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おとぎ話が信じられなくなった私。
ほんの少し前まで大好きだった『シンデレラ』も『白雪姫』も、クリスマスとサンタさんの関係みたいに思えてきて、難しい漢字がいっぱいの本を読む毎日になってしまった。
こう言うの、黄昏れてる、って言うんだって。クラスの誰かが私を指差して言っていたのを思い出す。
大人のフリをしたって大人にはなれないのに、子どもはどうして大人のフリをするんだろう。
そう考えるけれど、それでも私は子どもでいたくなかった。
大人になって、現実をありのままに受け止められるようになったら、少しは穏やかな日々を過ごせる気がする。
だから大人が良い。
転校してきてから、三カ月くらい。転校そのものには慣れたけれど、繰り返す度に友達の作り方が分からなくなっていって、今は友達なんて言い方が出来る子はいない。クラスメイトって言うのが精一杯だ。
だから本が友達、って思ってみるけれど、やっぱり寂しい。でも、今さら友達大募集中! みたいなキャンペーンが出来るはずもない。
こういう時、男子は良いな、って思う。
去年何組でも、今年何組でも関係無い。ボールを一緒に追いかけたら友達になれる、そんな簡単さが欲しい。
女子は上手くしないといけないの。上手く、って具体的には分からないけれど、下手すると友達の輪とかいう奴から追い出されてしまう。
その下手が怖くて、失敗しないように、なんてしている内に私はひとりぼっちになってしまった。要するに、私は何もしなかったんだ、今日まで。
友達になって下さい、って言えば良いのかな、とか思ってみるけれど、絶対違う。友達はなっているもので、なろうとするものじゃない。って、昨日読み終わった本に書いてあったし、私もそう思うし。
中学ももう終わる年だし、高校に入ったら、とかも思うけれど、それも有り得なさそう。高校デビューする勇気なんて、私にはない。きっと高校生活が終わる頃、大学に入ったら、なんて言っていそうな気がする。
やっぱり本が私の友達……ううん、そんなの無理だ。本は人間じゃない。本は私に知識をくれても、優しさはくれない。私が欲しいのは、私と仲良くしてくれる人。
一人くらい、って思うけれど、それすらもわがままなのかな。
そう思ってる内にチャイムが鳴って、新クラスでの初日が始まるのだと告げられた。
誰が担任なんだろう。
大柴先生とか中澤先生はやめてほしい。玲子先生か、富野先生くらいにしてほしい。まあ、奥園先生までならギリギリ許容範囲かな。
そんな私の願いも空しく、入ってきたのは候補としてすら考えたくなかった蓮池……先生。
無意味に班行動を強いるから大嫌い。とにかくいつでも「みんな」がモットーで、「一致団結」がキーワード。言葉にしたら綺麗だ。でもあの人が欲しいのは、輪をまとめる一部の真ん中と、それに無言で頷く周囲。秩序が保たれていたらクラスの運営が簡単だから、絶対にそんな理由。
転校前はもう少しマシだった。友達は相変わらずいなかったけれど、蓮池先生みたいに集団行動を強要する先生もいなかった。
まあ、そもそも一組になった時点で学年主任が就くだろうとは思ってたけどさ……。
「みんな! おはよう!」
第一声から出たよ。「み」に注がれた力の量が凄まじくて、私はこの一年を耐えられるか自信がなくなってきた。
「一致団結して、一組を最高のクラスにしよう!」
人にあの人を説明する時は、たった二つのキーワードで済みそうだ。絶対したくないけど。
「だが、その前にその席、気になってただろう?」
ビシッ、と蓮池が指差したのは、私の真横。誰も座っていない。
いるかいないかになんて、まるで関心を払っていなかった。でも、「みんな」の反応はその真逆みたいだ。
「そこはな、お前らのうわさ通り、転校生だ!」
オーッと教室中に歓声が響く。そんな話してたんだ。イヤホンをしていたわけでもないのに、一度だって聞いた記憶がなかった。
うんうん、とクラスの面々の反応に満足した先生は、ドアの方へずんずん歩いていくと、軽く開けて「さ、入ってくれ、永遠乃」と言った。
大きく開けられたはずのドアの音が聞こえなかったのは、私だけだっただろうか。
入ってきた彼の姿を目にして、なぜかシンデレラを思い出した。お父さんが私のためだけに描いてくれた、世界にたった一冊の『シンデレラ』。
見開きいっぱいに描かれたドレス姿。美しくて、艶やかで、きらめいていた。今から思えば、私の初恋はあの瞬間だったのかもしれない。
そんな絵画的な美しさを、湛えていた。
