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6.公衆浴場
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「ふう、そろそろ戻るか」
「そうね。
んん~~っ!
今日は結構遅くまで潜っちゃったわね」
いつものようにダンジョンへと潜った二人。
普段であれば、夕食頃には切り上げるのだが、今日は調子がよく、ついつい遅くまで潜ってしまったのだ。
「今日はたくさん動いたし、公衆浴場にでも行くか」
「いいわね!
私もさっぱりしたいわ」
ツェローシュクには、公衆浴場が存在する。
普段は宿にある、共用のシャワーを使用しているが、さっぱりしたいときなどは、こうして公衆浴場を利用することもある。
「でも、あそこってそろそろ閉まる時間じゃなかったかしら?」
「そうだったか?
間に合わなかったら嫌だし、急いでいくか」
二人は星の照らす夜道を、急いで帰った。
◇
公衆浴場につくと、管理人が扉を閉めようとしているところだった。
「管理人さん、もう今日はお仕舞いかしら?」
肩で息をしながら、エリーゼが尋ねた。
「ああ。
そのつもりだったんだが、お前さんたち入りたいのか?」
「そのつもりだったんだが、閉めちゃうんじゃ仕方ないな。
また来るとするよ」
シンが肩を竦めながら答えた。
「俺はこれから掃除をしなきゃならねぇが、お前さんたちが気にしないんなら入ってもいいぞ」
「本当ですか!」
「ああ。
他に客はいねぇし、貸し切りだぜ」
ニヤリと笑う管理人の言葉に、二人は顔を見合わせた。
「それじゃあ、掃除の邪魔をして悪いが、少し入らせてもらうよ」
「お願いします」
「おう!
しっかり浸かって、疲れをとっていってくれ」
二人は入口で靴を脱ぐと、管理人に入湯料を払う。
「出たら入口で待ち合わせよう」
「わかったわ」
それぞれ、男女に分かれた脱衣所へと入っていく。
いつもは宿で装備を外してから来るのだが、今日はそのままだ。
まあ、他に客はいないようだし、邪魔になったり、盗まれたりすることもないだろう。
エリーゼは細剣を外すと、脱衣用のかごがいくつも置かれた棚に立てかけた。
胸当てを外し、シャツに手をかけようとしたところで、脱衣所に入ってくる誰かの気配を感じ、視線を向けた。
「邪魔するぜ」
そこには掃除道具を手に持った管理人が立っていた。
(えっ!?
まさか掃除って、脱衣所の掃除のことだったの!?)
いや、冷静に考えれば、公衆浴場で掃除をするとしたら、入口の空間を除けば、脱衣所か浴場しかないのだ。
管理人が脱衣所の掃除を始めても、何ら不思議ではない。
(だからって、なにも女性用の脱衣所から掃除しなくてもいいのに……)
男性用の脱衣所であれば、例え管理人が入ろうとも、同性のシンは気にもしないだろう。
だが、エリーゼは女だ。
異性の前で服を脱ぐということに、抵抗がないわけない。
(でも、掃除中でもいいからって、無理言って入れてもらったのはこっちだし……)
営業の邪魔をしている身で、脱衣所から出ていけとは、とてもではないがいえない。
(これは仕方ないわよね……)
エリーゼはチロリと唇を舐めると、シャツに手を掛けた。
ボタンを一つ一つゆっくりと、焦らすように外していく。
ダンジョンでの活動に加え、公衆浴場まで走ってきたため、シャツは汗で張り付き、うっすらと肌を透かしていた。
シャツを脱ぐと、フワッとエリーゼの汗の匂いが脱衣所に広がる。
背中に管理人の視線を感じる。
床を拭いているようだが、その場から動く気配はない。
まず間違いなく、エリーゼの裸体を楽しむつもりだろう。
エリーゼは靴下を脱ぐと、ショートパンツに手を掛けた。
手を下げるにしたがって、自然と前屈みになる。
すると、どうなるか。
下着だけの臀部を、管理人に向かってつき出すことになるのだ。
少し食い込んでしまっている下着姿。
菊孔は見えていないだろうが、肉付きのいい臀部の大部分はすっかりさらけ出されてしまっている。
ショートパンツをかごにしまうと、胸のバンドを脱ぐ。
バンドに引っ張られた豊かな乳房が、大きく揺れた。
後ろを向いているので、尖端は見えていないだろう。
いや、本当にそうだろうか。
管理人が真後ろにいるとは限らない。
斜め後ろからなら、見えてしまっているのでは?
