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11.教会③

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 巨大ダンジョンを有するツェローシュクでは、魔石や魔道具の供給が十分にある。
 そのため、水を生成する魔道具の普及率もかなり高い。
 一般家庭でも、井戸や川へ汲みに行かずとも、安定して水を手に入れることができるのは、さすがダンジョン都市といったところだろう。 

 この教会にも当然ながら水を生成する魔道具が備えつけられており、毎日の入浴を可能としている。

「ほら、姉ちゃん。
 早く、早く!」

「わ、わかってるわよ」

 脱衣所に来たエリーゼは、男の子たちに急かされながら、服を脱いでいく。
 子供たちは既に脱ぎ終わっており、先に浴室へと行けばいいのに、どういうわけかエリーゼが脱ぎ終わるのを待っている。

 シャツとショートパンツ、靴下を脱いだエリーゼは、胸のバンドに手を掛けた。
 いくら異性とはいえ、相手は子供。
 恥ずかしがる必要もないだろうということは理解している。
 だが、性欲も理解していないような子供の手によって、快感を刻まれてしまったという事実が、脱衣の手を止めた。

「姉ちゃん!」

「ふぅ……」

 子供たちの責めるような視線に嘆息したエリーゼは、ゆっくりとバンドを頭から抜き取った。

「うおっ!
 やっぱりおっぱいでけぇ!」

「ねえねえ、触っていい?」

「いいわけないでしょ!」

 自身の胸に子供たちの視線を感じて、思わず隠しそうになるのをグッと堪える。
 バンドを脱衣かごに置いたエリーゼは、そのままの勢いで、下着も脱ぎ去った。

「姉ちゃんもやっぱり、毛が生えてるんだな」

「でもミリーナ様より少ないよ」

「じゃあ、ミリーナ様のが大人なのかな」

 人の陰毛に対して好き勝手言ってくれる。
 それにミリーナの個人情報が駄々漏れなのだが、その事を本人は把握しているのだろうか。

「ほら、馬鹿なこと言ってないで、お風呂に入るわよ」

「「はーい!」」

 子供たちの背を押しながら浴室へと入る。
 教会の浴室だけあって、広さはそれなりにある。
 多人数で入浴することを想定して設計されているのだろう。

「姉ちゃん洗ってー!」

「いつもはどうしてるの?」

「ミリーナ様に洗ってもらってる!」

 子供とはいえ、これくらいの子なら自分で身体くらい洗えるような気もする。
 だが確かに、自分がいつから一人で身体を洗えるようになったかなんて覚えていない。
 個人差もあるだろうから、そういう子もいるのだろう。

「じゃあ、自分で洗えない子はこっちに来なさい」

 そう声をかけると、浴室にいた子供全員がエリーゼの元に集まってきた。

「……まさか、ミリーナはいつも全員のことを洗ってあげてるの?」

「そうだよ!」

「……それはすごいわね」

 女の子も全員だとすれば、それはもう立派な重労働といえるだろう。
 子供たちの面倒を見て、教会の運営もして。
 今はその全てを一人で行っているという。
 エリーゼに対しては悪魔のような姿ばかり見せてくるが、やはり修道女として立派な人なのかもしれない。
 悪魔だが。

「わかったわ。
 洗ってあげるから、一人ずつこっちに来なさい。
 ミリーナはいつもタオルで洗ってあげているのかしら?」

「違うよ。
 手だよ」

「手……」

 子供の繊細な肌のことを思えば、タオルよりも手で洗ったほうがいいのかもしれない。

 洗い場にしゃがんだエリーゼは、一番近くにいた子から洗い始める。

 これが依頼ということもあるが、この悪ガキどもを毎日一人で相手にしているミリーナのことを思うと、少しは力になってあげたいと思ってしまう。
 石鹸を泡立て、頭の先から丁寧に洗っていく。
 まだ子供だけあって、その身体は女性であるエリーゼのそれよりも華奢だ。
 傷つけないように、優しく全身を擦ってあげる。

 背中を洗い終え、全面を上から洗い始めたエリーゼは、腰のあたりまで洗うとその手を止めた。

「……ミリーナはここも洗ってくれるの?」

「もちろん!」

「……そう」

 まだ小さく、エリーゼの魅力的な肢体を見ても大きくなることのない、男の象徴。
 片手で包めてしまいそうなほど小さなものだが、それでも異性の性器であることに代わりはない。
 シン以外の男性のものなど、これまで触ったことはない。

 ごくりと喉が鳴る。

(これは仕事だもの。
 相手は子供だし、仕方ないわよね……)

 ゆっくりと手を伸ばしたエリーゼは、小さな性器を包み込んだ。

(柔らかい……)

 細い指の間で、くにゅりと形を変える。
 玉の部分はコロコロとしていて、ずっといじっていられそうだ。

 シンの男性器に触れるときは、基本的に硬くなっているときであり、よく考えたら小さくなっているところを見たことはないかもしれない。
 それだけエリーゼに興奮してくれているのだと思うと、なんだかこそばゆい気持ちになる。

(シンのもこれくらい可愛くなるのかしら?)

 小さくて柔らかい肉棒を、人差し指に絡めるようにしながら弄ぶ。

 まだ皮を被ったままの、穢れを知らない肉棒。
 それを自分が自由にしていると思うと、嗜虐心が刺激される。

(こんなに可愛らしいものでも、いつかはあんなたくましいものになるのよね。
 なんだか、感慨深いわ)

 独特な手触りを楽しみながら、エリーゼはしみじみと思った。

「姉ちゃん、いつまでそこ洗ってんだよ!」

「っ!
 そ、そうよね。
 ここはもういいわよね」

 我に返ったエリーゼは、慌てて脚を洗っていく。
 
 そこからは流れ作業のように、一人ずつ洗体を行っていった。
 心なしか、象徴を洗う時間が長かった気もするが。

「じゃあ次は、俺たちが姉ちゃんを洗ってやるよ!」

「えっ、そんなのいいわよ。
 私は自分で洗うわ」

「ミリーナ様のことはいつも洗ってるよ」

(子供たちになにさせてるのよ……)

 エリーゼは、ミリーナの普段の振る舞いに、思わずため息をついた。

 わかっている。
 身体を洗ってもらうというのも、おそらくお手伝いの一環なのだろう。
 子供たちに下心がないというのは、そのキラキラした瞳と、柔らかいままの象徴を見れば明らかだ。

 エリーゼは依頼主であるミリーナと、子供たちの面倒をみるという約束をした。
 面倒をみるというのは、ただ子供たちに尽くすだけではないだろう。
 その自主性を尊重し、誤ったことをしないように導くことこそ、その本質なのではないだろうか。

 普段からミリーナの身体を洗っている子供たちにとって、エリーゼの身体を洗うということは、当たり前のお手伝いなのかもしれない。
 その気持ちを汲んでこそ、依頼を遂行したといえるだろう。

 まあ、異性の身体を洗わせるということ自体、誤った教育な気もするが。

「……はあ。
 わかったわ。
 優しくお願いね」

「よし、きれいにするぞ!」

 洗い場の椅子に座ったエリーゼに、四方八方から小さな手が伸びる。
 だが、どこを洗うか既に役割分担をしているのだろう。
 子供たちが場所の取り合いをするようなことはなかった。

(あら……。
 これは意外と気持ちいいわね……)

 小さな手が、エリーゼの身体中を優しく撫でる。
 いつもミリーナの身体を洗ってあげていると言うだけあって、その力加減は絶妙だ。

 頭、両腕、両脚、背中。
 普通では味わうことのできない、同時に身体中を洗われるという感覚は、エリーゼに至福の一時を与えた。

 ミリーナはこの気持ち良さを知っているからこそ、子供たちに身体を洗わせているのかもしれない。

「姉ちゃん、こんなにおっぱい大きくて重くないの?」

 胸を洗っている子が、尋ねてくる。
 しれっと胸を触られてしまっているが、邪な気持ちがあるわけでもないので黙認する。

「重いとは思うけど、胸がない状態を知らないからね。
 よくわからないわ」

「ふーん、そうなんだ。
 じゃあ、これならどう?
 軽い?」

 洗っていた手を止めて、抱えるようにエリーゼの豊かな膨らみを持ち上げた。

「うーん……。
 軽くなったような?」

「そっか」

「座っているだけだしね。
 動いたら、違いがよくわかるかもしれないけど」

 さすがに支えてもらったまま駆け回るなんてことはできない。

「姉ちゃんはおっぱい小さいほうが良かった?」

「どうかしら」

 邪魔だと思うこともないでもない。
 だが、シンはこの胸が好きなので、それを思えば大きくて良かったとも思う。
 結局は場合によるのだ。

「ねえねえ、姉ちゃんはおっぱい出るの?」

 左脚を洗い終えたリットが、左の胸に手を伸ばしながら言った。

「出ないわよ。
 まだ子供いないし」

「本当に?
 こんなに大きいんだから、搾れば出てくるんじゃないの?」

 そう言うと、両手で包み込むようにして、胸の付け根から尖頭に向けて搾り始めた。

「ちょっと、そんなことしても出ないものは出ないから」

「うっそだー。
 だって、乳首硬くなってきたもん。
 もうちょっとやれば出るよ」

「違っ!
 それはそういうのじゃなくて」

「じゃあなんでこんなに硬くなってるの?」

 ピンピンと尖頭を弾かれ、痺れるようなうずきが身体を走る。

 まさか言えるはずもない。
 子供たちの手で快感を覚えていたなんて。

 全身を洗われるというのは、純粋に気持ちが良かった。
 だが、時折視界で揺れる小さな肉棒。
 それを認識すると、どうしようもなく、エリーゼの中の女が疼いてしまうのだ。

 子供相手に発情してしまっている。
 そんな自分を認めるわけにはいかなかった。

「おっぱいなんだから、吸ったら出るんじゃないの?」

「そっか!」

「待って!
 それは駄目!」

 他の子のアドバイスを聞いたリットは、エリーゼの制止を無視して、尖頭を口に含んだ。

「うえっ!
 苦い!」

「石鹸がついているんだから当たり前よ」

 ペッ、ペッと唾を吐き出すリット。
 石鹸のお陰で、どうにか吸い付かれるのを避けることができた。
 だが、尖頭がリットの口の中に含まれたあの一瞬。
 その瞬間に脳裏を過った考え。
 このまま子のこの子たちに弄ばれてしまうのではないかという考えが、エリーゼに名残惜しさのようなものを抱かせた。

(っ!
 何を考えてるのよ、私は……)

 いくらなんでも、子供相手にそれは駄目だ。
 決して越えてはいけない一線なのだ。

 辛うじて踏みとどまることができたことに安堵する。
 しかし、誘惑というのはそう簡単に振り切ることのできるものではない。

「吸うなら泡を流してからにしろよな」

「そうだな」

 お湯でエリーゼの胸の泡を流したリットは、再びその頂きに吸い付いた。

「はあっ……」

 思わず甘い声が漏れる。

 乳首が吸われているのがわかる。
 だが、それだけではない。
 リットは舌でチロチロと硬くなったそれを弄んでいるのだ。
 舌の上で転がされる度に、少しざらりとした舌の感触が、弱い刺激を与えてくる。

「んふぅ、ふぅ、あん!」

「あはは!
 姉ちゃん、変な声!」

 子供たちに自分の淫らな声を笑われて、カッと顔が赤くなるのがわかる。
 唇を噛んで声を抑えようとするが、しかし、漏れ出る全てを塞ぐことはできない。

 チュパッ、ジュル、ズゾゾゾ

 卑猥な音をたてながら、リットの吸い付きは続く。
 リットの口技は吸い付き、舌で転がすだけではなかった。

 時折、硬くなったエリーゼの蕾に歯を立てるのだ。
 甘噛され、ピリッとした痛みが走るそこを、リットは丁寧に舐めた。
 すると、染みるような快感が、エリーゼの中に流れ込んでくる。

 両手で胸を引き絞り、それが先端に至ったタイミングで吸われる。
 そうされると、本当に出てしまうかもと、思わず錯覚してしまいそうになるのだ。

 まさか、こんな幼子に、性技の腕などあるはずもない。
 即ちこの攻めは、リットから母乳を絞り出そうとする一心で導き出したものなのだろう。

 それはもう、愛撫と呼んで差し支えのないものだった。
 確かな快感がエリーゼの中に蓄積していく。

 だが、胸からの弱い刺激だけでは、決して至ることはない。
 下腹部が熱を帯びていく。

「はあっ、はあっ、んっ……」

 イキたい。
 だが、子供たちにこれ以上の刺激を願うことなどできるわけもなく、ましてや、自ら慰めるなどもっての他だ。

 ただただ、快楽だけが積み重なっていく。

「うーん、やっぱり出ないな」

 ようやく口を離したリットが、少し残念そうに呟いた。

 リットの唾液に濡れ、テラテラと輝く尖頭は、すっかりふやけてしまっていたが、それでも痛々しいほどに屹立していた。

「姉ちゃん、座ってると洗いにくいから立って」

「わ、わかったわ……」

 ボンヤリとした思考で、子供たちの指示に従う。

「ひぃっ……」

 すると突然、甘い刺激が下半身を襲った。
 見ると、リットの手が女陰に伸びていたのだ。

「あん!
 そこは……」

「俺たちも姉ちゃんに洗ってもらったんだから、俺たちも洗ってやらなきゃな」

 それを言われると言葉に詰まる。
 なまじ長時間子供たちの陰部を弄ってしまっただけに、反論できない。

「それにしても、女の人のここって、変な形してるよな」

 リットがエリーゼのひだを指で掴み、左右に開きながら言った。

(ああ……、見られてる!
 こんな小さな子たちに、私の大事なところを!)
 
 薄い桃色をした女の秘所は、その全てをリットたちの前にさらけ出していた。
 皮を押しやって尖っている肉豆も、複雑な形のひだも、その中央で口を開いている肉穴も。
 余すところなく、見られてしまっている。

