50 / 92
ホノカ編
五十話 ホノカの未練
しおりを挟む
マギア解放隊を退けて一日が経った。いつものように目を覚ますと隣にはコノがいてスヤスヤと無防備な寝顔を見せている。今日は学び舎がないため、しっかりと睡眠時間を確保できた。多分、もうお昼近いだろう。
「……すぅ」
「コノ」
僕が先に起きるのはあまり無いことだった。きっと昨日の事が相当な疲労になっている。僕も同じようだけど、力もついてきたし能力も短時間だったから前回のようにはならなかったようだ。
「どうしようかな」
あの後、僕達はすぐに家に帰宅してまた日常生活へと戻った。しかし、意識は簡単には切り替えられなかった。コノの心配も今後の襲撃も憂慮していたけど、何より彼らが霊であることが悩ませる。
彼らのやってることは肯定できないけど、仲間のためという想いは共鳴できるもので。それに、生者側の人の気持ちを想像すると簡単にマギア解放隊を否定できない。
きっと彼らも、半亡霊ということは時間も多くない。早めにかつ穏便に未練を解決する可能性はないだろうか。
「うむむ……」
エルフの村の事情考えると妥協点が見当たらず、アイデアは浮かばなかった。どっちもではなくどちらか、その選択肢しか無くて。そうなったら僕はどうするか。
「一つしかない」
「う……ぅぅ」
そう考えをまとめているとコノが目を覚ます。寝癖で髪の毛がボサボサで瞳はトロンとしている。
「おはようコノ」
「お、おはよう、ございます」
彼らには申し訳ないけれど、やっぱり僕はコノが明日を向かえるようにしたかった。
*
多少昨日の事を気にしつつもそれ以外はいつもと変わらない感じで休日を過ごした。今日でちょうどこの村に来て一週間で、随分と慣れたものだなと思う。家にはイチョウとリーフさんがいて、いつも傍にコノがいる。そして家族のように一日を送って。まぁ、トイレやお風呂に関しては慣れるはずもないけど。
「ねぇコノ……大丈夫?」
お昼を食べてからしばらくしてから、僕達は静かに本を読んでいたのだけど、一段落がしていつもと変らない彼女が気になって声をかける。
「はい、心配しないでください」
「そう? でも難しい顔をしてたから」
いつもなら楽しそうに小説に顔を埋めているのに、心ここにあらずといった感じでページをめくっていた。
「その……ちょっと考え事をしてたんです」
「悩み事なら聞くよ?」
「いえその……これは一人で決めなきゃいけないので」
凄く気になるけどそう言われてしまうと引き下がるしかなかった。
「そっか。もしかして一人になりたいとかある? 必要なら外に出てるけど」
「……そうしてくれると嬉しいです」
意外な返答だった。念の為訊いただけだったのだけど、まさか一人になりたがるなんて。
「了解。本当に困ったら相談してね」
「はい! ありがとうございます」
どうやらただ事ではないみたいだ。後ろ髪を引かれるも僕は部屋から出た。
「外に出ようかな」
少し気分転換に散歩することにして、休みでゆっくりしている二人からいつものように、いってらっしゃいを受けて玄関の扉を開けた。
「何か本当家族みたいだ……」
とりあえずぼーっとしながら神木の方へと歩いて行った。道中にはあの三人組の子達にまた囲まれてしまい、昨日の事の質問攻めにあってしまった。数十分ほどそれに答え、やっとのこともうすぐ暗くなるということで開放された。
「「「ばいばーい」」」
「ばいばーい。……やっと終わった」
リラックスのためだったのに、逆に別の疲労が溜まってしまった。気を取り直してウォーキングを再開する。
「……」
「あれは」
村の中心地に来ると、神木付近のベンチにホノカが座っているのを見つけた。悩ましげに地面をじっと凝視している顔が夕日に照らされている。
「ホノカ」
「ん? ああ、ヒカゲか」
顔を上げると普段と変わらない調子の明るさに戻る。
「コノハは一緒じゃないのか?」
「うん。一人で考え事をしたいって追い出されちゃったんだ」
「意外だな、ずっとくっついていたそうだったから。……ってそんなとこで突っ立てないで座れよ」
右隣をポンポンと叩き促してくれて、僕はそこに腰かけた。
「ホノカは何をしていたの?」
「オレは……コノハと同じだな。色々考えてた」
「それなら、僕いない方がいいかな?」
「別にそんな気を遣わなくていい」
それから会話が止まって絶妙な空気感の静寂に包まれる。僕はぼーっと前に目をやって村のエルフの人々が行き交う光景を眺めた。
「……」
「もし良かったらだけど話を聞こうか? 解決できないかもだけど、話すだけでも楽になるだろうし」
もしかしたら未練に関しての可能性もあり、ここは積極的にいくことにした。
「そう……だな」
一度大きく息を吐いてから少し苦笑いを浮かべ、僕に真っ直ぐと赤い瞳が向けられた。
「実はさ、お前に言わなきゃいけない事があるんだ」
「うん」
「オレ嘘ついたんだよ、未練のこと。祈り手としての役割を果たしたい思いはもちろんあるが、それは霊になってる理由じゃない」
ここまではある程度予想できていたことだ。ようやく話せてもらえ、少しは信頼された気がして嬉しくなる。