彼――永遠乃ウミと黒板に名前を書いた彼は。
「永遠乃ウミです。イギリスから引っ越してきました」
澄んだ声。凛とした立ち居振る舞い。そして何より、吸い込まれるような碧海(うみ)色の瞳。
心が打ち震えるのを覚えた瞬間、私なんかをさておいてクラス中は大盛り上がりを見せた。気圧されてしまったからか、気持ちの高まりは胸の奥に引っ込んでしまったようだった。
教室内は一気に彼に意識を向けて、次から次へと質問が飛び交った。イギリスのどこから来たのとか、英語はペラペラなのとか、ガールフレンドはいるのとか。
人が良いのか、彼は一つ一つに丁寧に答えようとしていた。何だかもう騒音レベルになりつつあったのを見かねて、蓮池先生は
「みんなの気持ちはよく分かる、よーく分かるが、去年掲げた学年スローガンを思い出してくれ。『一人はみんなのために、みんなは一人のために』だ。永遠乃はまだ引っ越し立てで色々疲労も溜まってるだろう。質問攻めにして疲れさせるのはやめてくれよ」
と口にしたが、クラスの面々はお構いなしだった。
「ったく、聞いちゃいねえな。お前ら、永遠乃のことも考えてやれよ。まあとにかく、永遠乃、そこの席に座ってくれ」
蓮池に言われた通り、彼は私の隣の席に歩いていった。その歩みは、底知れぬ気品を感じさせた。気品なんてものを感じる心が私にあったことがもう驚きだけど、彼の姿には自然とそれを感じさせるだけの魅力が確かに備わっていた。それはもう、本当に。
隣に座った彼は、私の方を向いて(気のせいだ。きっとそうだ)そっと口元に笑みを浮かべた。彼はきらきらと輝いて見えた。目の錯覚かな、と思うほど、彼は美しく、凛々しく映った。
そこからは矢継ぎ早に事が進んでいった。〝大事な中三の一年間〟が始まるというのに、意外と何もかもがあっさりしていた。何だか、明日になれば卒業するんじゃないかとさえ思えた。
休み時間が始まると、私には真新しさなんてものがまるで感じられなくなった。
窓の外に見える桜の木は、もうすっかり寂しげで、春がすっかり衰えてしまったように感じずにいられなかった。卒業式にはまだ咲いていなくて、入学式や始業式にはもう散りかけている、その姿はとても哀れだ。
二年間使ってすっかりくたびれた、スニーカーの形をしたペンケースに目を移して、私はふっと溜め息を漏らした。
「幸せが逃げるよ」
声の主に目をやって、驚いた。
今の今まで、人だかりが出来ていたはずの彼の席は、魔法でも使ったみたいにがらんとしていて、彼だけが私を見つめていた。左手で頬杖をついて、優しく笑っている。私の目がおかしいのか、彼はほのかにきらきらとした光の粒子を放っているようにも思えた。
「溜め息をついたら幸せが逃げるって迷信、信じてるの?」
そんな綺麗な顔して、馬鹿みたいな迷信信じてるんだ、なんて思った。いや、違うのかな、綺麗な顔してるからそんな浅いこと考えられるんだ、とか考え直して嫌な気持ちになって、思わず唇に指を触れた。
「迷信って、ちょっと寂しい感じしないかな。迷ってる、って書くよね。だから好きじゃないかな」
私は少しドキッとした。そんな〝寂しい〟という感覚を抱く人に出逢ったのは、お父さん以外で初めてだったから。綺麗な顔でそんな思いを抱かれたら、安易に心を許しそうな気がして、私は思わず目をそらした。でも、目はすぐに隣を見ようと動いた。
「誰もどう書くかなんて気にして使ってないと思うけど、でも、僕は迷信だと言ったり、思いたくはないかな。溜め息をついたら、確かにちょっと気分が沈んじゃうから、そうならないために、幸せが逃げるって思うと思うんだよ」
柔らかく微笑んでそう言う彼の言葉は、私が望むと望まざるとに関わらず、すっと私の心の奥の奥に流れ込んできた。それはまるで、美しい旋律を耳にした時みたいで、ジン、と熱いものがせり上がるのを感じた。
「その考え方……好きかも」
随分と久しぶりに、自分の言葉で話したような気がした。
それからすぐ、どうして彼は私と話しているんだろう、そんな風に思った。転校初日で色々抱えてるものがあるだろうに、私なんかと話すなんて。転校してきてから随分経った今でも、自分からはほとんど話しかけられない私には、まるで分からなかった。
「そう、良かった」
彼はもう一度えくぼを作ると、すっと前に向き直った。すると、また魔法でも使ったみたいに、みんなわらわらと集まってきて、再び質問攻めが始まった。
私はその神秘体験めいたものにどこか魅力を感じながらも、気の迷いだと思おうとして、目の前のことに集中することに決めた。
そうすれば自然と時は流れていって、気が付けば初日は終わっていた。
