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11.快楽の頂
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どうして大臣がそのようなことをしたのかはわからない。
だが、それは私に止めを刺すには十分だった。
不意に伸ばされた大臣の手。
その指が、未だに硬く屹立していた剥き出しの陰核をピンッと弾いたのだ。
「あっ……」
初め、私は何が起こったのかわからなかった。
気がついたら腰が浮いていたのだ。
それから少し遅れて、陰核を指で弾かれたことを悟った。
それにより、快楽の頂に達してしまったということも。
「はあああぅぁあんあぁぁ――――!!」
頭の中で何かが弾けた。
思考は白く塗りつぶされ、なにも考えられなくなる。
腹筋がひきつっている。
子袋が収縮しているのがわかる。
股ぐらからは、尿ではない液体が噴水のように噴き出し、正面に立っていた大臣の服を汚していった。
ガクッ、ガクッと痙攣する腰に合わせ台が揺れる。
これまで自慰で達したことは何度もある。
だが、これ程深い快楽は味わったことがなかった。
気持ち良さと共に、怖いという感情が沸き上がる。
おかしくなってしまう。
そんな不安が胸を渦巻く。
しかし、それすら圧倒的な快楽に押し流され、そして私の意識はそこで途絶えた。
◇
「……様、ルナール様!」
誰かの呼ぶ声がする。
私はゆっくりと眠りの底から意識を浮上させた。
「お休みのところ申し訳ございません。
ですが、そろそろ儀式のお時間になりますので」
(儀式……?)
ぼんやりとした意識は、ようやく今自分がどこにいるか思い出した。
視線を下げると、そこには私の裸体があった。
どうやら絶頂したあと、そのまま気を失ってしまったらしい。
情けなく痴態をさらしたまま、皆の前で寝こけていたのだ。
気を失って忘れていた羞恥が再び沸き上がってくる。
「ルナール様、よろしいですか?」
「ええ」
私は台から下りると、差し出された大臣の手をとった。
そして、大部屋へと続く扉に向き合う。
この扉の向こうで花嫁引渡しの儀を終え、国境を越えた瞬間、私はレーヴル王国の者ではなくなる。
どのような未来が待っているかはわからない。
だが、民が笑って生きていける世界。
私が本当の意味で平和の象徴となれる世界になるよう心の中で祈る。
従者によって開けられた扉。
私はその先に足を踏み出した。
だが、それは私に止めを刺すには十分だった。
不意に伸ばされた大臣の手。
その指が、未だに硬く屹立していた剥き出しの陰核をピンッと弾いたのだ。
「あっ……」
初め、私は何が起こったのかわからなかった。
気がついたら腰が浮いていたのだ。
それから少し遅れて、陰核を指で弾かれたことを悟った。
それにより、快楽の頂に達してしまったということも。
「はあああぅぁあんあぁぁ――――!!」
頭の中で何かが弾けた。
思考は白く塗りつぶされ、なにも考えられなくなる。
腹筋がひきつっている。
子袋が収縮しているのがわかる。
股ぐらからは、尿ではない液体が噴水のように噴き出し、正面に立っていた大臣の服を汚していった。
ガクッ、ガクッと痙攣する腰に合わせ台が揺れる。
これまで自慰で達したことは何度もある。
だが、これ程深い快楽は味わったことがなかった。
気持ち良さと共に、怖いという感情が沸き上がる。
おかしくなってしまう。
そんな不安が胸を渦巻く。
しかし、それすら圧倒的な快楽に押し流され、そして私の意識はそこで途絶えた。
◇
「……様、ルナール様!」
誰かの呼ぶ声がする。
私はゆっくりと眠りの底から意識を浮上させた。
「お休みのところ申し訳ございません。
ですが、そろそろ儀式のお時間になりますので」
(儀式……?)
ぼんやりとした意識は、ようやく今自分がどこにいるか思い出した。
視線を下げると、そこには私の裸体があった。
どうやら絶頂したあと、そのまま気を失ってしまったらしい。
情けなく痴態をさらしたまま、皆の前で寝こけていたのだ。
気を失って忘れていた羞恥が再び沸き上がってくる。
「ルナール様、よろしいですか?」
「ええ」
私は台から下りると、差し出された大臣の手をとった。
そして、大部屋へと続く扉に向き合う。
この扉の向こうで花嫁引渡しの儀を終え、国境を越えた瞬間、私はレーヴル王国の者ではなくなる。
どのような未来が待っているかはわからない。
だが、民が笑って生きていける世界。
私が本当の意味で平和の象徴となれる世界になるよう心の中で祈る。
従者によって開けられた扉。
私はその先に足を踏み出した。
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