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第9話 新婚旅行
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サウザス地方に向かう馬車の中、アルファはすこしだけうとうととしていた。朝まで深酒に付き合わされたのと、久しぶりの休みに気が緩んでいるのもあるのだろうか。気を引き締めなければ、と思うアルファの頭を掴み、マリアは自分の膝の上に乗せた。いわゆる膝枕だった。
「……なにをしているんだ?」
「膝枕だ。知らないのかい?」
「そういうことを言っているんじゃない」
「少しは休みなよ。アリスもいるし、護衛の騎士たちもいるじゃないか」
「うる、さい……」
マリアに頭を撫でられ、アルファは不思議な安らぎを感じていた。とうとう眠気に耐えることができなくなり、彼はまぶたを閉じた。そのまま眠りに落ちたアルファは、彼にしてはめずらしく熟睡するのであった。
「かわいいね、ぼくの旦那様は」
マリアは口元に笑みを浮かべながら、眠ってしまったアルファの頭を撫で続ける。そしてちらりと横目で護衛の騎士たちが乗る馬を見る。
(まあ、旦那様の心配もわかるけどね。誰がいつ裏切るかもわからないんだから)
そこでマリアは未来を“視る”力を発動する。裏切られる未来は視えなかった。代わりに視えた光景に、マリアはすこしだけ顔を赤らめた。
「……まったく素直じゃないね、旦那様は」
マリアは、アルファを撫でる手をますます優しく丁寧にしていった。その間も馬車と護衛の騎士団は、サウザスにあるローゼスの別荘に向かっていった。
◆◆◆
サウザスは帝都から南に行くとあるローズ帝国の一部を成す国だ。火山地帯のため、温泉が名物で、ローゼスの別荘は湖畔の近くにある。そこは帝都から遠ざけられていた幼いローゼスとアルファが過ごした場所であり、皇帝の別荘と呼ぶには小さい2階建ての建物だった。
建物の前で止まった馬車から降りたアルファとマリア、そしてアリスは、帰還する騎士団を見送ると、屋敷の中に入っていった。
「アリス、今日の予定は?」
アルファはいつもの調子で、後ろを歩くアリスにそう尋ねた。口にしてから今は休暇中だったと思い出す。しかしアリスはそんな主人のミスを指摘するでもなく、いつものように返してくれた。
「偉大なる皇帝陛下からは、余の名代として星祭を視察するようにと仰せつかっております」
「星祭か、懐かしいな」
「……星祭?」
マリアは知らない単語に首をかしげる。
「なんだ、星祭は“視て”いないのか。星に感謝をささげる祭だ。遠い星から来た天女が、このサウザスに文明をもたらしたという伝説に機縁しているものだな。僕と陛下が幼かった頃は、2人お忍びで屋台を回ったものだが……」
いや、あれは放蕩息子だった陛下に引っ張りまわされただけか、なんて思いながら、アルファは思い出すように目を閉じる。そんなアルファの服の裾をくいくいと、マリアが引っ張る。
「アルファ、ぼくも星祭に行ってみたい」
少しだけ考えたあと、アルファはアリスに尋ねた。
「……儀式の正式観覧はいつだ」
「夜7つです。その場でサウザス王陛下と面会し、皇帝陛下からのお言葉を述べるようにと」
用意されている原稿を受け取りながら、結局仕事じゃないか、とアルファはため息を吐きたくなった。
「わかった。それまで僕とマリアは星祭を見物している。アリス、マリアの着替えを手伝ってやれ」
「承知いたしました。閣下。さっ、奥様、こちらへ」
「お、おい……」
アリスに背中を押されて歩くマリアを見送ったあと、自分も着替えるか、とアルファは昔から使っている自室に向かった……。
◆◆◆
「なんだい、この格好は。君の趣味かい?」
白いワンピースに麦わら帽子姿のマリアは自身の格好をしげしげと眺めながらそうアルファに尋ねた。