「それでだな……本当の理由はだな……それは」
一番大切な部分で言葉が躓いてしまう。瞳は泳ぎまくっていて、何だか恥ずかしそうに頰も赤くなってる。
「もしかして……コノのことが」
「そ、そうだよ! オレはあいつが好きで告白したいのが未練なんだ!」
「ま、マジっすか」
それは想定の斜め上だった。けど、思い返すとコノを意識している素振りはあったし、ちょくちょくモモ先輩みたいな嫉妬の視線を送っていた。
「オレは昔からコノハが好きで、この口調だってカッコいいと思われたかったからなんだ……」
夕焼けの効果で、ホノカの顔は火が吹きそうなほど真っ赤だった。そこには普段の威勢はなくて語気も弱々しい。
「へ、変だろ? こんな事が未練だなんてさ」
「いやいや、どんなものでもその人が持つ未練は重大なものだよ」
そう、本当に重いものだ。当然、マギア解放隊の彼らが持っているものだって。
「ねぇホノカ、僕はロストソードの使い手として、そして個人的にも力になりたい」
「……なら、オレの告白が成功する可能性を上がるようサポートしてくれ。それと、逃げないよう見張って欲しい。今までずっと、できていなかったから」
「もちろん、わかった……よ」
話してて思い出す。そういえば僕コノに告白されていた。あれ、これ関係的にはホノカのライバルになってるよね。どうしようか。
「どうしたんだ?」
「いや……何でもないよ」
告白を受けていることを伝えるべきだろうか。今の流れでそれを言うのは躊躇ってしまう。
「そんじゃよろしく頼む。ふぅ、何か仲間が増えると力強いな」
「な、仲間……そ、そうだね。できることをしてみるよ」
「ああ! サンキューなヒカゲ……いやユウワ!」
八重歯を見せて少年のような笑顔を見せられ、完全に言うタイミングが消し去られる。
未練について進展したのは喜ばしいけど、その副産物として隠し事という重りが追加された。
「……すぅ」
「コノ」
僕が先に起きるのはあまり無いことだった。きっと昨日の事が相当な疲労になっている。僕も同じようだけど、力もついてきたし能力も短時間だったから前回のようにはならなかったようだ。
「どうしようかな」
あの後、僕達はすぐに家に帰宅してまた日常生活へと戻った。しかし、意識は簡単には切り替えられなかった。コノの心配も今後の襲撃も憂慮していたけど、何より彼らが霊であることが悩ませる。
彼らのやってることは肯定できないけど、仲間のためという想いは共鳴できるもので。それに、生者側の人の気持ちを想像すると簡単にマギア解放隊を否定できない。
きっと彼らも、半亡霊ということは時間も多くない。早めにかつ穏便に未練を解決する可能性はないだろうか。
「うむむ……」
エルフの村の事情考えると妥協点が見当たらず、アイデアは浮かばなかった。どっちもではなくどちらか、その選択肢しか無くて。そうなったら僕はどうするか。
「一つしかない」
「う……ぅぅ」
そう考えをまとめているとコノが目を覚ます。寝癖で髪の毛がボサボサで瞳はトロンとしている。
「おはようコノ」
「お、おはよう、ございます」
彼らには申し訳ないけれど、やっぱり僕はコノが明日を向かえるようにしたかった。
*
多少昨日の事を気にしつつもそれ以外はいつもと変わらない感じで休日を過ごした。今日でちょうどこの村に来て一週間で、随分と慣れたものだなと思う。家にはイチョウとリーフさんがいて、いつも傍にコノがいる。そして家族のように一日を送って。まぁ、トイレやお風呂に関しては慣れるはずもないけど。
「ねぇコノ……大丈夫?」
お昼を食べてからしばらくしてから、僕達は静かに本を読んでいたのだけど、一段落がしていつもと変らない彼女が気になって声をかける。
「はい、心配しないでください」
「そう? でも難しい顔をしてたから」
いつもなら楽しそうに小説に顔を埋めているのに、心ここにあらずといった感じでページをめくっていた。
「その……ちょっと考え事をしてたんです」
「悩み事なら聞くよ?」
「いえその……これは一人で決めなきゃいけないので」
凄く気になるけどそう言われてしまうと引き下がるしかなかった。
「そっか。もしかして一人になりたいとかある? 必要なら外に出てるけど」
「……そうしてくれると嬉しいです」
意外な返答だった。念の為訊いただけだったのだけど、まさか一人になりたがるなんて。
「了解。本当に困ったら相談してね」
「はい! ありがとうございます」
どうやらただ事ではないみたいだ。後ろ髪を引かれるも僕は部屋から出た。
「外に出ようかな」
少し気分転換に散歩することにして、休みでゆっくりしている二人からいつものように、いってらっしゃいを受けて玄関の扉を開けた。
「何か本当家族みたいだ……」
とりあえずぼーっとしながら神木の方へと歩いて行った。道中にはあの三人組の子達にまた囲まれてしまい、昨日の事の質問攻めにあってしまった。数十分ほどそれに答え、やっとのこともうすぐ暗くなるということで開放された。
「「「ばいばーい」」」
「ばいばーい。……やっと終わった」
リラックスのためだったのに、逆に別の疲労が溜まってしまった。気を取り直してウォーキングを再開する。
