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先輩と犬
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「お手」
「わ、ん」
「おかわり」
「ヤン!」
「おーよしよし、お前は可愛いなぁ、おイヌ」
「アン!」
「なあ、俺この地獄みたいな状況まだ続けないとダメなのか?」
「そういう約束だから仕方ないワン」
「とって付けたような語尾しよってからに」
「キャラ付は大事だワン」
「さいですか。犬の真似事をする変態に飼い主の真似事をする俺、なんつうか側からみたら変質者筆頭みたいなコンビだなぁ」
「褒められて嬉しいワン」
「褒めてねえよ! つうか人畜無害そうな顔して俺を犯罪者予備軍に陥れるのやめてくれませんかねぇ!?」
「えっ? ご主人様は犯罪者予備軍なんですかワン?」
「テメェ、いくら温厚な俺でも限度があるぞ! 何が悲しくてイヌ耳を付けた女装男子に首輪を着けて散歩しねえといけねえんだよ!」
「借りを返すって言ったのはご主人様だワン」
「うっ、それを言われると何も言えない」
「そうでしょ? 勝手に修羅場ったご主人様が悪いんだワン」
「勝手にって、俺は別に好きで修羅場った訳じゃないんだけど」
「言うが易し、猫に小判だワン」
「意味わかって使ってるか?」
「知らないワン、でもご主人様が言い出した事なんだから不満を漏らすのはお門違いだと思うワン」
「いや、それはそうなんだけどさ」
「そんな陰気臭い顔してないでとりあえずフリスビーでもやるワン」
「口で取るとか言わないよな? そんな奴がいたら流石に友達止めるぞ」
「………………………………………もちろんだワン」
「沈黙が長えよ、おイヌ」
「本能と理性の戦争があったワン、こういう苦痛も悪くないワン」
「友達止めるわ」
「やめないでほしいワン!!」
「……分かったよ、なら関わらないだけでいいぞ、友達は続けてやる」
「つまり放置プレイ!?」
「はぁ? 無敵かよ」
「ワン!」
「お手じゃねえよ! チクショオ! なんで俺の周りには変人しかいないんだよ!」
「ご主人様が一番の変人だからじゃないのかワン?」
「マジ意味不明だよおイヌ、正座しろ、俺がいかに普通な人間か教えてやるよ」
「ワン!」
「ヤベェ、コイツにとっては只のお座りだった。やっぱ立て」
「チンチンはちょっと、でもご主人様がそう命令するなら」
「うおぃ! なにズボンを脱ごうとしてんだよ! 止めろよ!」
「もう人間やめてますワン」
「もうやだ、人間と会話したい」
「ワン!」
「クッソォォォォォォ!」
結局、警察のお世話になったのは言うまでもない。
「わ、ん」
「おかわり」
「ヤン!」
「おーよしよし、お前は可愛いなぁ、おイヌ」
「アン!」
「なあ、俺この地獄みたいな状況まだ続けないとダメなのか?」
「そういう約束だから仕方ないワン」
「とって付けたような語尾しよってからに」
「キャラ付は大事だワン」
「さいですか。犬の真似事をする変態に飼い主の真似事をする俺、なんつうか側からみたら変質者筆頭みたいなコンビだなぁ」
「褒められて嬉しいワン」
「褒めてねえよ! つうか人畜無害そうな顔して俺を犯罪者予備軍に陥れるのやめてくれませんかねぇ!?」
「えっ? ご主人様は犯罪者予備軍なんですかワン?」
「テメェ、いくら温厚な俺でも限度があるぞ! 何が悲しくてイヌ耳を付けた女装男子に首輪を着けて散歩しねえといけねえんだよ!」
「借りを返すって言ったのはご主人様だワン」
「うっ、それを言われると何も言えない」
「そうでしょ? 勝手に修羅場ったご主人様が悪いんだワン」
「勝手にって、俺は別に好きで修羅場った訳じゃないんだけど」
「言うが易し、猫に小判だワン」
「意味わかって使ってるか?」
「知らないワン、でもご主人様が言い出した事なんだから不満を漏らすのはお門違いだと思うワン」
「いや、それはそうなんだけどさ」
「そんな陰気臭い顔してないでとりあえずフリスビーでもやるワン」
「口で取るとか言わないよな? そんな奴がいたら流石に友達止めるぞ」
「………………………………………もちろんだワン」
「沈黙が長えよ、おイヌ」
「本能と理性の戦争があったワン、こういう苦痛も悪くないワン」
「友達止めるわ」
「やめないでほしいワン!!」
「……分かったよ、なら関わらないだけでいいぞ、友達は続けてやる」
「つまり放置プレイ!?」
「はぁ? 無敵かよ」
「ワン!」
「お手じゃねえよ! チクショオ! なんで俺の周りには変人しかいないんだよ!」
「ご主人様が一番の変人だからじゃないのかワン?」
「マジ意味不明だよおイヌ、正座しろ、俺がいかに普通な人間か教えてやるよ」
「ワン!」
「ヤベェ、コイツにとっては只のお座りだった。やっぱ立て」
「チンチンはちょっと、でもご主人様がそう命令するなら」
「うおぃ! なにズボンを脱ごうとしてんだよ! 止めろよ!」
「もう人間やめてますワン」
「もうやだ、人間と会話したい」
「ワン!」
「クッソォォォォォォ!」
結局、警察のお世話になったのは言うまでもない。
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