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青く光る ※
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もう先生を知らない自分には戻れない――7年前の運動会の日、先生を初めて見た時から始まったんだ。
ひときわ高い背丈に、彫りの深い引き締まった横顔。
笑った時にだけ見える歯の白さが、脳裏に鮮やかに刻まれて。
彼に触れたいとひたすら願った。
これが恋だと、まぎれもない恋だと、誰にも教わっていないのに心が叫んでいた。
とめどなく噴き上げてくる自分の欲望に、戸惑い、呆れ、それでも諦めきれずに焦がれつづけて、何度もみずからの指で貪った場所。
いまそこに、本当に先生がいて。
そんな想い、先生は知るはずもなく。
想像するだけで頭がおかしくなりそう。
「……ニコ、平気?」
ニコは赤らめた頬と口元をとっさに抑えた。
「ごめんなさい、ぼーっとして」
「謝らなくていいって」
「でもやめないで」
「ニコの中、あったかくて好きだな」
「も、せんせいっ」
「だから僕は君の先生じゃないって。こんなやらしいことしてて、先生なんて呼ばれると苦しくなる」
うつ伏せのまま先生の息が耳元にかかってきて、それだけで背中がゾクゾクと震える。
「名前で呼んでもいいの」
「僕の名前、覚えてる?」
「当たり前じゃないですか。先生のことなら……なんでも」
あらためて口に出すのは気恥ずかしい。
先生に仰向けになってもいいかと尋ねると、いいけど脚広げなよと、カエルみたいなあられもない体勢に組み伏せられた。ニコは羞恥心をはねのけ、先生の首筋に両腕をまわしてぐいっと抱き寄せる。
先生の肌はうなじにかけてぐっしょりと濡れていた。そこはやわらかな湿った、誰も知らない秘密の場所みたいで。後ろ髪の隙間へ櫛のように指を差し入れかきまぜると、汗が手のひらを伝って胸へと落ちた。
「ニコ、そこだめ……」
あんなに余裕そうに見えたのに、だんだん苦しげに浅くなっていく彼の呼吸。息をするたびに波打つ先生の胸に手を当て、その熱い鼓動にふれた。
もっと知りたい、叫ばせたい、気持ちよくなってほしい。いろんな感情がないまぜになって、ひとつのところにすとんと落ちた。
「暁人さん、でしょ?」
「……もう一度」
「暁人さん」
「うん」
「好きです、暁人さんっ」
「……ん」
顔をあげた先生はもう先生じゃなかった。
「光、大好きだよ」
首筋にも胸元にも何度も吸い付き、噛み付いては痕を残し、舌先で愛され、やさしくて滑らかだった指先はべつの生き物みたいに激しく全身をなでまわした。
「やさしくするから、いい?」
「いやだ」
「どうして?」
「やさしくなんてしないで、思い通りにして。暁人さんが……ぜんぶ欲しい」
ニコは懇願するように声を押し出した。
目の前の彼は小さく笑いながらうなずいた。
ちょっとだけ待っててと目の前の彼はサイドテーブルへと手を伸ばす。
……指とは違うって分かっていたけど、ほんとうに想像以上に彼のは存在感が大きくて。気づけばひどく唇を噛んで顔をゆがめていた。気遣う言葉を何度もかけてくれたけど、何があっても受け止めたくて。
お願い、続けて、もっと、とねだり続けた。
彼は深く息を吐きながら腰を沈め、味わうように熱い杭を押し込んでいく。
「やぁ、ん……ん、んぁっ」
ニコは彼の背中に必死に脚を絡ませ、感じたまま素直に喘いだ。そのいじらしさに彼はニコの腿に何度もキスを落とす。
重ねられた腰と腰との境界が消え、ありとあらゆる体の隙間がすべてひとつになってしまうかと思うほど、ふたりは強く体を合わせた。
気づけば頬が濡れていた。
それが耐えきれない痛みから来るのか、待ち望んでいたものが叶った嬉しさから来るのか、もう自分でもよく分からない。
はぁっと互いに息を継ぎながら苦しげにささやく。
「もう少しこのままでいい?」
「好きに……して」
ん、と彼は短く返事をしたあとに、ニコの唇に吸い付いた。涙の跡を舐めとってくれる唇が愛おしかった。何もかも初めてのはずなのに、彼との口づけは甘く懐かしくて、気が遠くなるくらい切なかった。
つながったまま強く抱き合い、深い口づけを繰り返すうちに、自然に体が揺り動かされていく。
「ニコの……気持ちよすぎ……」
ぎゅっと押し潰されそうな圧迫を感じる。同時にそそり立つ前も熱くなっていき、あっという間につけ根のあたりに吐精感が走る。
「あ、あっ、やっ、おかしくなるっ」
ニコの身体の深部をうごめきながら、彼はぐちゅぐちゅと音を立てて奥を攻めていく。疼くような電流が全身を貫いていった。
あなたのすべてを知りたいんだ。
幾度となく繰り返される波打つような律動に腰を合わせるたびに、愛する人の柔らかな心の奥底へ近づける気がして。