ほんの少し前まで大好きだった『シンデレラ』も『白雪姫』も、クリスマスとサンタさんの関係みたいに思えてきて、難しい漢字がいっぱいの本を読む毎日になってしまった。
こう言うの、黄昏れてる、って言うんだって。クラスの誰かが私を指差して言っていたのを思い出す。
大人のフリをしたって大人にはなれないのに、子どもはどうして大人のフリをするんだろう。
そう考えるけれど、それでも私は子どもでいたくなかった。
大人になって、現実をありのままに受け止められるようになったら、少しは穏やかな日々を過ごせる気がする。
だから大人が良い。
転校してきてから、三カ月くらい。転校そのものには慣れたけれど、繰り返す度に友達の作り方が分からなくなっていって、今は友達なんて言い方が出来る子はいない。クラスメイトって言うのが精一杯だ。
だから本が友達、って思ってみるけれど、やっぱり寂しい。でも、今さら友達大募集中! みたいなキャンペーンが出来るはずもない。
こういう時、男子は良いな、って思う。
去年何組でも、今年何組でも関係無い。ボールを一緒に追いかけたら友達になれる、そんな簡単さが欲しい。
女子は上手くしないといけないの。上手く、って具体的には分からないけれど、下手すると友達の輪とかいう奴から追い出されてしまう。
その下手が怖くて、失敗しないように、なんてしている内に私はひとりぼっちになってしまった。要するに、私は何もしなかったんだ、今日まで。
友達になって下さい、って言えば良いのかな、とか思ってみるけれど、絶対違う。友達はなっているもので、なろうとするものじゃない。って、昨日読み終わった本に書いてあったし、私もそう思うし。
中学ももう終わる年だし、高校に入ったら、とかも思うけれど、それも有り得なさそう。高校デビューする勇気なんて、私にはない。きっと高校生活が終わる頃、大学に入ったら、なんて言っていそうな気がする。
やっぱり本が私の友達……ううん、そんなの無理だ。本は人間じゃない。本は私に知識をくれても、優しさはくれない。私が欲しいのは、私と仲良くしてくれる人。
一人くらい、って思うけれど、それすらもわがままなのかな。
そう思ってる内にチャイムが鳴って、新クラスでの初日が始まるのだと告げられた。
誰が担任なんだろう。
大柴先生とか中澤先生はやめてほしい。玲子先生か、富野先生くらいにしてほしい。まあ、奥園先生までならギリギリ許容範囲かな。
そんな私の願いも空しく、入ってきたのは候補としてすら考えたくなかった蓮池……先生。
無意味に班行動を強いるから大嫌い。とにかくいつでも「みんな」がモットーで、「一致団結」がキーワード。言葉にしたら綺麗だ。でもあの人が欲しいのは、輪をまとめる一部の真ん中と、それに無言で頷く周囲。秩序が保たれていたらクラスの運営が簡単だから、絶対にそんな理由。
転校前はもう少しマシだった。友達は相変わらずいなかったけれど、蓮池先生みたいに集団行動を強要する先生もいなかった。
まあ、そもそも一組になった時点で学年主任が就くだろうとは思ってたけどさ……。
「みんな! おはよう!」
第一声から出たよ。「み」に注がれた力の量が凄まじくて、私はこの一年を耐えられるか自信がなくなってきた。
「一致団結して、一組を最高のクラスにしよう!」
人にあの人を説明する時は、たった二つのキーワードで済みそうだ。絶対したくないけど。
「だが、その前にその席、気になってただろう?」
ビシッ、と蓮池が指差したのは、私の真横。誰も座っていない。
いるかいないかになんて、まるで関心を払っていなかった。でも、「みんな」の反応はその真逆みたいだ。
「そこはな、お前らのうわさ通り、転校生だ!」
オーッと教室中に歓声が響く。そんな話してたんだ。イヤホンをしていたわけでもないのに、一度だって聞いた記憶がなかった。
うんうん、とクラスの面々の反応に満足した先生は、ドアの方へずんずん歩いていくと、軽く開けて「さ、入ってくれ、永遠乃」と言った。
大きく開けられたはずのドアの音が聞こえなかったのは、私だけだっただろうか。
入ってきた彼の姿を目にして、なぜかシンデレラを思い出した。お父さんが私のためだけに描いてくれた、世界にたった一冊の『シンデレラ』。
見開きいっぱいに描かれたドレス姿。美しくて、艶やかで、きらめいていた。今から思えば、私の初恋はあの瞬間だったのかもしれない。
そんな絵画的な美しさを、湛えていた。
彼――永遠乃ウミと黒板に名前を書いた彼は。
「永遠乃ウミです。イギリスから引っ越してきました」
