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1.リズエラお嬢様
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「オルガ!何ですの、このお茶は!
こんな不味いもの、よく私に飲ませようと思いましたわね!」
「申し訳ござません、リズエラお嬢様」
俺は雇い主の娘に、ただ頭を下げた。
リズエラ・オーネスト。
他国との盛んな交易で有名な、オーネスト伯爵家の令嬢だ。
艶やかで、ウェーブのかかった黄金の髪。
吊目がちなエメラルドの瞳。
スッと筋の通った鼻。
肉厚で瑞々しい唇。
肉体にはメリハリがあり、男の目を引き付けてやまない豊かな双丘と、肉付きのよい臀部が華美なドレスを押し上げている。
「ボサッとしていないで、早く新しいものを用意してきなさい!」
「はい、ただいま」
俺は改めて頭を下げると、駄目出しされたお茶の乗っているカートを押して、リズエラの部屋を出た。
「オルガさん、今日も大変ですね」
ちょうど廊下を通りかかった同僚のメイドが、同情の瞳を向けてくる。
「お疲れ様です。まあ、いつものことですから」
俺は苦笑した。
リズエラが俺の行動に難癖つけて文句を言ってくるのは、それこそ日常茶飯事と言っても過言ではないだろう。
むしろ、なにも言われないことの方が珍しい。
「リズエラお嬢様も、どうしてオルガさんにだけあんなに強くあたるんでしょうね?
いくらオルガさんが優しいからって、あの振る舞いはあんまりです」
「お屋敷のなかでそんなこと言っちゃ駄目ですよ。
今のは聞かなかったことにしますから。ほら、仕事に戻りましょう」
俺はメイドに会釈をすると、新しくお茶を淹れるために厨房へと向かった。
メイドの疑問ももっともだろう。
リズエラは使用人のなかでも、執事の俺にだけ厳しい態度をとる。
回りから見たら、俺だけ虐げられているように見えるだろう。
だが、俺は今の仕事環境に文句はない。
あまり無茶な難癖をつけられるとイラッとすることもあるが、それもまた俺とリズエラの関係に良いアクセントとして働いてくれる。
俺だけが知っている本当のリズエラ。
きっとリズエラの本性を皆が見たら腰を抜かすことだろう。
気の強いリズエラが俺だけに見せる、救いようのないほど淫らでマゾな姿を。
こんな不味いもの、よく私に飲ませようと思いましたわね!」
「申し訳ござません、リズエラお嬢様」
俺は雇い主の娘に、ただ頭を下げた。
リズエラ・オーネスト。
他国との盛んな交易で有名な、オーネスト伯爵家の令嬢だ。
艶やかで、ウェーブのかかった黄金の髪。
吊目がちなエメラルドの瞳。
スッと筋の通った鼻。
肉厚で瑞々しい唇。
肉体にはメリハリがあり、男の目を引き付けてやまない豊かな双丘と、肉付きのよい臀部が華美なドレスを押し上げている。
「ボサッとしていないで、早く新しいものを用意してきなさい!」
「はい、ただいま」
俺は改めて頭を下げると、駄目出しされたお茶の乗っているカートを押して、リズエラの部屋を出た。
「オルガさん、今日も大変ですね」
ちょうど廊下を通りかかった同僚のメイドが、同情の瞳を向けてくる。
「お疲れ様です。まあ、いつものことですから」
俺は苦笑した。
リズエラが俺の行動に難癖つけて文句を言ってくるのは、それこそ日常茶飯事と言っても過言ではないだろう。
むしろ、なにも言われないことの方が珍しい。
「リズエラお嬢様も、どうしてオルガさんにだけあんなに強くあたるんでしょうね?
いくらオルガさんが優しいからって、あの振る舞いはあんまりです」
「お屋敷のなかでそんなこと言っちゃ駄目ですよ。
今のは聞かなかったことにしますから。ほら、仕事に戻りましょう」
俺はメイドに会釈をすると、新しくお茶を淹れるために厨房へと向かった。
メイドの疑問ももっともだろう。
リズエラは使用人のなかでも、執事の俺にだけ厳しい態度をとる。
回りから見たら、俺だけ虐げられているように見えるだろう。
だが、俺は今の仕事環境に文句はない。
あまり無茶な難癖をつけられるとイラッとすることもあるが、それもまた俺とリズエラの関係に良いアクセントとして働いてくれる。
俺だけが知っている本当のリズエラ。
きっとリズエラの本性を皆が見たら腰を抜かすことだろう。
気の強いリズエラが俺だけに見せる、救いようのないほど淫らでマゾな姿を。
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