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初めての依頼

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今日は昨日受託した依頼を受け、僕とメザイアは森の中を探索している。
「いいですか、ノア、今回は薬草を30本とゴブリン5匹の討伐ですわ」
「・・・・分かった」
どうやら僕のため、まずは簡単な依頼を引き受けてくれたようで、とても気遣いの出来る良い子ではある。
これで男だったら恋が芽生えていたかもしれないと思うと少しだけ残念に思いながら僕は写真を眺める。
「・・・ノア、お願いですから杜の探索中ぐらいは写真を見るのを止めてくださいませ」
「・・・・はぁ・・・しょうがないな」
「それはこっちの台詞ですわ!!」
あとは少しだけヒステリックなのが玉に瑕といった所だろうか。
森の中を進んでいくとメザイアは木の近くにかがみ込んで薬草採取を始め、僕も習って同じように見せて貰った薬草を集めながら周囲の索敵も同時に行っていく。薬草を10本ぐらい集めてきた頃だろうか、索敵に引っかかった気配にメザイアに無言でジェスチャーをする。
「・・・ゴブリンですの?」
「・・・・3匹居る」
「こちらよりも数は多いですわね・・・」
思案顔になるメザイアに僕はどうした物かと首を傾げる。この世界に召喚された時に思っていたのだが、どうやらこの世界は僕が思っていたよりも平和で、魔物の力もはっきり言って弱い事を姿を見て確信する。
ここの魔王がどれだけ強いかは流石に予想できないが、少なくても、あの程度が下級の魔物に分類されるならスキルなんて使わなくても中級レベルの魔物なら身体能力の素手だけでなんとでもなるレベルで弱い。
(・・・・でも、そうなると困る)
身体能力だけで魔物が倒せるなんて知られてしまったら、これから可愛い男の子たちのチンコを見たり、触ったり舐めたりする機会を彼女は絶対に許してくれないだろう。それは非常に困ってしまう。
「・・・メザイア、とりあえず奇襲を掛けよう」
「そうですわね」
神妙な顔で頷く彼女に同意を得て、僕たちは物音を立てないように背後からゴブリンに近づいた。
改めてゴブリンの姿を眺めてみると、やっぱり可愛くないのだけが非常に残念ではある。
「さあ、行きましょう」
「うん」
城から与えられた武器を引き抜き、それを僕は思いっきり振りかぶるように見せかけて軽く投げつける。
ザシュッ・・・
「グギイィ!!!」
「グギッ!?」
「グガアアアァ!!!」
その一撃にゴブリンの一体を無事に仕留め、こちらに気づいたゴブリンたちが殺気立って襲いかかってくる。
それにメザイアはスカートの太股に忍ばせたメイスを取り出し、ゴブリンを迎え撃つ。
「こんの・・・ですわ!!」
「グギィ!!」
「きゃあ!!」
それをゴブリンは大きく避けながら躱して飛びかかってきて、メザイアはか細い声で悲鳴を上げながら地面に押し倒されてしまうが・・・・
「これぐらいで負けません・・・・わ!!」
「グギィ!?グギイイイィ!!!」
何故か、成長している格闘術スキルでメザイアはゴブリンを寝技に持ち込み、関節を完全に決めながら首を絞め落としに掛かる。もう一方のゴブリンもこちらにじりじりと距離を詰めてきており、僕も後ろに後退しながら交互にゴブリンの動向を探っていく。
「グガアァ!!」
「・・・おっと・・・よっと・・」
「隙ありですわー!!!」
「グガッ!!」
冒険者からでも剥ぎ取ったのか、血まみれのナイフを振り回してくるゴブリンに僕は距離を開けながら逃げていると、絞め落としに成功したようでメザイアがこちらに駆け寄ってきて、そのままドロップキックをゴブリンに命中させる。
「はぁ・・はぁ・・・やりましたわ」
「・・・お疲れ」
「ありがと・・・じゃなくて、ノアも少しはお戦いになってくださいまし!!」
「・・・・今日は飲んでないからスキル使えない」
本当は昨日の夕方に飲んだから使えるんだけど楽したいから嘘を吐いておく。
「ま、マジで使えねぇ・・・」
「失敬な一匹は倒したよ」
「っていうか、いきなり武器を手放してどうするんですの!!」
撃破したゴブリンの後に説教してくるメザイアからの言葉をのらりくらりと交わしながら、僕たちは再び依頼を続行していき、メザイアが3体、僕が2体のゴブリンを仕留めて薬草も無事に依頼数を集めることに成功した。
「・・・お疲れ」
「うぅ・・・なんで見つける度に武器を投げるんですのよ・・・まったく!!」
そう言うメザイアも格闘術で全部倒してて、鑑定でこっそり見てみるともう少しで格闘術レベルが3に上がりそうだ。ヒーラーよりもモンクの方がメザイアには合っているんじゃないかと思えるほどの成長速度だ。
「とりあえず依頼は無事に達成できましたし、ギルドに向かいましょう」
「・・・うん。今度は可愛い受付さんの場所に行こう」
「それだけは絶対に許しませんわよ」
「姫様、おかりなさいませ!」
「無事に依頼を達成できたようで何よりです!!」
本当に手厳しいパートナーだと思いながら、僕は肩を竦めながら街に戻ると出迎えてくれた門番の憲兵たちに視線を向ける。まだ年若い青年のようで18歳~20歳ぐらいの青年だろうか? 黒髪でタレ目をしている穏やかそうな顔立ちや爽やかな雰囲気は本当に可愛らしい
「・・・可愛いね」
「えっ!?ちょっ、ゆ、勇者殿なにを!?や、やめてええぇぇ!!」
そのまま欲求不満で押し倒してズボンを脱がすと、鎧の隙間から見える鍛えられた割れた腹筋や可愛いチンコをじっくりと眺める。すっぽりと皮に覆われて短めの竿は色づいていて、とても可愛らしく、睾丸にも可愛いお毛毛が少しだけは得ているようだ。
「だ、か、ら、なにをしてやがりますのー!!」
「ぐえええぇぇ!!」
今日の寝技の片羽締め落としを喰らいながら、僕は苦しさ中でもしっかりとシャッターを押すのだった。
あっ、無事に格闘術スキルレベルが3に上がったようだ。あとでお祝いの言葉掛けよう。
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