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7.ミーナの天恵
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俺は子供の頭ほどある石を抱えるように持ち上げると、地面を踏み締め、全力で放り投げた。
手を離れた石は風を切り、青空の彼方へと飛んで――いくようなことはなく、ドスンと数歩先へと落下した。
「まあ、そうなるよな」
予想通りであり、また期待外れな結果に俺は肩を落とした。
夢の中で冒険者として受けた、廃材運搬の依頼。
【夢双】によって無敵の力を得た俺は、ゾルグに倣い、天へとそびえる外壁を越すように廃材を投げて依頼をこなした。
あのような芸当ができるのは、もはや化け物の領域だろう。
それを自分がやっているという事実が、気分を高揚させた。
目を覚ましたあともその興奮が収まることはなく、こうして石を投げてみたわけだが、所詮は夢での出来事らしい。
相変わらず現実の俺はただの農民で、お伽噺のような怪力など持ち合わせていなかった。
わかっていたことだが、言葉通り夢から覚めた気分だ。
「ラザック、なにやってるの?」
俺の奇行が気になるのだろう。
ミーナが背中で手を組みながら話しかけてきた。
「天恵の検証だよ」
「ラザックの天恵って、【夢双】だっけ?
夢の中で強くなれるって言ってたけど」
「昨日夢の中で材木や瓦礫なんかを、でっかい壁の向こうに投げたんだよ。
もしかしたら、現実でもできるかもって思ったんだけど、やっぱり無理だわ」
「あはは、それは残念だったわね。
にしても、ラザックの【夢双】って不思議な天恵よね。
夢の中って、もちろん思い通りにいかないこともあるけど、反対に空を飛ぶ夢だって見たりするじゃない?
わざわざ天恵の力を使ってできることにしては、使用者に恩恵が少なすぎる気がするわ」
ミーナの言う通り、【夢双】でどれほど強くなろうとも、現実に一切の影響があるわけでもない。
天恵によって与えられる能力は様々であり、その効力にも当然ながら個人差がある。
中には役に立たない天恵もあるだろう。
だがそれにしても、だ。
【夢双】には精々夢見が悪くなりにくい、程度の効果しかない。
「毎日寝るわけだし、悪い夢を見にくくなると思えば、多少は恩恵があるといえないこともないのかなあ……」
【夢双】を擁護するように呟く。
そうしないと、先日まで天恵拝受の儀を楽しみにしていた自分が報われない。
「俺に比べて、ミーナの天恵はシンプルに凄いよな。
わかりやすく役に立つっていうか」
「確かにそうかもしれないわね」
そう言うと、ミーナは両手を重ねるようにして、掌で器を作った。
すると掌から水が湧き出してきたではないか。
「【湧水】だっけ?
自由に水を生み出せるなんて、生物として最強だよな。
飲み水に困らないわけだし」
「井戸水を汲んで飲む生活に慣れちゃってるから、普段のどが渇いても自分で水を作って飲もうっていう発想があまり浮かばないんだけどね。
何かあったときに便利なのは間違いないわ」
「ミーナが作った水って美味しいのか?」
「飲んでみる?」
俺が手で器を作ると、ミーナがそこに水を注いでくれた。
ひんやりとしたそれを、俺は一気に飲み干す。
「ぷはーっ! かなり美味いな、これ」
「そう? なら今度料理にも使ってみようかしら」
「俺にも食わせてくれよ」
「わかってるわ」
ミーナの作る料理は美味い。
小さい頃から母親の手伝いをしてきた経験は、伊達ではないということだろう。
想像しただけで腹が鳴りそうだ。
「ミーナは【湧水】について、どれくらい知ってるんだ?」
俺はふと、昨夜ゾルグと話したことを思い出した。
自分の天恵が、意図せず周囲の人々に被害を与えるかもしれない。
大抵の天恵は使用に際する制約上、あるいは効力的に誰かを害するようなことはないという。
ミーナの【湧水】も、俺が見た限りでは無意識に誰かを害する可能性のある天恵ではないだろう。
それでも万が一ということもある。
ミーナには誰かを傷つけて、辛い思いなんてしてほしくない。
「どれくらいっていうと……、水を出せることくらい?」
チョロチョロと掌から水を出すミーナ。
「例えば、もっと大量の水を出すことはできるのか?」
「うーん、たぶんできる気がする」
ミーナが掌を正面に向ける。
すると、先ほどまで弱かった水流がその径を増し、放物線の距離を伸ばすように噴出した。
「その水で、あの木を折ったりは?」
俺は少し離れた所に立つ、一本の木を指差した。
「えー、やってみるけど、さすがにそれは無理よ」
ミーナが手の向きを変え、木の幹へ水流を当てる。
バシャバシャと激しい水流が木を打つ音が響くが、それだけだ。
幹が折れるような気配はない。
「もっと威力を上げることは?」
「練習すればできるかもしれないけど、今は無理。これが最大ね」
「なら、水の量を減らしたら、勢いを強くできないか?