「その服は、昔この屋敷に住んでいた……皇帝陛下の想い人の者だ。それ以外に理由はない」
「皇帝の? 御后様にはならなかったのかい?」
「陛下を付けろ。平民の出だったし、なにより行方不明でね。……陛下が后も側室も持たれないのは、今でも彼女を想っているからかもしれないな」
アルファは湖の向こうに広がる森を眺める。ローゼスとアルファ、そしてローゼスの初恋相手。サウザス王の庇護の下、3人で遊んでいた日々が昨日のように思い出される。そしてアルファは後悔に苛まれる。自分にもっと実力があれば、彼女は今もローゼスの隣で笑っていたかもしれないのに、と。そんなアルファを気遣ってか、マリアはそっと彼の手を握り、手を繋いだ。
「そんな情けない顔するな。ぼくには“視えて”いるよ。皇帝と共に笑う御后様の姿が」
「……后は誰になるかわかるか?」
「さあね。顔はわかるけど、ぼくの知らない女だ。……ああ、人相書きを頼むなよ? ぼくは絵が苦手だ」
「そうか……」
あの陛下と一緒に居られる特異な女性がいるのだろうか、それとも政略結婚か、などとアルファが考えていると、マリアが手を引っ張ってきた。
「ほら、いこう。目立たないようにそんな地味な恰好をしているんだろう? それとも私服がそれしかないのかい?」
アルファは箱舟教団に潜入したときと同様、黒いワイシャツとスラックス姿だった。
「普段は騎士礼装を着るからな。私服は目立たないものしか持ってない」
マリアに引っ張られるまま歩いていたアルファだったが、彼女が祭の会場である街と反対方向に進んでいることに気づき、手を引っ張り返すことになった。
「違うそっちじゃない、こっちだ」
「おっと、すまない」
「お前、意外と方向音痴なのか?」
「どうだろうね。あまり1人で出歩いたことがないからわからないよ」
「そうか……とにかくはぐれたら面倒だ。手を離すなよ」
かつてローゼスとはぐれた際に大変なトラブルに発展したことを思い出しながらアルファが言うと、マリアはうれしそうに「うん」と頷き、繋いだ手に少しだけ力を入れた。
「……なにをしているんだ?」
「膝枕だ。知らないのかい?」
「そういうことを言っているんじゃない」
「少しは休みなよ。アリスもいるし、護衛の騎士たちもいるじゃないか」
「うる、さい……」
マリアに頭を撫でられ、アルファは不思議な安らぎを感じていた。とうとう眠気に耐えることができなくなり、彼はまぶたを閉じた。そのまま眠りに落ちたアルファは、彼にしてはめずらしく熟睡するのであった。
「かわいいね、ぼくの旦那様は」
マリアは口元に笑みを浮かべながら、眠ってしまったアルファの頭を撫で続ける。そしてちらりと横目で護衛の騎士たちが乗る馬を見る。
(まあ、旦那様の心配もわかるけどね。誰がいつ裏切るかもわからないんだから)
そこでマリアは未来を“視る”力を発動する。裏切られる未来は視えなかった。代わりに視えた光景に、マリアはすこしだけ顔を赤らめた。
「……まったく素直じゃないね、旦那様は」
マリアは、アルファを撫でる手をますます優しく丁寧にしていった。その間も馬車と護衛の騎士団は、サウザスにあるローゼスの別荘に向かっていった。
◆◆◆
サウザスは帝都から南に行くとあるローズ帝国の一部を成す国だ。火山地帯のため、温泉が名物で、ローゼスの別荘は湖畔の近くにある。そこは帝都から遠ざけられていた幼いローゼスとアルファが過ごした場所であり、皇帝の別荘と呼ぶには小さい2階建ての建物だった。
建物の前で止まった馬車から降りたアルファとマリア、そしてアリスは、帰還する騎士団を見送ると、屋敷の中に入っていった。
「アリス、今日の予定は?」
アルファはいつもの調子で、後ろを歩くアリスにそう尋ねた。口にしてから今は休暇中だったと思い出す。しかしアリスはそんな主人のミスを指摘するでもなく、いつものように返してくれた。