澄んだ声。凛とした立ち居振る舞い。そして何より、吸い込まれるような碧海(うみ)色の瞳。
心が打ち震えるのを覚えた瞬間、私なんかをさておいてクラス中は大盛り上がりを見せた。気圧されてしまったからか、気持ちの高まりは胸の奥に引っ込んでしまったようだった。
教室内は一気に彼に意識を向けて、次から次へと質問が飛び交った。イギリスのどこから来たのとか、英語はペラペラなのとか、ガールフレンドはいるのとか。
人が良いのか、彼は一つ一つに丁寧に答えようとしていた。何だかもう騒音レベルになりつつあったのを見かねて、蓮池先生は
「みんなの気持ちはよく分かる、よーく分かるが、去年掲げた学年スローガンを思い出してくれ。『一人はみんなのために、みんなは一人のために』だ。永遠乃はまだ引っ越し立てで色々疲労も溜まってるだろう。質問攻めにして疲れさせるのはやめてくれよ」
と口にしたが、クラスの面々はお構いなしだった。
「ったく、聞いちゃいねえな。お前ら、永遠乃のことも考えてやれよ。まあとにかく、永遠乃、そこの席に座ってくれ」
蓮池に言われた通り、彼は私の隣の席に歩いていった。その歩みは、底知れぬ気品を感じさせた。気品なんてものを感じる心が私にあったことがもう驚きだけど、彼の姿には自然とそれを感じさせるだけの魅力が確かに備わっていた。それはもう、本当に。
隣に座った彼は、私の方を向いて(気のせいだ。きっとそうだ)そっと口元に笑みを浮かべた。彼はきらきらと輝いて見えた。目の錯覚かな、と思うほど、彼は美しく、凛々しく映った。
そこからは矢継ぎ早に事が進んでいった。〝大事な中三の一年間〟が始まるというのに、意外と何もかもがあっさりしていた。何だか、明日になれば卒業するんじゃないかとさえ思えた。
休み時間が始まると、私には真新しさなんてものがまるで感じられなくなった。
窓の外に見える桜の木は、もうすっかり寂しげで、春がすっかり衰えてしまったように感じずにいられなかった。卒業式にはまだ咲いていなくて、入学式や始業式にはもう散りかけている、その姿はとても哀れだ。
二年間使ってすっかりくたびれた、スニーカーの形をしたペンケースに目を移して、私はふっと溜め息を漏らした。
「幸せが逃げるよ」
声の主に目をやって、驚いた。
今の今まで、人だかりが出来ていたはずの彼の席は、魔法でも使ったみたいにがらんとしていて、彼だけが私を見つめていた。左手で頬杖をついて、優しく笑っている。私の目がおかしいのか、彼はほのかにきらきらとした光の粒子を放っているようにも思えた。
「溜め息をついたら幸せが逃げるって迷信、信じてるの?」
そんな綺麗な顔して、馬鹿みたいな迷信信じてるんだ、なんて思った。いや、違うのかな、綺麗な顔してるからそんな浅いこと考えられるんだ、とか考え直して嫌な気持ちになって、思わず唇に指を触れた。
「迷信って、ちょっと寂しい感じしないかな。迷ってる、って書くよね。だから好きじゃないかな」
私は少しドキッとした。そんな〝寂しい〟という感覚を抱く人に出逢ったのは、お父さん以外で初めてだったから。綺麗な顔でそんな思いを抱かれたら、安易に心を許しそうな気がして、私は思わず目をそらした。でも、目はすぐに隣を見ようと動いた。
「誰もどう書くかなんて気にして使ってないと思うけど、でも、僕は迷信だと言ったり、思いたくはないかな。溜め息をついたら、確かにちょっと気分が沈んじゃうから、そうならないために、幸せが逃げるって思うと思うんだよ」
柔らかく微笑んでそう言う彼の言葉は、私が望むと望まざるとに関わらず、すっと私の心の奥の奥に流れ込んできた。それはまるで、美しい旋律を耳にした時みたいで、ジン、と熱いものがせり上がるのを感じた。
「その考え方……好きかも」
随分と久しぶりに、自分の言葉で話したような気がした。
それからすぐ、どうして彼は私と話しているんだろう、そんな風に思った。転校初日で色々抱えてるものがあるだろうに、私なんかと話すなんて。転校してきてから随分経った今でも、自分からはほとんど話しかけられない私には、まるで分からなかった。
「そう、良かった」
彼はもう一度えくぼを作ると、すっと前に向き直った。すると、また魔法でも使ったみたいに、みんなわらわらと集まってきて、再び質問攻めが始まった。
私はその神秘体験めいたものにどこか魅力を感じながらも、気の迷いだと思おうとして、目の前のことに集中することに決めた。
そうすれば自然と時は流れていって、気が付けば初日は終わっていた。
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