「あぁっ……」
彼が抑えた声を放ったとき、身体の奥でなにかが弾け、爛れるような熱さに溺れていった。
ひときわ高い背丈に、彫りの深い引き締まった横顔。
笑った時にだけ見える歯の白さが、脳裏に鮮やかに刻まれて。
彼に触れたいとひたすら願った。
これが恋だと、まぎれもない恋だと、誰にも教わっていないのに心が叫んでいた。
とめどなく噴き上げてくる自分の欲望に、戸惑い、呆れ、それでも諦めきれずに焦がれつづけて、何度もみずからの指で貪った場所。
いまそこに、本当に先生がいて。
そんな想い、先生は知るはずもなく。
想像するだけで頭がおかしくなりそう。
「……ニコ、平気?」
ニコは赤らめた頬と口元をとっさに抑えた。
「ごめんなさい、ぼーっとして」
「謝らなくていいって」
「でもやめないで」
「ニコの中、あったかくて好きだな」
「も、せんせいっ」
「だから僕は君の先生じゃないって。こんなやらしいことしてて、先生なんて呼ばれると苦しくなる」
うつ伏せのまま先生の息が耳元にかかってきて、それだけで背中がゾクゾクと震える。
「名前で呼んでもいいの」
「僕の名前、覚えてる?」
「当たり前じゃないですか。先生のことなら……なんでも」
あらためて口に出すのは気恥ずかしい。
先生に仰向けになってもいいかと尋ねると、いいけど脚広げなよと、カエルみたいなあられもない体勢に組み伏せられた。ニコは羞恥心をはねのけ、先生の首筋に両腕をまわしてぐいっと抱き寄せる。
先生の肌はうなじにかけてぐっしょりと濡れていた。そこはやわらかな湿った、誰も知らない秘密の場所みたいで。後ろ髪の隙間へ櫛のように指を差し入れかきまぜると、汗が手のひらを伝って胸へと落ちた。
「ニコ、そこだめ……」
あんなに余裕そうに見えたのに、だんだん苦しげに浅くなっていく彼の呼吸。息をするたびに波打つ先生の胸に手を当て、その熱い鼓動にふれた。
もっと知りたい、叫ばせたい、気持ちよくなってほしい。いろんな感情がないまぜになって、ひとつのところにすとんと落ちた。
「暁人さん、でしょ?」
「……もう一度」
「暁人さん」
「うん」
「好きです、暁人さんっ」
「……ん」
顔をあげた先生はもう先生じゃなかった。
「光、大好きだよ」
首筋にも胸元にも何度も吸い付き、噛み付いては痕を残し、舌先で愛され、やさしくて滑らかだった指先はべつの生き物みたいに激しく全身をなでまわした。
「やさしくするから、いい?」
「いやだ」
「どうして?」
「やさしくなんてしないで、思い通りにして。暁人さんが……ぜんぶ欲しい」
ニコは懇願するように声を押し出した。
目の前の彼は小さく笑いながらうなずいた。
ちょっとだけ待っててと目の前の彼はサイドテーブルへと手を伸ばす。
……指とは違うって分かっていたけど、ほんとうに想像以上に彼のは存在感が大きくて。気づけばひどく唇を噛んで顔をゆがめていた。気遣う言葉を何度もかけてくれたけど、何があっても受け止めたくて。
お願い、続けて、もっと、とねだり続けた。
彼は深く息を吐きながら腰を沈め、味わうように熱い杭を押し込んでいく。
「やぁ、ん……ん、んぁっ」
ニコは彼の背中に必死に脚を絡ませ、感じたまま素直に喘いだ。そのいじらしさに彼はニコの腿に何度もキスを落とす。
重ねられた腰と腰との境界が消え、ありとあらゆる体の隙間がすべてひとつになってしまうかと思うほど、ふたりは強く体を合わせた。
気づけば頬が濡れていた。
それが耐えきれない痛みから来るのか、待ち望んでいたものが叶った嬉しさから来るのか、もう自分でもよく分からない。
はぁっと互いに息を継ぎながら苦しげにささやく。
「もう少しこのままでいい?」
「好きに……して」
ん、と彼は短く返事をしたあとに、ニコの唇に吸い付いた。涙の跡を舐めとってくれる唇が愛おしかった。何もかも初めてのはずなのに、彼との口づけは甘く懐かしくて、気が遠くなるくらい切なかった。
つながったまま強く抱き合い、深い口づけを繰り返すうちに、自然に体が揺り動かされていく。
「ニコの……気持ちよすぎ……」
ぎゅっと押し潰されそうな圧迫を感じる。同時にそそり立つ前も熱くなっていき、あっという間につけ根のあたりに吐精感が走る。
「あ、あっ、やっ、おかしくなるっ」
ニコの身体の深部をうごめきながら、彼はぐちゅぐちゅと音を立てて奥を攻めていく。疼くような電流が全身を貫いていった。
あなたのすべてを知りたいんだ。
幾度となく繰り返される波打つような律動に腰を合わせるたびに、愛する人の柔らかな心の奥底へ近づける気がして。
「あぁっ……」
彼が抑えた声を放ったとき、身体の奥でなにかが弾け、爛れるような熱さに溺れていった。
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