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9.悪役令嬢は商人の息子に接触するようです
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ロバート・グストン。
「マジック・ラプソディ」の攻略キャラの一人である。
ボルグ王国王都に本店を構え、国境を越え広く商売を行う大商家、「グストン商会」の長男だ。
「マジラプ」では、元平民であるメリアと意気投合し、恋愛へと発展することになる。
アリシアが商売相手として思い浮かべたのは、このロバートのことである。
グストン商会は手広く商売を行っており、平民だけではなく貴族相手にも伝手があるので、珍しいものでも売りさばいてくれることだろう。
ただ一つ、懸念事項があるとすれば、ロバートが攻略キャラの一人であるということである。
現状、レイネスだけを警戒していればいいわけだが、もし関係を築けば、そこにロバートが加わる可能性が浮上してくる。
あくまでアリシアが個人的にロバートと関係を持ちたいだけなので、メリアと接する機会が増えるわけではないが、同じクラスに籍を置いている以上、アリシアを通して仲良くなる可能性は十分にあるだろう。
そう考えると他をあたるべきなのでは、と躊躇ってしまうが、どこかに伝手があるわけでもない。
アリシアがしっかり牽制していれば大丈夫だろうと思うことにする。
ロバートは同じクラスである。
直接言葉を交わしたことはないが、顔も知らない仲というわけではない。
休み時間、教室から出ていったロバートを追いかけ、一人になったタイミングで声をかける。
婚約破棄されて間もないこの時期に、他の異性に声をかけているところを見られるのは、悪い噂が立ちかねない。
こういったゴシップは、特に広まりやすい。
人の不幸は蜜の味、とはよくいったものである。
まったく、貴族というものはめんどくさい生き物だ。
「ロバートさん、少しよろしいかしら」
振り返ったロバートは、声の主がアリシアであるとわかると目を見開いた。
クリーム色のふわふわとした髪が揺れる。
ロバートが小柄であるのと、アリシアの背が高いのもあって、目線はアリシアとそれほど変わらない。
「ア、アリシア様!?
私に何かご用でしょうか?」
「ええ、少しグストン商会にお願いしたいことがありまして。
今日の放課後、少しお時間をいただいてもよろしいかしら」
貴族の、それも公爵令嬢であるアリシアに声をかけられて動揺していたロバートだったが、商売の匂いを感じ取ったのか、瞬時に目の色が変わった。
さすがは大商家の跡取りといったところだろうか。
「承知いたしました」
「そう、ならよかったわ。
では放課後にサロンでお待ちしています」
一先ずロバートと約束を取りつけることはできた。
あとはいかに商品を売り込むかだ。
◇
放課後。
サロンで待っていると、ロバートがやってきた。
「お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした」
「私も今来たところですから、気になさらないでください。
どうぞ、お掛けになって」
「失礼致します」
椅子に座るロバートと入れ違いになるように立ち上がったアリシアは、あらかじめ沸かしておいたお湯でお茶を淹れる。
「アリシア様!?
そのようなことは私が致します!」
ガタンと椅子をならしながら立ち上がるロバート。
公爵令嬢であるアリシアがお茶を淹れることに対して、よほど驚いたらしい。
「ふふっ。
気になさらないでください。
私が好きでやっていることですから。
ロバートさんはどうぞ、そのままお掛けになってお待ちください」
「はぁ……」
不承不承といった様子で、ロバートが座り直す。
一応商談ということで、頭をスッキリさせるために、今日はハーブティーにした。
爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
目の前に置かれたカップを慎重に持ち上げたロバートは、ゆっくりと口をつけた。
「おいしい……」
「お口にあったようで、よかったわ」
メリアとお茶をしたときも思ったが、やはり誰かに、自分の作ったものをおいしいといってもらえるのは嬉しいものだ。
思わず笑みがこぼれる。
「っ!」
「? どうかなさいましたか?」
「い、いえ!
なんでもないです!」
(少し熱かったかしら?
顔も少し赤くなっているし)
アリシアも自分のカップに口をつける。
うん、なかなかおいしく淹れられたと思う。
「さて、本日ロバートさんをお呼びしたのは、買い取って欲しいものがあるからです」
「買い取って欲しいもの、ですか?」
「ええ、これです」
アリシアは昨日作った火の魔石を取り出した。
「これは、火の魔石ですか?」
「ええ、そうです。
買い取っていただきたいのは、これの活用法です。
少し失礼しますね」
席を立ったアリシアは、サロンの床に昨日と同じような箱を土魔法で作り出した。
室内に土で箱を作るのは少し抵抗があるが、魔力が切れれば風化してなくなるので、気にしないことにする。
何か昨日と違う料理にしようかとも思ったが、メインはオーブントースターなので、同じようにトーストを焼くことにする。
「これは魔石を使用した調理道具で、オーブントースターといいます。
密閉空間に火の魔石と食材をいれることで、加熱調理することができます。
簡単にいえば、小型の窯といったところですね」
「なるほど。
確かに一から火を起こして窯を使用するより、使い勝手がいいですね。
少量の調理にも向いていますし。
ですが、魔石の交換が必要になってきますよね?