込み上げてくる羞恥の感情に、くらくらしてくる。
だが、決して隠そうとはしなかった。
最後の砦、下着に手を掛けた。
ごくり、と喉がなる。
ゆっくりと下げられる下着の端に合わせて、双丘が晒される。
そして再び、前傾姿勢になっていく。
先程は下着を履いていた。
だが、今はそれを脱ごうとしている。
その状態で前傾姿勢になったらどうなるか。
双丘が割り開かれるのを感じる。
きっと管理人からは、薄茶色の菊孔が見えてしまっているだろう。
それだけではない。
その下に息づく、秘唇すら見えてしまっているはずだ。
下着が足に絡まってうまく脱げない。
だから、わざと長く見せつけているわけではないのだ。
ようやく、といった様子で下着を脱ぎ終わると、貸出しされている洗体用のタオルを手に取り、浴場へと向かう。
歩みに合わせてフリフリと揺れる臀部に、視線を感じたのは気のせいではないだろう。
エリーゼは洗い場に腰を下ろすと、シャワーで汗を流した。
少し熱めのお湯が、疲れた体には気持ちいい。
備えつけの石鹸に手を伸ばし、タオルで泡立てていたときだった。
ガラガラ、と脱衣所と浴場を隔てる扉が開く音がした。
ビクッとしたエリーゼが視線を向けると、ブラシを片手に管理人が入ってきたのだ。
こちらを見た管理人と視線が合う。
「俺のことは気にせず、ゆっくりしてくれ」
(……掃除をするためだもの。
仕方ないわよね)
脱衣所での、管理人の熱い視線を思い出しつつも、洗体を始めるエリーゼ。
体を隠したりはしない。
いつもそんなことはしていないのだ。
管理人が自分のことは気にするなといったのだから、今日だけ隠すのもおかしい。
だから、隠さない。
泡立てたタオルで体を洗おうとしたエリーゼだが、その手を止めると、泡だけ手にとって、タオルは置いてしまった。
いつもはタオルで体を洗うが、今日は手で洗おうと思ったのだ。
ただ、そんな気分。
他意はない。
白い、絹のような両の腕に、互い違いに泡を伸ばしていく。
豊満な胸部へと手を添えると、ゆっくりと揉みこむように洗っていく。
洗い残しがないように、丁寧に。
円を描くように、膨らみをなぞっていく。
もちろん、尖頭までしっかりと。
手は腹を伝い、薄い茂みへと伸びる。
その際、足を大きく開いた。
閉じたままだとよく洗えないから、仕方ない。
細い指で、肉ひだの一つ一つを丁寧に洗っていく。
きっと今日もシンに愛してもらうだろうここは、しっかりと洗っておきたい。
秘唇を開き、中まで指を這わせる。
すっかり硬くなっている肉豆の包皮を向いて、その内側も忘れず擦る。
「あっ……!」
手が敏感なところに触れ、思わず声が漏れる。
だが、ここには気にするような相手は誰もいないのだ。
我慢する必要はない。
右手で弾き、しごくように肉豆を洗っていく。
小指の先ほどに膨れ上がった桃色の肉豆は、痺れるような快楽をエリーゼにもたらす。
「はあぁ……、ふぅ……」
無意識に左手が右乳房へと伸びる。
一度洗った場所だが、念入りに洗うに越したことはないだろう。
グニュッ、グニュッと形を変える乳房。
大きなそれは、揉みこむ指の間から、こぼれそうなほどの柔らかさがある。
ピンと立ち上がっている尖頭の蕾を、人差し指と親指で潰すようにこねると、甘いうずきが体に広がる。
次第に高まっていく感覚に、手の動きも早くなっていく。
「ふぅ、んん、ふぅ、ふぅ!」
荒くなっていく呼吸。
背中に管理人の視線を感じながらも、その手を止めることはない。
「ふぅ、うう、あぅ!