「……」
「あれは」
村の中心地に来ると、神木付近のベンチにホノカが座っているのを見つけた。悩ましげに地面をじっと凝視している顔が夕日に照らされている。
「ホノカ」
「ん? ああ、ヒカゲか」
顔を上げると普段と変わらない調子の明るさに戻る。
「コノハは一緒じゃないのか?」
「うん。一人で考え事をしたいって追い出されちゃったんだ」
「意外だな、ずっとくっついていたそうだったから。……ってそんなとこで突っ立てないで座れよ」
右隣をポンポンと叩き促してくれて、僕はそこに腰かけた。
「ホノカは何をしていたの?」
「オレは……コノハと同じだな。色々考えてた」
「それなら、僕いない方がいいかな?」
「別にそんな気を遣わなくていい」
それから会話が止まって絶妙な空気感の静寂に包まれる。僕はぼーっと前に目をやって村のエルフの人々が行き交う光景を眺めた。
「……」
「もし良かったらだけど話を聞こうか? 解決できないかもだけど、話すだけでも楽になるだろうし」
もしかしたら未練に関しての可能性もあり、ここは積極的にいくことにした。
「そう……だな」
一度大きく息を吐いてから少し苦笑いを浮かべ、僕に真っ直ぐと赤い瞳が向けられた。
「実はさ、お前に言わなきゃいけない事があるんだ」
「うん」
「オレ嘘ついたんだよ、未練のこと。祈り手としての役割を果たしたい思いはもちろんあるが、それは霊になってる理由じゃない」
ここまではある程度予想できていたことだ。ようやく話せてもらえ、少しは信頼された気がして嬉しくなる。
「それでだな……本当の理由はだな……それは」
一番大切な部分で言葉が躓いてしまう。瞳は泳ぎまくっていて、何だか恥ずかしそうに頰も赤くなってる。
「もしかして……コノのことが」
「そ、そうだよ! オレはあいつが好きで告白したいのが未練なんだ!」
「ま、マジっすか」
それは想定の斜め上だった。けど、思い返すとコノを意識している素振りはあったし、ちょくちょくモモ先輩みたいな嫉妬の視線を送っていた。
「オレは昔からコノハが好きで、この口調だってカッコいいと思われたかったからなんだ……」
夕焼けの効果で、ホノカの顔は火が吹きそうなほど真っ赤だった。そこには普段の威勢はなくて語気も弱々しい。
「へ、変だろ? こんな事が未練だなんてさ」
「いやいや、どんなものでもその人が持つ未練は重大なものだよ」
そう、本当に重いものだ。当然、マギア解放隊の彼らが持っているものだって。
「ねぇホノカ、僕はロストソードの使い手として、そして個人的にも力になりたい」
「……なら、オレの告白が成功する可能性を上がるようサポートしてくれ。それと、逃げないよう見張って欲しい。今までずっと、できていなかったから」
「もちろん、わかった……よ」
話してて思い出す。そういえば僕コノに告白されていた。あれ、これ関係的にはホノカのライバルになってるよね。どうしようか。
「どうしたんだ?」
「いや……何でもないよ」
告白を受けていることを伝えるべきだろうか。今の流れでそれを言うのは躊躇ってしまう。
「そんじゃよろしく頼む。ふぅ、何か仲間が増えると力強いな」
「な、仲間……そ、そうだね。できることをしてみるよ」
「ああ! サンキューなヒカゲ……いやユウワ!」
八重歯を見せて少年のような笑顔を見せられ、完全に言うタイミングが消し去られる。
未練について進展したのは喜ばしいけど、その副産物として隠し事という重りが追加された。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました
星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】聖女ディアの処刑
大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。
枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。
「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」
聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。
そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。
ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが――
※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・)
※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・)
★追記
※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。
※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる