【R18】女帝陥落～学園最強の女帝は決闘に敗れて隷属させられる～

３．決闘の噂

　それはいつもと変わらぬある日のことだった。
　学園中に一つの噂が流れた。
　どうやらエクレールに決闘を申し込んだ一年がいるらしい。

　このところエクレールに決闘を申し込んだ者は激減し、三年になってからは皆無だったはずだ。
　そんな中、久々に現れた挑戦者。
　それも一年だという。
　興味を引かれるには十分だった。

　しかし、噂が広まったのはそれだけが理由ではない。
　皆がより注目したもの。
　それは勝者が敗者に与える命令の内容だ。
　なんと勝者は敗者に一日隷属するという、あまりに過激な内容だったのである。

　基本的に決闘によって与えられる命令が、過激なものになることは少ない。
　あまりに過激な内容だと、受け手側が決闘を受けいれないからだ。
　そもそも決闘において、受け手側には順位が下がるかもしれないというデメリットがある。
　そんな中で、勝者に与えられる命令権にメリットよりもデメリットの方が大きいと判断されたら、決闘自体が成り立たなくなってしまう。
　だからこそ、過激な内容が提示されることはないのだが。

　しかし、挑戦者だという一年は、一日隷属するなどという、相手の尊厳を踏みにじるような内容を提示した。
　普通ならこんな条件の決闘など受け入れるはずはない。
　だが、エクレールはその決闘を受け入れたのだ。

　それは絶対強者故の自信か。
　それとも、久しぶりの決闘に浮かれているのか。
　一般生徒にすぎない俺では、エクレールの真意をうかがい知ることはできない。

　絶対強者の久しぶりの決闘。
　それも前代未聞の命令内容。
　それだけで、見学しようと思うには十分だった。