「偉大なる皇帝陛下からは、余の名代として星祭を視察するようにと仰せつかっております」
「星祭か、懐かしいな」
「……星祭?」
マリアは知らない単語に首をかしげる。
「なんだ、星祭は“視て”いないのか。星に感謝をささげる祭だ。遠い星から来た天女が、このサウザスに文明をもたらしたという伝説に機縁しているものだな。僕と陛下が幼かった頃は、2人お忍びで屋台を回ったものだが……」
いや、あれは放蕩息子だった陛下に引っ張りまわされただけか、なんて思いながら、アルファは思い出すように目を閉じる。そんなアルファの服の裾をくいくいと、マリアが引っ張る。
「アルファ、ぼくも星祭に行ってみたい」
少しだけ考えたあと、アルファはアリスに尋ねた。
「……儀式の正式観覧はいつだ」
「夜7つです。その場でサウザス王陛下と面会し、皇帝陛下からのお言葉を述べるようにと」
用意されている原稿を受け取りながら、結局仕事じゃないか、とアルファはため息を吐きたくなった。
「わかった。それまで僕とマリアは星祭を見物している。アリス、マリアの着替えを手伝ってやれ」
「承知いたしました。閣下。さっ、奥様、こちらへ」
「お、おい……」
アリスに背中を押されて歩くマリアを見送ったあと、自分も着替えるか、とアルファは昔から使っている自室に向かった……。
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白いワンピースに麦わら帽子姿のマリアは自身の格好をしげしげと眺めながらそうアルファに尋ねた。
「その服は、昔この屋敷に住んでいた……皇帝陛下の想い人の者だ。それ以外に理由はない」
「皇帝の? 御后様にはならなかったのかい?」
「陛下を付けろ。平民の出だったし、なにより行方不明でね。……陛下が后も側室も持たれないのは、今でも彼女を想っているからかもしれないな」
アルファは湖の向こうに広がる森を眺める。ローゼスとアルファ、そしてローゼスの初恋相手。サウザス王の庇護の下、3人で遊んでいた日々が昨日のように思い出される。そしてアルファは後悔に苛まれる。自分にもっと実力があれば、彼女は今もローゼスの隣で笑っていたかもしれないのに、と。そんなアルファを気遣ってか、マリアはそっと彼の手を握り、手を繋いだ。
「そんな情けない顔するな。ぼくには“視えて”いるよ。皇帝と共に笑う御后様の姿が」
「……后は誰になるかわかるか?」
「さあね。顔はわかるけど、ぼくの知らない女だ。……ああ、人相書きを頼むなよ? ぼくは絵が苦手だ」
「そうか……」
あの陛下と一緒に居られる特異な女性がいるのだろうか、それとも政略結婚か、などとアルファが考えていると、マリアが手を引っ張ってきた。
「ほら、いこう。目立たないようにそんな地味な恰好をしているんだろう? それとも私服がそれしかないのかい?」
アルファは箱舟教団に潜入したときと同様、黒いワイシャツとスラックス姿だった。
「普段は騎士礼装を着るからな。私服は目立たないものしか持ってない」
マリアに引っ張られるまま歩いていたアルファだったが、彼女が祭の会場である街と反対方向に進んでいることに気づき、手を引っ張り返すことになった。
「違うそっちじゃない、こっちだ」
「おっと、すまない」
「お前、意外と方向音痴なのか?」
「どうだろうね。あまり1人で出歩いたことがないからわからないよ」
「そうか……とにかくはぐれたら面倒だ。手を離すなよ」
かつてローゼスとはぐれた際に大変なトラブルに発展したことを思い出しながらアルファが言うと、マリアはうれしそうに「うん」と頷き、繋いだ手に少しだけ力を入れた。
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