「ん?
 姉ちゃんお漏らししてんのかよ!
 汚ねぇなあ!」

 コクコクと溢れる蜜液に気がついたリットが大きな声を上げた。
 それに反応した他の子たちが、注意してエリーゼの秘部を覗き込むと、口々に声を上げる。

「大人なのに、だっせぇ!」

「お漏らしなんて、赤ちゃんしかしないよな」

「それはお漏らしじゃなくて……」

「じゃあ、何なんだよ?」

「うっ……」

 説明できないのがもどかしかった。
 お漏らしをしていると思われるのも癪だが、本当のことを教えるわけにもいかない。

「しょうがねえな。
 俺がきれいにしてやるよ」
 
 リットが優しい手付きで、女唇を擦り上げる。

「いや、駄目ぇ!
 そんなに擦らないでぇっ!!」

 ヒダの一つ一つを丁寧に洗うリットの指。
 そしてその指は、痛々しいほど尖っている、剥き出しの肉豆をつかんだ。

「ひんっ!
 そこは駄目なのっ!」

 鋭い快楽に、思わず腰が逃げそうになる。
 だが、他の子たちにしっかりと抑えられ、再びリットの前に肉豆が曝け出される。

「おいおい、逃げるなよ、姉ちゃん」

 リットは肉豆を摘まむと、ゆっくりと円を描くようにその小さな指先を這わせた。

「ひいぃっ!!
 待って、強すぎるっ!!」

「そうなのか?
 なら、もう少し優しく」

 撫でるように硬くなった剥き出しの肉豆を弄られる。
 すると、電撃のような痺れが、エリーゼを貫いた。

「はぁん!
 そうじゃなくて、刺激が強いのよっ!」

「まったく、注文が多いな」
 
 文句を言いながらも、リットの手は止まらない。
 肉豆にある、エラの裏まで丁寧に洗っていく。

 洗体からの乳頭攻めで快感が蓄積していたところに、この陰核攻めだ。
 快感は今にも溢れだす寸前だった。

 庭で子供たちにイカされた、己の痴態がフラッシュバックする。

「うっ、もういいから!
 もう終わりにして!」
 
 どうにか与えられる刺激から逃れようと腰を動かすが、肉豆をしっかり掴まれている以上、できる抵抗はたかが知れていた。

 指先で潰され、転がされ、撫でられる。
 時折、指が下の秘唇のひだをなぞられると、トプリと蜜液を吐き出すのだ。

「ふうっ……、ふうっ……。
 こ、これ以上されたら、もうっ……!」

 歯を食い縛りながら、耐えるのにも限界がある。
 女性の身体で最も敏感な場所を絶えず弄られているのだ。
 その痺れるような快楽は思考を焼き、明滅する意識は耐える気力すら削ぎ落としていく。

「もうすぐ洗い終わるから待って」

「んっ、そんな……っ!」

 息を荒らげ、目をつむり、必死に高みへ到達するのを我慢する。
 しかし、快楽というものは、我慢すればするほど、より強烈な快感を伴って襲いかかる。

 そして、限界の時が訪れた。
 それはリットの指が、少し強めに陰核を弾いたことがきっかけだった。
 身を貫く鋭い快感が、背中を貫き、エリーゼの視界を白く染めた。

「イックウゥぅぅっ!」

 顎を上げ、子供たちに身体を預けながら股間をつきだす。
 股座からは噴き出すように快楽の飛沫が飛び散り、脚の間にいたリットの腹をビシャビシャと濡らした。

「うわあっ!?
 またお漏らしかよ!」

 お漏らしではない。
 そう否定したかったが、深い絶頂に追いやられたエリーゼに答えるだけの余裕はなく、ガクッ、ガクッと腰を震わせることしかできなかった。
 そもそも、潮を吹き掛けてしまった時点で、それが尿かどうかなど大した問題ではないだろう。

「はあ……、はあ……、はあ……」

 浴室の床に仰向けに倒れながら、息を整える。
 脚が開かれ、尖った胸の頂きも、濡れそぼった秘唇もその全てを曝け出していたが、隠すだけの気力はなかった。

「おい、姉ちゃん。
 俺にしょんべんをひっかけたんだ。
 お仕置きしてやるからな。
 四つん這いになって、こっちに尻を向けろ」

 尿ではないと否定するだけの気力がなかったエリーゼは、尻でも叩かれるのだろうかと、ボンヤリとした頭の片隅で考えた。
 それくらいなら、と未だ快楽でふらつく身体を、のそりと起こすと、四つん這いの姿勢をとった。

「誰か、姉ちゃんの尻を開いてくれ」

「なら、俺がやる」

 子供の一人がリットの指示で、エリーゼの尻タブをグッと左右に開いた。
 割り開かれた尻の間には、息づく菊孔が鎮座している。
 秘唇から伝ってきた蜜液によって、テラテラと光る薄い茶色をした菊孔。
 その下にある、濡れそぼった秘唇までリットからは丸見えだった。

「姉ちゃんのお仕置きは、かんちょーだ!」

「か、かんちょーって……。
 えっ、ちょっと待って!
 それは無理よ!」

 リットのかんちょーの威力は、嫌というほど理解している。
 二度も身をもって体験しているからだ。
 庭でされたときは、ショートパンツ越しに食らって、悶えるほどの衝撃を受けた。

 だが今回は、ショートパンツどころか、下着すら履いていないのだ。
 剥き出しの菊孔に、リットの指を突き立てられたりしたら……。

 エリーゼを襲うであろう激痛を想像したら、先ほどまで身を覆っていた快感など吹き飛んでしまった。

「お願い、謝るから。
 それだけは許して。
 そんなことされたら怪我しちゃうわ」

「お仕置きなんだから、我慢しろよな」

「そんなぁ……」

 エリーゼの尻の前に立ったリットが、人差し指を立てた腕を引き絞った。

「カウントダウンするからな。
 十、九、八」

「お願い、やめて。
 本当に怪我しちゃうから」

 エリーゼが必死に懇願するも、リットがそのカウントを止めることはない。

「七、六、五」

「な、なら、せめて手加減して。
 かんちょーは我慢するから、ね?」

 エリーゼの言葉に、しかしリットはニヤリと口元歪めただけだった。

「四、三、二」

「何でも言うこと聞いて上げるから。
 お願いします」

 エリーゼは恐怖に顔を染め、目の端に涙すら浮かべながら、子供相手に本気で懇願していた。
 逃げ出すという選択肢はエリーゼの中にはなかった。
 剥き出しの菊孔を差し出しながら、相手の裁量に己の身を委ねる。

