちのメイドは連れてってくれるよ?」
「相変わらずお前の家のメイドは頭おかしいな」
「ふふん、自慢のメイドですよ」
「褒めてねぇ」
「所で先輩?」
「なんだ後輩?」
「お腹減ったんでイタリア行きませんか?」
「お前、脈絡って言葉知ってるか? あと常識って単語も知ってる?」
「1 血管。脈。2 物事の一貫したつながり。筋道。「話に―がない」「説明に―をつける」」
「お前それテンプレじゃねえか、止めろ」
「もぉー先輩はダメダメばっかり、若い内からそんなに細かいとハゲますよ?」
「は、ハゲねえし、親父フッサフッサだし、母さんもフッサフッサだし」
「いや、隔世遺伝とかあるじゃないですか」
「後輩のくせに難しい言葉知ってるんだな、ポッキーやろうか?」
「頂きます」

「「ポリポリ」」

「ねえねえ先輩」
「お前は喋ってないと死ぬ病気なの? あとここ文芸部だからな? 文芸に励めよ」
「えっ、ハゲ?」
「髪の話はしてねえよふざけんなダマレ」
「コウハイムツカシイコトバワカリマセン」
「なんか一々腹立つよなお前」
「でね、先輩」
「なんだよ」
「今日、一緒に帰りませんか?」
「ちゃんと部活動するならな」
「えー」
「まあ勝手にしてくれ、俺は独断と偏見で勝手に評価するから」
「ぶーぶー、可愛い後輩が一緒に帰ろうって言ってるんだから素直に応じれば良いのに」
「えっ? ごめん、よく聞こえなかった。可愛いなに?」
「うわー」
「読むか書け、書くなら千文字、読むなら一万文字」
「ハードルが高いですよ!」
「その言葉に驚きが隠せねえよ、後輩」
「先輩は私がなんで文芸部に入ったか知ってます?」
「文芸をするためだろ?」
「ぶっぶー、不正解」
「はあ? じゃあ何でだよ」
「やだなー先輩がいるからに決まってるじゃないですかー」
「なるほど、教えるつもりはないと」
「えっ? 先輩、人の話聞いてました?」
「頭のネジが緩んだ人間の戯言を信じられるほど俺の頭はおめでたくないからな?」
「時々先輩ってものすごく酷い事を言いますよね」
「時々後輩ってものすごく頭の悪い事言うよな」
「信じないなら別にいいですよーだ、残りのポッキーは私が貰うだけですから」
「あっこのやろう勝手に全部食うんじゃねえよ」
「いーだ、先輩のアホ、私さきに帰りますから」
「いや、だから部活動を…………定をつくれよ後輩」


end
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