水流を糸みたいに細くするイメージで」
「……こうかしら」
太かった水流が次第に細くなっていく。
ミーナの表情が少し厳しいのは、それだけ操作に神経を集中させているということなのだろう。
バシャバシャと音を立てていた水流は、その径が細くなるにつれてより強く叩きつけるような音に変わっていく。
幹に当たった水が細かい飛沫となって散る。
(明らかに強くなってるよな……)
響く水音は明らかに高くなっている。
水流も初めは弧を描いていたが、今では完全に直線だ。
未だに細くなっている。
これは、もしかするかもしれない。
俺は唾をのみながらその様子を見守った。
そして、その時が来た。
やがて糸のように細くなった水流は、針を刺すように、太い幹を貫いた。
「えっ?」
まさか木を貫くとは思っていなかったのだろう。
目の前の光景に動揺したミーナの手が揺れる。
その揺れに合わせ、放たれていた水流も横に払われた。
幹を貫いていた水流は、まるで粘土のように容易く木を断ち切った。
しばしの静寂。
そして、時を思い出したかのように、分断された木が地鳴りを響かせながら倒れた。
「「……」」
もしかしたら、という程度の試みだった。
だが、まさか木を貫くどころか切り倒してしまうとは。
ミーナへと視線を向けると、目を見開いた彼女と目が合う。
「……もしかして、私の授かった天恵って危険?」
「……危険かどうかは使い方次第だと思う。
水を飲んだりできるのが便利なのは確かだし。
でも、何ができるかはいろいろ試していった方がいいかも」
「そうね、そうするわ」
もし何も知らないミーナが、意図せずこの力を誰かに使ってしまっていたら。
そう考えると、今ここで【湧水】の力の一端を確認できたことは僥倖と言えるだろう。
俺は未だに激しく鳴る胸を押さえながら、倒れた木を見つめた。
手を離れた石は風を切り、青空の彼方へと飛んで――いくようなことはなく、ドスンと数歩先へと落下した。
「まあ、そうなるよな」
予想通りであり、また期待外れな結果に俺は肩を落とした。
夢の中で冒険者として受けた、廃材運搬の依頼。
【夢双】によって無敵の力を得た俺は、ゾルグに倣い、天へとそびえる外壁を越すように廃材を投げて依頼をこなした。
あのような芸当ができるのは、もはや化け物の領域だろう。
それを自分がやっているという事実が、気分を高揚させた。
目を覚ましたあともその興奮が収まることはなく、こうして石を投げてみたわけだが、所詮は夢での出来事らしい。
相変わらず現実の俺はただの農民で、お伽噺のような怪力など持ち合わせていなかった。
わかっていたことだが、言葉通り夢から覚めた気分だ。
「ラザック、なにやってるの?」
俺の奇行が気になるのだろう。
ミーナが背中で手を組みながら話しかけてきた。
「天恵の検証だよ」
「ラザックの天恵って、【夢双】だっけ?
夢の中で強くなれるって言ってたけど」
「昨日夢の中で材木や瓦礫なんかを、でっかい壁の向こうに投げたんだよ。
もしかしたら、現実でもできるかもって思ったんだけど、やっぱり無理だわ」
「あはは、それは残念だったわね。
にしても、ラザックの【夢双】って不思議な天恵よね。
夢の中って、もちろん思い通りにいかないこともあるけど、反対に空を飛ぶ夢だって見たりするじゃない?
わざわざ天恵の力を使ってできることにしては、使用者に恩恵が少なすぎる気がするわ」
ミーナの言う通り、【夢双】でどれほど強くなろうとも、現実に一切の影響があるわけでもない。
天恵によって与えられる能力は様々であり、その効力にも当然ながら個人差がある。
中には役に立たない天恵もあるだろう。
だがそれにしても、だ。
【夢双】には精々夢見が悪くなりにくい、程度の効果しかない。
「毎日寝るわけだし、悪い夢を見にくくなると思えば、多少は恩恵があるといえないこともないのかなあ……」
【夢双】を擁護するように呟く。
そうしないと、先日まで天恵拝受の儀を楽しみにしていた自分が報われない。
「俺に比べて、ミーナの天恵はシンプルに凄いよな。
わかりやすく役に立つっていうか」
「確かにそうかもしれないわね」
そう言うと、ミーナは両手を重ねるようにして、掌で器を作った。
すると掌から水が湧き出してきたではないか。
「【湧水】だっけ?
