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13.それから
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「先生~!」
私は私室を訪れたアルト先生の元に駆け寄った。
「お嬢様、お部屋の中とはいえみだりに走ってはいけません。
旦那様に叱られてしまいますよ」
「バレなければ問題ないわ。だからお父様に言ってはダメよ」
「仕方ないですね。今回だけですよ」
アルト先生が苦笑を漏らした。
私はアルト先生が好きだ。
もちろん異性として。
両親とも使用人とも違い、客人として我が家に住んでいるアルト先生は特別な存在だった。
皆に慕われ、私にも優しくしてくれる。
そんなアルト先生の柔らかな笑顔を見ている内に、いつの間にか心の中が先生のことでいっぱいになっていた。
歳は親子ほど離れているし、先生だって産まれたときから知っている私のことなど異性とは思っていないだろう。
それでもこの気持ちを抑える理由にはなりえなかった。
私は侯爵令嬢だ。
いずれどこかの貴族の子息を婿として迎え入れることになるだろう。
私の恋が実ることはない。
それでも自分の気持ちに嘘をつくような生き方はしたくなかった。
だから私は時間さえあればアルト先生の元を訪れ、少しでも一緒にいられるようにした。
お父様だけは私がアルト先生と仲良くしていると難しい顔をするが、何か言われるわけではないので気にしないようにしている。
「それではお嬢様、健康観察を始めます。お召し物を脱いでください」
「はい!」
私はなれた手付きで身につけていた衣類を脱いでいく。
普通の侯爵令嬢であれば、着替えもメイドが手伝うところだろう。
だが私はアルト先生と二人きりになるために、身の回りのことは一人でできるように特訓した。
だから今、この部屋には私とアルト先生しかいない。
私は躊躇することなく下着まで下ろすと、その裸体をアルト先生の前に晒した。
当然隠すようなことはしない。
お母様譲りの均整のとれた身体をむしろアピールするようにアルト先生に見せつける。
お父様にすらもう何年も見せていない私の裸体。
それを知る異性は世界で唯一、アルト先生だけである。
その背徳感が私の恋心を酷く刺激する。
「身体の隅々まで調べて、健康であると旦那様に報告しましょうね」
「はい!」
アルト先生の手がゆっくりと伸びた。
私は私室を訪れたアルト先生の元に駆け寄った。
「お嬢様、お部屋の中とはいえみだりに走ってはいけません。
旦那様に叱られてしまいますよ」
「バレなければ問題ないわ。だからお父様に言ってはダメよ」
「仕方ないですね。今回だけですよ」
アルト先生が苦笑を漏らした。
私はアルト先生が好きだ。
もちろん異性として。
両親とも使用人とも違い、客人として我が家に住んでいるアルト先生は特別な存在だった。
皆に慕われ、私にも優しくしてくれる。
そんなアルト先生の柔らかな笑顔を見ている内に、いつの間にか心の中が先生のことでいっぱいになっていた。
歳は親子ほど離れているし、先生だって産まれたときから知っている私のことなど異性とは思っていないだろう。
それでもこの気持ちを抑える理由にはなりえなかった。
私は侯爵令嬢だ。
いずれどこかの貴族の子息を婿として迎え入れることになるだろう。
私の恋が実ることはない。
それでも自分の気持ちに嘘をつくような生き方はしたくなかった。
だから私は時間さえあればアルト先生の元を訪れ、少しでも一緒にいられるようにした。
お父様だけは私がアルト先生と仲良くしていると難しい顔をするが、何か言われるわけではないので気にしないようにしている。
「それではお嬢様、健康観察を始めます。お召し物を脱いでください」
「はい!」
私はなれた手付きで身につけていた衣類を脱いでいく。
普通の侯爵令嬢であれば、着替えもメイドが手伝うところだろう。
だが私はアルト先生と二人きりになるために、身の回りのことは一人でできるように特訓した。
だから今、この部屋には私とアルト先生しかいない。
私は躊躇することなく下着まで下ろすと、その裸体をアルト先生の前に晒した。
当然隠すようなことはしない。
お母様譲りの均整のとれた身体をむしろアピールするようにアルト先生に見せつける。
お父様にすらもう何年も見せていない私の裸体。
それを知る異性は世界で唯一、アルト先生だけである。
その背徳感が私の恋心を酷く刺激する。
「身体の隅々まで調べて、健康であると旦那様に報告しましょうね」
「はい!」
アルト先生の手がゆっくりと伸びた。
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