この火の魔石ですと、定期的に購入するには、少し値が張ってしまいます」
「ええ。
ですから私としては、初めは貴族の方々を対象に販売していけたらと考えています。
いくつか、これを使った料理も紹介できますので、そのレシピもつけようかと。
目新しさがあれば、購入いただける貴族の方もいらっしゃるでしょうし。
それでもし、オーブントースターの有用性や、調理できる料理が話題になれば、一般の料理屋からもオファーがくるでしょう。
私がロバートさんにお願いしたいのは、オーブントースターの製造と、販売についてです」
ロバートは少しの間、思案に耽った。
オーブントースターの商品価値について、考えているのだろう。
アリシアからすれば、単なる思い付きに過ぎないが、ロバートからしたら大切な商品候補だ。
そう簡単に判断できることではないだろう。
「……商品としては、十分に魅力的だと思います。
まずは試作品を作ってみましょう」
「そうですね。
……そろそろできたかしら」
土の箱を開くと、トーストの芳ばしい香りがフワッと広がる。
熱々のトーストを手早く半分に千切り、一方をロバートへと手渡す。
「料理というにはいささかお粗末ですが、よろしければどうぞ。
おいしいですよ」
「えっ……」
差し出されたトーストを見たロバートの動きが止まる。
どうしたのだろうと不思議に思ったが、そこでようやく素手でトーストを持っていたことに気がつく。
「申し訳ありません!
私としたことが、つい無意識に……」
この世界でも、マナーとしてパンは千切って食べる。
しかし、だからといって、今日初めてまともに会話をしたような相手が素手でつかんだものを、食べたいと思うだろうか。
ロバートは今後のアリシアの行動方針を左右する、重要な商売相手だ。
こんなつまらないことで機嫌を損ねてしまうわけにはいかない。
こんなことなら、切り分けるためのナイフを用意しておくべきだった。
「すぐにもう一枚用意しますね」
アリシアは差し出していた手を引き戻す。
「いえ、それをいただきます!」
「ですが、これは私が……」
「大丈夫です!」
食いぎみなロバートの迫力に負け、仕方なく再びトーストを差し出す。
「ありがとうございます!」
美味しそうにトーストを口に運ぶロバート。
やってしまったかとヒヤヒヤしたが、どうやら杞憂だったらしい。
ともあれ、資金集めの第一歩は踏み出せたようだ。
「マジック・ラプソディ」の攻略キャラの一人である。
ボルグ王国王都に本店を構え、国境を越え広く商売を行う大商家、「グストン商会」の長男だ。
「マジラプ」では、元平民であるメリアと意気投合し、恋愛へと発展することになる。
アリシアが商売相手として思い浮かべたのは、このロバートのことである。
グストン商会は手広く商売を行っており、平民だけではなく貴族相手にも伝手があるので、珍しいものでも売りさばいてくれることだろう。
ただ一つ、懸念事項があるとすれば、ロバートが攻略キャラの一人であるということである。
現状、レイネスだけを警戒していればいいわけだが、もし関係を築けば、そこにロバートが加わる可能性が浮上してくる。
あくまでアリシアが個人的にロバートと関係を持ちたいだけなので、メリアと接する機会が増えるわけではないが、同じクラスに籍を置いている以上、アリシアを通して仲良くなる可能性は十分にあるだろう。
そう考えると他をあたるべきなのでは、と躊躇ってしまうが、どこかに伝手があるわけでもない。
アリシアがしっかり牽制していれば大丈夫だろうと思うことにする。
ロバートは同じクラスである。
直接言葉を交わしたことはないが、顔も知らない仲というわけではない。
休み時間、教室から出ていったロバートを追いかけ、一人になったタイミングで声をかける。
婚約破棄されて間もないこの時期に、他の異性に声をかけているところを見られるのは、悪い噂が立ちかねない。
こういったゴシップは、特に広まりやすい。
人の不幸は蜜の味、とはよくいったものである。
まったく、貴族というものはめんどくさい生き物だ。
「ロバートさん、少しよろしいかしら」
振り返ったロバートは、声の主がアリシアであるとわかると目を見開いた。
クリーム色のふわふわとした髪が揺れる。
ロバートが小柄であるのと、アリシアの背が高いのもあって、目線はアリシアとそれほど変わらない。
「ア、アリシア様!?
