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女の子と……
しおりを挟む雨だ。
朝から降り続く小雨。傘を差さないと濡れるが差さなくても問題ないような微妙な雨だ。
深々と降る雨に傘では無く嫌気がさして来たころ、一人の少女と目が合った。
目が潤み、今にも泣き出しそうな顔。
いや、雨に紛れているだけで真実、少女は泣いていたのだろう。
雑踏の中で、一人だけ傘を持たない少女は口元を隠しすぐに目を伏せた。
少しだけ紅潮している頬、ハッキリとした大きな潤んだ目。
そんな少女に僕は目を惹かれた。
何で泣いてるんだろう? どうして傘を差して無いんだろう? 学校はどこだろう? 名前は何だろう? 好きな人はいるのかな? 香水とかつけるのかな? もしつけるならどんな匂いが好きなんだろう? 本は読むかな? 映画は? テレビ番組でもいいけど僕は本が好きだから出来れば趣味の共有がしたいな、好きな人のタイプとか知りたいけど好みは変わるものだしとりあえずは聞かなくていいかでもやっぱり好みは把握しておきたいよね甘い物が好きとか辛い物は苦手とか知っておかないとやっぱりご飯とか誘いづらいし困るもんねでもこの子可愛いなあ泣き顔が可愛いとか反則だと思う声かけてみようかないや迷惑かな寂しそうだし悲しそうだけど一人でいたい時間ってやっぱりあるもんね分かる分かる僕にもそういう時があるからよく分かるんだ僕は気遣いが出来る男だからね安易に話しかけたりはしないんだでも困ったなぁ泣き顔が可愛いけど笑った顔も見てみたいなでも話しかけられないし遠目で見てることしか出来ないなんて残酷なんだろうかあぁでも困ってるなら助けてあげたいな笑ってほしい怒ってほしい色んな表情が見てみたいいっその事話しかけてみようかなさりげなく大丈夫?なんて聞いてみようかでもなぁナンパと思われたら嫌だし何より話しかけるキッカケが傷心につけ込むような真似はしたくないよね彼女の泣き顔は可愛いけど笑いながら会話したいし何よりそんなことしたら僕が一生後悔しそうだもんなぁでもこんな雨の中で偶然目が合って一目惚れだなんて奇跡があるんだろうか?嫌ないねこれは多分運命なんだ彼女と僕は今日出会う運命だったんだ、もしかして赤い糸とかで繋がってるかも知れないなんてね運命とか信じない質だからそこまでは言わないけどやっぱり出会いのは必然だったんだろうなって思うだって彼女みたいな女の子がいたら僕は絶対に今と同じ気持ちになってただろうし必ず一目惚れしてたと思うもんなという事は結局は出会うって事だし話しかけるくらいはいいんじゃないかな?どうせ家までついていく訳だし後で話すか今話すかの違いでしかないなら僕は今はなしたいなぁそれで君を笑わせたい、そうか、なら良し話しかけよう、それで君のキレイな死に顔も見せて欲しいな。
「ねぇキミ、どうかしたの?」
題名・女の子と殺人鬼
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