 本当はこの状況を楽しんでいるのではないか。
 晒された肛門に指を突き立てられることを望んでいるのでは。

 リットのお仕置きに恐怖しながらも、エリーゼの女は確実に疼いていた。

 股座からは糸を引いた蜜液が、絶え間なく浴室の床を濡らしている。

 菊孔は衝撃を恐れ窄まるどころか、まるでリットの指を待ち望んでいるかのように、パクパクとその口を開いていた。

「一」

 最後の数字が、エリーゼの耳に届く。

 己の懇願が届かなかったことを察したエリーゼは、固く目をつむり、来るだろう衝撃に備えた。

「かんちょー!!」

 浴室に響いたリットの大きな声に、思わず身を縮こまらせる。
 じっとりとした、嫌な汗が止まらない。

 周りの時間がゆっくりと流れていく。
 ダンジョンで魔物相手に命のやり取りをしていると、時々こういったことがある。
 まるで、時間が止まってしまうのではないかと思うほど、魔物の動きが緩慢に見えるのだ。
 しかし、それでいて思考は澄みきっており、次の一手を導きだす。

 それと同じことが、今起こっていた。
 それほどまでに、エリーゼの身体は、身の危険を感じているのだろう。
 だが、ダンジョンと異なり、今この場において、エリーゼにリットの指を止める手段などない。
 ゆっくりと進む時間は、処刑の時間を延ばすだけであり、それはいたずらに恐怖心を増幅させた。