ああぁ……、いっクゥゥゥ……!」
止めとばかりに左右の手で二つの豆を潰すと、ビクン、ビクンと体を震わせ、絶頂へと至る。
他人に見られながらの自慰。
この上ない羞恥のなかで行われるそれは、これまでで味わったことのない高みへと連れていってくれた。
しばらくの間、深い絶頂の余韻に浸った後、シャワーで泡を流すと、浴槽へと向かう。
まるでなにもなかったかのように澄ました顔をしているエリーゼだが、その笹穂耳はすっかり羞恥で赤くなっていた。
「ふぅ~……」
浴槽へと浸かると、縁に背を預け長く息を吐く。
一日の疲れが溶け出していくような、そんな感じがする。
豊かな乳房は湯船に浮き上がり、お湯の中では黄金色の若草がゆらゆらと揺れていた。
その様子を、ブラシで床を擦りながら見ている管理人。
だが、エリーゼは隠さない。
そのときだった。
「エリーゼ!
そっちも貸しきりか?」
突然、シンの声が響いた。
ビクッとしたエリーゼは、慌てて声のした方を振り向く。
この公衆浴場では、男湯と女湯は薄い壁一枚隔てた場所に存在する。
その為、こうして大きな声を出せば、相手の浴室まで聞こえてしまうのだ。
「え、ええ。
こっちも貸し切りよ」
エリーゼは声を張り上げて答えた。
シンが尋ねているのは客の有無だ。
だから、例え管理人がいたとしても、貸し切りという言葉に嘘はない。
どうして管理人がいるという事実を隠すような真似をしてしまったのか。
その理由はエリーゼにもわからなかったが、鼓動が早くなったのだけは確かだった。
「大分ここのダンジョンにも慣れてきたし、明日からはもう少し深い階層に潜ってみるか?」
「そうね。
ギルドで聞いた感じだと、実力的にも問題ないと思うわ」
シンとの他愛のない会話。
しかし、状況は歪だった。
シンと壁越しに話をしながら、シンの知らないところで、シンではない男に裸体を晒している。
背徳感と羞恥でくらくらしてくるようだ。
「俺はそろそろ上がるわ」
「私ももう少ししたら上がるわね」
シンの声がしなくなり、エリーゼはホッと息をつく。
股間に手を這わすと、明らかにお湯ではない、滑り気を感じた。
きっと頬は、リンゴのように赤くなっているだろう。
高ぶった精神状態のせいか、頭がボーッとする。
(……シンを待たせるのも悪いし、そろそろ上がろうかしら)
立ち上がろうとしたエリーゼは、しかし、回る視界に崩れ落ちる。
(あれ……)
浴槽にのまれるように、エリーゼの意識は途絶えた。
◇
「ほら、ポーションだ。
飲め」
朦朧とする意識の中、かすかに聞こえた言葉に従い、口元にあてられた瓶の中身を少しずつ飲み込んでいく。
すると、次第に意識が晴れていき、火照っていた体も、楽になっていくのを感じた。
「ん……」
ゆっくり目を開けると、そこには管理人の顔があった。
「少しは楽になったか?」
「はい……」
(そうか、私はのぼせて倒れたのね……。
それを管理人が助けてくれて……)
そこまで考えて、はっと状況を確認する。
どうやら脱衣所に横たえられているらしい。
目の前には管理人がいる。
そしてエリーゼは入浴したときのまま、全裸だった。
「きゃっ!」
慌てて体を隠そうと起き上がった途端、再びクラっときて倒れてしまう。
「おいおい、無理するな。
ほら、もう一本飲んどけ」
差し出されたポーションに口をつけると、スッと体が楽になっていく。
「ありがとうございます……」
「落ち着いたら、とっとと帰りな。
相方が外で待っているぞ」
ハッと顔を上げる。
(そうだ、シンを待たせているんだった!)
服を着るために立ち上がるが、よろけることはなかった。
どうやら、二本のポーションはしっかりと効いてくれたらしい。
「あの、ポーションのお代を」
「ああ、なら……」
管理人の手が、エリーゼの胸を捕えた。
「あっ……!」
「これでチャラにしといてやる」
ゴツゴツとした男の手の中で、形を変える乳房。
脱衣所の外、すぐそこにシンがいるというのに、シン以外の男に胸を揉まれてしまっている。
いくらのぼせたところを助けてもらったとはいえ、ポーションの代金の替わりに、胸を揉まれるなど普通ではない。
再びのぼせそうになるのを、どうにか抑える。
「んっ、ありがとう、ございますっ!」
胸を揉まれてお礼をいう。
不思議な背徳感が背筋を震わせた。
ひとしきり乳房を堪能した管理人が手を離した。
もう一度礼をいい、服を取ろうとしたところで、エリーゼの手が止まった。
(あれっ……、体が濡れていない……?)
浴槽でのぼせたエリーゼを、管理人が脱衣所まで運んで介抱してくれた。
自然に乾くほどの時間は経っていないはずだ。
チラッと管理人に視線を向けると、その足元にはエリーゼが洗体に使ったものとは別のタオルが落ちていた。
「っ……!」
カッと顔が熱くなる。
ポーションの代金といって胸を揉まれたが、もう既に揉まれていたのだ。
それも胸だけではない。
臀部や女陰に至るまで、全て。
朦朧としていたエリーゼには、どこまでされたのかはわからない。
だが、問いただすようなことはしなかった。
「本当にありがとうございました」
服を着たエリーゼは、脱衣所を出る前にもう一度お礼をいった。
「またいつでも来な」
「……はい」
管理人はどういうつもりでまた来るよういったのか。
普通の客に対する言葉なのか、それとも……。
管理人によってしっかり拭かれたはずの股間は、しっとりと濡れていた。
◇
「おっ!
エリーゼ、来たか」
「遅くなって、ごめんなさい」
「今日は疲れたからな。
長湯したくなる気持ちもわかる。
ん?
顔が赤いぞ、のぼせたのか?」
「そうかも」
「歩けそうか?」
「大丈夫よ」
「なら、夜風に当たりながら、ゆっくり帰るか」
シンに寄り添われながら夜道を歩く。
体の火照りはなかなか冷めそうになかった。
「そうね。
んん~~っ!
今日は結構遅くまで潜っちゃったわね」
いつものようにダンジョンへと潜った二人。
普段であれば、夕食頃には切り上げるのだが、今日は調子がよく、ついつい遅くまで潜ってしまったのだ。
「今日はたくさん動いたし、公衆浴場にでも行くか」
「いいわね!
私もさっぱりしたいわ」
ツェローシュクには、公衆浴場が存在する。
普段は宿にある、共用のシャワーを使用しているが、さっぱりしたいときなどは、こうして公衆浴場を利用することもある。
「でも、あそこってそろそろ閉まる時間じゃなかったかしら?」
「そうだったか?
間に合わなかったら嫌だし、急いでいくか」
二人は星の照らす夜道を、急いで帰った。
◇
公衆浴場につくと、管理人が扉を閉めようとしているところだった。
「管理人さん、もう今日はお仕舞いかしら?」
肩で息をしながら、エリーゼが尋ねた。
「ああ。
そのつもりだったんだが、お前さんたち入りたいのか?」
「そのつもりだったんだが、閉めちゃうんじゃ仕方ないな。
また来るとするよ」
シンが肩を竦めながら答えた。
「俺はこれから掃除をしなきゃならねぇが、お前さんたちが気にしないんなら入ってもいいぞ」
「本当ですか!」
「ああ。
他に客はいねぇし、貸し切りだぜ」
ニヤリと笑う管理人の言葉に、二人は顔を見合わせた。
「それじゃあ、掃除の邪魔をして悪いが、少し入らせてもらうよ」
「お願いします」
「おう!
しっかり浸かって、疲れをとっていってくれ」
二人は入口で靴を脱ぐと、管理人に入湯料を払う。
「出たら入口で待ち合わせよう」
「わかったわ」
それぞれ、男女に分かれた脱衣所へと入っていく。
いつもは宿で装備を外してから来るのだが、今日はそのままだ。
まあ、他に客はいないようだし、邪魔になったり、盗まれたりすることもないだろう。
エリーゼは細剣を外すと、脱衣用のかごがいくつも置かれた棚に立てかけた。
胸当てを外し、シャツに手をかけようとしたところで、脱衣所に入ってくる誰かの気配を感じ、視線を向けた。
「邪魔するぜ」
そこには掃除道具を手に持った管理人が立っていた。
(えっ!?
まさか掃除って、脱衣所の掃除のことだったの!?)
いや、冷静に考えれば、公衆浴場で掃除をするとしたら、入口の空間を除けば、脱衣所か浴場しかないのだ。
管理人が脱衣所の掃除を始めても、何ら不思議ではない。
(だからって、なにも女性用の脱衣所から掃除しなくてもいいのに……)
男性用の脱衣所であれば、例え管理人が入ろうとも、同性のシンは気にもしないだろう。
だが、エリーゼは女だ。
異性の前で服を脱ぐということに、抵抗がないわけない。
(でも、掃除中でもいいからって、無理言って入れてもらったのはこっちだし……)
営業の邪魔をしている身で、脱衣所から出ていけとは、とてもではないがいえない。
(これは仕方ないわよね……)
エリーゼはチロリと唇を舐めると、シャツに手を掛けた。
ボタンを一つ一つゆっくりと、焦らすように外していく。
ダンジョンでの活動に加え、公衆浴場まで走ってきたため、シャツは汗で張り付き、うっすらと肌を透かしていた。
シャツを脱ぐと、フワッとエリーゼの汗の匂いが脱衣所に広がる。
背中に管理人の視線を感じる。
床を拭いているようだが、その場から動く気配はない。
まず間違いなく、エリーゼの裸体を楽しむつもりだろう。
エリーゼは靴下を脱ぐと、ショートパンツに手を掛けた。
手を下げるにしたがって、自然と前屈みになる。
すると、どうなるか。
下着だけの臀部を、管理人に向かってつき出すことになるのだ。
少し食い込んでしまっている下着姿。
菊孔は見えていないだろうが、肉付きのいい臀部の大部分はすっかりさらけ出されてしまっている。
ショートパンツをかごにしまうと、胸のバンドを脱ぐ。
バンドに引っ張られた豊かな乳房が、大きく揺れた。
後ろを向いているので、尖端は見えていないだろう。
いや、本当にそうだろうか。
管理人が真後ろにいるとは限らない。
斜め後ろからなら、見えてしまっているのでは?
込み上げてくる羞恥の感情に、くらくらしてくる。
だが、決して隠そうとはしなかった。
最後の砦、下着に手を掛けた。
ごくり、と喉がなる。
ゆっくりと下げられる下着の端に合わせて、双丘が晒される。
そして再び、前傾姿勢になっていく。
先程は下着を履いていた。
だが、今はそれを脱ごうとしている。
その状態で前傾姿勢になったらどうなるか。
双丘が割り開かれるのを感じる。
きっと管理人からは、薄茶色の菊孔が見えてしまっているだろう。
それだけではない。
その下に息づく、秘唇すら見えてしまっているはずだ。
下着が足に絡まってうまく脱げない。
だから、わざと長く見せつけているわけではないのだ。
ようやく、といった様子で下着を脱ぎ終わると、貸出しされている洗体用のタオルを手に取り、浴場へと向かう。
歩みに合わせてフリフリと揺れる臀部に、視線を感じたのは気のせいではないだろう。
エリーゼは洗い場に腰を下ろすと、シャワーで汗を流した。
少し熱めのお湯が、疲れた体には気持ちいい。
備えつけの石鹸に手を伸ばし、タオルで泡立てていたときだった。
ガラガラ、と脱衣所と浴場を隔てる扉が開く音がした。
ビクッとしたエリーゼが視線を向けると、ブラシを片手に管理人が入ってきたのだ。