自由に水を生み出せるなんて、生物として最強だよな。
飲み水に困らないわけだし」
「井戸水を汲んで飲む生活に慣れちゃってるから、普段のどが渇いても自分で水を作って飲もうっていう発想があまり浮かばないんだけどね。
何かあったときに便利なのは間違いないわ」
「ミーナが作った水って美味しいのか?」
「飲んでみる?」
俺が手で器を作ると、ミーナがそこに水を注いでくれた。
ひんやりとしたそれを、俺は一気に飲み干す。
「ぷはーっ! かなり美味いな、これ」
「そう? なら今度料理にも使ってみようかしら」
「俺にも食わせてくれよ」
「わかってるわ」
ミーナの作る料理は美味い。
小さい頃から母親の手伝いをしてきた経験は、伊達ではないということだろう。
想像しただけで腹が鳴りそうだ。
「ミーナは【湧水】について、どれくらい知ってるんだ?」
俺はふと、昨夜ゾルグと話したことを思い出した。
自分の天恵が、意図せず周囲の人々に被害を与えるかもしれない。
大抵の天恵は使用に際する制約上、あるいは効力的に誰かを害するようなことはないという。
ミーナの【湧水】も、俺が見た限りでは無意識に誰かを害する可能性のある天恵ではないだろう。
それでも万が一ということもある。
ミーナには誰かを傷つけて、辛い思いなんてしてほしくない。
「どれくらいっていうと……、水を出せることくらい?」
チョロチョロと掌から水を出すミーナ。
「例えば、もっと大量の水を出すことはできるのか?」
「うーん、たぶんできる気がする」
ミーナが掌を正面に向ける。
すると、先ほどまで弱かった水流がその径を増し、放物線の距離を伸ばすように噴出した。
「その水で、あの木を折ったりは?」
俺は少し離れた所に立つ、一本の木を指差した。
「えー、やってみるけど、さすがにそれは無理よ」
ミーナが手の向きを変え、木の幹へ水流を当てる。
バシャバシャと激しい水流が木を打つ音が響くが、それだけだ。
幹が折れるような気配はない。
「もっと威力を上げることは?」
「練習すればできるかもしれないけど、今は無理。これが最大ね」
「なら、水の量を減らしたら、勢いを強くできないか?
水流を糸みたいに細くするイメージで」
「……こうかしら」
太かった水流が次第に細くなっていく。
ミーナの表情が少し厳しいのは、それだけ操作に神経を集中させているということなのだろう。
バシャバシャと音を立てていた水流は、その径が細くなるにつれてより強く叩きつけるような音に変わっていく。
幹に当たった水が細かい飛沫となって散る。
(明らかに強くなってるよな……)
響く水音は明らかに高くなっている。
水流も初めは弧を描いていたが、今では完全に直線だ。
未だに細くなっている。
これは、もしかするかもしれない。
俺は唾をのみながらその様子を見守った。
そして、その時が来た。
やがて糸のように細くなった水流は、針を刺すように、太い幹を貫いた。
「えっ?」
まさか木を貫くとは思っていなかったのだろう。
目の前の光景に動揺したミーナの手が揺れる。
その揺れに合わせ、放たれていた水流も横に払われた。
幹を貫いていた水流は、まるで粘土のように容易く木を断ち切った。
しばしの静寂。
そして、時を思い出したかのように、分断された木が地鳴りを響かせながら倒れた。
「「……」」
もしかしたら、という程度の試みだった。
だが、まさか木を貫くどころか切り倒してしまうとは。
ミーナへと視線を向けると、目を見開いた彼女と目が合う。
「……もしかして、私の授かった天恵って危険?」
「……危険かどうかは使い方次第だと思う。
水を飲んだりできるのが便利なのは確かだし。
でも、何ができるかはいろいろ試していった方がいいかも」
「そうね、そうするわ」
もし何も知らないミーナが、意図せずこの力を誰かに使ってしまっていたら。
そう考えると、今ここで【湧水】の力の一端を確認できたことは僥倖と言えるだろう。
俺は未だに激しく鳴る胸を押さえながら、倒れた木を見つめた。
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