私に何かご用でしょうか?」
「ええ、少しグストン商会にお願いしたいことがありまして。
今日の放課後、少しお時間をいただいてもよろしいかしら」
貴族の、それも公爵令嬢であるアリシアに声をかけられて動揺していたロバートだったが、商売の匂いを感じ取ったのか、瞬時に目の色が変わった。
さすがは大商家の跡取りといったところだろうか。
「承知いたしました」
「そう、ならよかったわ。
では放課後にサロンでお待ちしています」
一先ずロバートと約束を取りつけることはできた。
あとはいかに商品を売り込むかだ。
◇
放課後。
サロンで待っていると、ロバートがやってきた。
「お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした」
「私も今来たところですから、気になさらないでください。
どうぞ、お掛けになって」
「失礼致します」
椅子に座るロバートと入れ違いになるように立ち上がったアリシアは、あらかじめ沸かしておいたお湯でお茶を淹れる。
「アリシア様!?
そのようなことは私が致します!」
ガタンと椅子をならしながら立ち上がるロバート。
公爵令嬢であるアリシアがお茶を淹れることに対して、よほど驚いたらしい。
「ふふっ。
気になさらないでください。
私が好きでやっていることですから。
ロバートさんはどうぞ、そのままお掛けになってお待ちください」
「はぁ……」
不承不承といった様子で、ロバートが座り直す。
一応商談ということで、頭をスッキリさせるために、今日はハーブティーにした。
爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
目の前に置かれたカップを慎重に持ち上げたロバートは、ゆっくりと口をつけた。
「おいしい……」
「お口にあったようで、よかったわ」
メリアとお茶をしたときも思ったが、やはり誰かに、自分の作ったものをおいしいといってもらえるのは嬉しいものだ。
思わず笑みがこぼれる。
「っ!」
「? どうかなさいましたか?」
「い、いえ!
なんでもないです!」
(少し熱かったかしら?
顔も少し赤くなっているし)
アリシアも自分のカップに口をつける。
うん、なかなかおいしく淹れられたと思う。
「さて、本日ロバートさんをお呼びしたのは、買い取って欲しいものがあるからです」
「買い取って欲しいもの、ですか?」
「ええ、これです」
アリシアは昨日作った火の魔石を取り出した。
「これは、火の魔石ですか?」
「ええ、そうです。
買い取っていただきたいのは、これの活用法です。
少し失礼しますね」
席を立ったアリシアは、サロンの床に昨日と同じような箱を土魔法で作り出した。
室内に土で箱を作るのは少し抵抗があるが、魔力が切れれば風化してなくなるので、気にしないことにする。
何か昨日と違う料理にしようかとも思ったが、メインはオーブントースターなので、同じようにトーストを焼くことにする。
「これは魔石を使用した調理道具で、オーブントースターといいます。
密閉空間に火の魔石と食材をいれることで、加熱調理することができます。
簡単にいえば、小型の窯といったところですね」
「なるほど。
確かに一から火を起こして窯を使用するより、使い勝手がいいですね。
少量の調理にも向いていますし。
ですが、魔石の交換が必要になってきますよね?
この火の魔石ですと、定期的に購入するには、少し値が張ってしまいます」
「ええ。
ですから私としては、初めは貴族の方々を対象に販売していけたらと考えています。
いくつか、これを使った料理も紹介できますので、そのレシピもつけようかと。
目新しさがあれば、購入いただける貴族の方もいらっしゃるでしょうし。
それでもし、オーブントースターの有用性や、調理できる料理が話題になれば、一般の料理屋からもオファーがくるでしょう。
私がロバートさんにお願いしたいのは、オーブントースターの製造と、販売についてです」
ロバートは少しの間、思案に耽った。
オーブントースターの商品価値について、考えているのだろう。
アリシアからすれば、単なる思い付きに過ぎないが、ロバートからしたら大切な商品候補だ。
そう簡単に判断できることではないだろう。
「……商品としては、十分に魅力的だと思います。
まずは試作品を作ってみましょう」
「そうですね。
……そろそろできたかしら」
土の箱を開くと、トーストの芳ばしい香りがフワッと広がる。
熱々のトーストを手早く半分に千切り、一方をロバートへと手渡す。
「料理というにはいささかお粗末ですが、よろしければどうぞ。
おいしいですよ」
「えっ……」
差し出されたトーストを見たロバートの動きが止まる。
どうしたのだろうと不思議に思ったが、そこでようやく素手でトーストを持っていたことに気がつく。
「申し訳ありません!
私としたことが、つい無意識に……」
この世界でも、マナーとしてパンは千切って食べる。
しかし、だからといって、今日初めてまともに会話をしたような相手が素手でつかんだものを、食べたいと思うだろうか。
ロバートは今後のアリシアの行動方針を左右する、重要な商売相手だ。
こんなつまらないことで機嫌を損ねてしまうわけにはいかない。
こんなことなら、切り分けるためのナイフを用意しておくべきだった。
「すぐにもう一枚用意しますね」
アリシアは差し出していた手を引き戻す。
「いえ、それをいただきます!」
「ですが、これは私が……」
「大丈夫です!」
食いぎみなロバートの迫力に負け、仕方なく再びトーストを差し出す。
「ありがとうございます!」
美味しそうにトーストを口に運ぶロバート。
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