こちらを見た管理人と視線が合う。
「俺のことは気にせず、ゆっくりしてくれ」
(……掃除をするためだもの。
仕方ないわよね)
脱衣所での、管理人の熱い視線を思い出しつつも、洗体を始めるエリーゼ。
体を隠したりはしない。
いつもそんなことはしていないのだ。
管理人が自分のことは気にするなといったのだから、今日だけ隠すのもおかしい。
だから、隠さない。
泡立てたタオルで体を洗おうとしたエリーゼだが、その手を止めると、泡だけ手にとって、タオルは置いてしまった。
いつもはタオルで体を洗うが、今日は手で洗おうと思ったのだ。
ただ、そんな気分。
他意はない。
白い、絹のような両の腕に、互い違いに泡を伸ばしていく。
豊満な胸部へと手を添えると、ゆっくりと揉みこむように洗っていく。
洗い残しがないように、丁寧に。
円を描くように、膨らみをなぞっていく。
もちろん、尖頭までしっかりと。
手は腹を伝い、薄い茂みへと伸びる。
その際、足を大きく開いた。
閉じたままだとよく洗えないから、仕方ない。
細い指で、肉ひだの一つ一つを丁寧に洗っていく。
きっと今日もシンに愛してもらうだろうここは、しっかりと洗っておきたい。
秘唇を開き、中まで指を這わせる。
すっかり硬くなっている肉豆の包皮を向いて、その内側も忘れず擦る。
「あっ……!」
手が敏感なところに触れ、思わず声が漏れる。
だが、ここには気にするような相手は誰もいないのだ。
我慢する必要はない。
右手で弾き、しごくように肉豆を洗っていく。
小指の先ほどに膨れ上がった桃色の肉豆は、痺れるような快楽をエリーゼにもたらす。
「はあぁ……、ふぅ……」
無意識に左手が右乳房へと伸びる。
一度洗った場所だが、念入りに洗うに越したことはないだろう。
グニュッ、グニュッと形を変える乳房。
大きなそれは、揉みこむ指の間から、こぼれそうなほどの柔らかさがある。
ピンと立ち上がっている尖頭の蕾を、人差し指と親指で潰すようにこねると、甘いうずきが体に広がる。
次第に高まっていく感覚に、手の動きも早くなっていく。
「ふぅ、んん、ふぅ、ふぅ!」
荒くなっていく呼吸。
背中に管理人の視線を感じながらも、その手を止めることはない。
「ふぅ、うう、あぅ!
ああぁ……、いっクゥゥゥ……!」
止めとばかりに左右の手で二つの豆を潰すと、ビクン、ビクンと体を震わせ、絶頂へと至る。
他人に見られながらの自慰。
この上ない羞恥のなかで行われるそれは、これまでで味わったことのない高みへと連れていってくれた。
しばらくの間、深い絶頂の余韻に浸った後、シャワーで泡を流すと、浴槽へと向かう。
まるでなにもなかったかのように澄ました顔をしているエリーゼだが、その笹穂耳はすっかり羞恥で赤くなっていた。
「ふぅ~……」
浴槽へと浸かると、縁に背を預け長く息を吐く。
一日の疲れが溶け出していくような、そんな感じがする。
豊かな乳房は湯船に浮き上がり、お湯の中では黄金色の若草がゆらゆらと揺れていた。
その様子を、ブラシで床を擦りながら見ている管理人。
だが、エリーゼは隠さない。
そのときだった。
「エリーゼ!