 ゆっくりではあるが時間は着実に進んでいく。
 やがて、研ぎ澄まされたエリーゼの感覚が、肛門に触れたリットの指を感じ取る。

 その瞬間、思わず悲鳴が漏れた。

「嫌ああああぁぁ……って、あれ?」

 肛門には確かにリットの指の感覚がある。
 だが、想像していた激痛が襲ってこないのだ。
 
「人に怪我をさせるのはいけないことだからな。
 って、姉ちゃん……、またお漏らしかよ」

「えっ……」

 四つん這いの腕の間から己の股間を覗くと、そこにはシャーーッと音を立てながら激しくほとばしる、黄金色の液体が見えた。

「駄目、見ないで!!」

 一度放たれたゆばりは、そう簡単に自分の意思で止めることができない。
 激しく浴室の床を打ちながら、排水口へと流れていく。

「女の人ってこんな風にしょんべんするんだな」

「でも臭いは俺たちのと変わらないぞ」

「四つん這いでしょんべんとか、まるで犬みたいだな」

「あああっ……」

 失禁する姿を間近で見られ、その臭いを嗅がれ、果てには犬のようだと罵られる。
 それも、まだ幼い子供たちに、だ。

 それは屈辱以外の何物でもないだろう。
 だが、そんな屈辱にすら、エリーゼの身体は確かな快楽を感じていた。

 やがてシュッ、シュッと最後の飛沫を出しきったエリーゼは、己の尿で汚れることも厭わず、その場に崩れ落ちた。

「そういえばさっき、姉ちゃん何でもしてくれるって言ってたよな」

 恐怖から解き放たれた安堵と、失禁を見られた羞恥で息も絶え絶えなエリーゼに、リットは容赦のない言葉を投げ掛けた。

「えっ、あれはその……」

「俺はちゃんとかんちょーしなかったのに、嘘つくのか。
 嘘つきはいけないってミリーナ様が言ってたぞ」

 ミリーナの名前を出されたエリーゼは、飛び起きた。

「わ、わかったわ。
 約束したもの。
 何でもいうことを聞いてあげる。
 だから、ここであったことは、ミリーナには内緒にして。
 ね、お願い」

「えっ、でも……」

「子供たちに口止めだなんて、そういうのはよくないですよ、エリーゼさん」

 悪魔の声が聞こえた。
 壊れかけのゴーレムのように、軋む首を捻ると、浴室の入り口に立つミリーナの姿が見えた。

「ミ、ミリーナ……。
 いったい、いつから見ていて……」

「エリーゼさんが、みんなの身体を洗ってくださっているときからですよ。
 随分念入りに洗っていたようですね。
 とくに、股間の辺りを」

 ミリーナの微笑みに、エリーゼは顔をひきつらせることしかできなかった。

「そういえば、子供たちの言うことを何でも聞いてあげるそうですね。
 それでしたら、私のお願いも聞いてもらっても?」

「な、何かしら?」

「いえ、そんな難しいことではないですよ。
 また今度、今度は子供たちではなく、私と遊んで頂きたいなと思いまして。
 ほら、私たち歳も近いですし、友達として遊んでみたいなって」

 何が友達だ。
 遊ぶなどといって、絶対ろくな目に遭わないだろうことは確実だ。
 そういう人間なのだ、この悪魔は。

「私と遊びたくないのですか?
 そういえば、シンさんにもお話ししてあげましょうか。
 エリーゼさんが身体を洗ってあげるといって、子供たちの股間を執拗に弄っていたこととか、子供たちに身体を洗わせるふりをして愛撫をさせ気をやっていたこととか、子供たちの前で犬のように尿を垂れ流していたこととか」

「遊ぶ、遊ぶから!
 私もミリーナと一緒に遊びたかったの!」

「そうだったんですか!
 そんな風に思ってもらえていたなんて、嬉しいです!」

「俺たちとの約束も忘れるなよ!」

「わかったわよ……」

 この日、悪魔の子は悪魔なのだと、エリーゼは身をもって理解したのだった。



「教会の子たち、みんないい子だったな」

「そ、そうね」

 エリーゼの友人だというミリーナが、一人で切り盛りしている教会。
 そこで面倒を見ている子供たちの遊び相手をするのが今日の依頼だった。

 依頼に行く前、少しエリーゼの様子がおかしい気がした。
 だが終わってみれば、子供たちには好かれているようだったし、ミリーナと次に遊ぶ約束もしたようなので、完全にシンの杞憂だったようだ。

 寄り添うようにしてベッドに座るエリーゼ。
 その裸体はまるで女神のように美しく、もう何度も身体を重ねているというのに、未だに見るだけでたぎってしまう。

「ねえ、シン。
 シンのここはいつも大きくなってるけど、普段は小さくなっているのよね?」

 エリーゼの細い指が、いきり立ったシンの一物を撫でる。
 滑らかな指の感触は、それだけで気持ちがいい。

「まあ、そりゃあ。
 こんな状態じゃ、ズボンを履くのすらしんどいだろうしな」

「どうしたら小さくなるの?」

「うーん。
 ゲンナリするようなものを見るとか。
 それか、立たなくなるまで、精を吐き出すか」

「シンは私とベッドにいるとき、いつも硬くしてるけど、もしかして私、シンのこと満足させてあげられてなかった?」

 不安そうな顔をするエリーゼ。
 裸体でそんな表情を見せるから硬いままなのだと、絶対理解していないだろう。

「そんなことないよ」

「でも、精を吐き出し切ってないんでしょう?」

「それは、まあ……。
 でも、身体を重ねるのって、大切なのは心の満足感だと思うし。
 俺はエリーゼとこうしていられるだけで、最高に満足してるよ」

「それは私もだけど……。
 なら今日は、シンのものが立たなくなるまでするわ!
 それで、小さくなったシンのものを見るの!」

「そんな、無理しなくていいよ」

「シンは私にそこまでされるの、嫌?」

「嫌じゃないけど……」

 むしろ、興奮する。

「わかった。
 でも、俺も容赦しないからな。
 全力でエリーゼを気持ちよくしてやるよ」

 その日、いつもより積極的なエリーゼによってシンは限界まで精を放つことになったが、快楽に飲まれて気絶してしまったエリーゼが、小さくなったシンの一物を見ることはなかった。
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