そっちも貸しきりか?」
突然、シンの声が響いた。
ビクッとしたエリーゼは、慌てて声のした方を振り向く。
この公衆浴場では、男湯と女湯は薄い壁一枚隔てた場所に存在する。
その為、こうして大きな声を出せば、相手の浴室まで聞こえてしまうのだ。
「え、ええ。
こっちも貸し切りよ」
エリーゼは声を張り上げて答えた。
シンが尋ねているのは客の有無だ。
だから、例え管理人がいたとしても、貸し切りという言葉に嘘はない。
どうして管理人がいるという事実を隠すような真似をしてしまったのか。
その理由はエリーゼにもわからなかったが、鼓動が早くなったのだけは確かだった。
「大分ここのダンジョンにも慣れてきたし、明日からはもう少し深い階層に潜ってみるか?」
「そうね。
ギルドで聞いた感じだと、実力的にも問題ないと思うわ」
シンとの他愛のない会話。
しかし、状況は歪だった。
シンと壁越しに話をしながら、シンの知らないところで、シンではない男に裸体を晒している。
背徳感と羞恥でくらくらしてくるようだ。
「俺はそろそろ上がるわ」
「私ももう少ししたら上がるわね」
シンの声がしなくなり、エリーゼはホッと息をつく。
股間に手を這わすと、明らかにお湯ではない、滑り気を感じた。
きっと頬は、リンゴのように赤くなっているだろう。
高ぶった精神状態のせいか、頭がボーッとする。
(……シンを待たせるのも悪いし、そろそろ上がろうかしら)
立ち上がろうとしたエリーゼは、しかし、回る視界に崩れ落ちる。
(あれ……)
浴槽にのまれるように、エリーゼの意識は途絶えた。
◇
「ほら、ポーションだ。
飲め」
朦朧とする意識の中、かすかに聞こえた言葉に従い、口元にあてられた瓶の中身を少しずつ飲み込んでいく。
すると、次第に意識が晴れていき、火照っていた体も、楽になっていくのを感じた。
「ん……」
ゆっくり目を開けると、そこには管理人の顔があった。
「少しは楽になったか?」
「はい……」
(そうか、私はのぼせて倒れたのね……。
それを管理人が助けてくれて……)
そこまで考えて、はっと状況を確認する。
どうやら脱衣所に横たえられているらしい。
目の前には管理人がいる。
そしてエリーゼは入浴したときのまま、全裸だった。
「きゃっ!」
慌てて体を隠そうと起き上がった途端、再びクラっときて倒れてしまう。
「おいおい、無理するな。
ほら、もう一本飲んどけ」
差し出されたポーションに口をつけると、スッと体が楽になっていく。
「ありがとうございます……」
「落ち着いたら、とっとと帰りな。
相方が外で待っているぞ」
ハッと顔を上げる。
(そうだ、シンを待たせているんだった!)
服を着るために立ち上がるが、よろけることはなかった。
どうやら、二本のポーションはしっかりと効いてくれたらしい。
「あの、ポーションのお代を」
「ああ、なら……」
管理人の手が、エリーゼの胸を捕えた。
「あっ……!」
「これでチャラにしといてやる」
ゴツゴツとした男の手の中で、形を変える乳房。
脱衣所の外、すぐそこにシンがいるというのに、シン以外の男に胸を揉まれてしまっている。
いくらのぼせたところを助けてもらったとはいえ、ポーションの代金の替わりに、胸を揉まれるなど普通ではない。
再びのぼせそうになるのを、どうにか抑える。
「んっ、ありがとう、ございますっ!」
胸を揉まれてお礼をいう。
不思議な背徳感が背筋を震わせた。
ひとしきり乳房を堪能した管理人が手を離した。
もう一度礼をいい、服を取ろうとしたところで、エリーゼの手が止まった。
(あれっ……、体が濡れていない……?)
浴槽でのぼせたエリーゼを、管理人が脱衣所まで運んで介抱してくれた。
自然に乾くほどの時間は経っていないはずだ。
チラッと管理人に視線を向けると、その足元にはエリーゼが洗体に使ったものとは別のタオルが落ちていた。
「っ……!」
カッと顔が熱くなる。
ポーションの代金といって胸を揉まれたが、もう既に揉まれていたのだ。
それも胸だけではない。
臀部や女陰に至るまで、全て。
朦朧としていたエリーゼには、どこまでされたのかはわからない。
だが、問いただすようなことはしなかった。
「本当にありがとうございました」
服を着たエリーゼは、脱衣所を出る前にもう一度お礼をいった。
「またいつでも来な」
「……はい」
管理人はどういうつもりでまた来るよういったのか。
普通の客に対する言葉なのか、それとも……。
管理人によってしっかり拭かれたはずの股間は、しっとりと濡れていた。
◇
「おっ!
エリーゼ、来たか」
「遅くなって、ごめんなさい」
「今日は疲れたからな。
長湯したくなる気持ちもわかる。
ん?
顔が赤いぞ、のぼせたのか?」
「そうかも」
「歩けそうか?」
「大丈夫よ」
「なら、夜風に当たりながら、ゆっくり帰るか」
シンに寄り添われながら夜道を歩く。
体の火照りはなかなか冷めそうになかった。
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当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。



甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
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