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青く光る ※
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「……ニコのこと、もっと教えて」
いつもはチョークを支えている中指をしなわせ、ニコのTシャツの裾からつっと脇腹へと滑り込ませた。
「どこをさわられるのが好き?」
「わかんない……です」
誰にもふれられたことなんてない、あなたが初めてです。なんて答えたら興ざめされてしまうだろうか。「知ってる」って一笑に付されてしまうだろうか。
「ひとりでする時はどうしてるの?」
「そんなこと……言えません。恥ずかしくて」
「してるんだ、僕をオカズにしたことある?」
「先生っ!」
「内緒なの? いいよ身体に聞くから」
すらりと伸びた指先が、ニコの立体的な筋肉の溝を軽やかに伝う。先生から与えられる刺激が、身体の細胞ひとつひとつを舐めるように広がっていった。
「固いんだね、ニコのお腹」
「……庭仕事で鍛えられましたから」
何もかも知り尽くしたような先生の指先に、ニコの無垢な皮膚が抵抗できるはずもなく。指先はくぼんだ臍へとはまり込んだ。
「んっ……」
驚きで息が止まり、一瞬だけ緊張した筋肉に弾かれる。
「もっと、力抜いていいよ」
「だって……」
「ニコの嫌なことはなんにもしないから」
「先生にされて嫌なことなんて……」
「ない? いい子だね」
指先は臍の下にある平原に辿り着き、二本の指でゆったりと大きな楕円を描く。近づいては遠ざかる煽られるような動きに、すぐ下の場所がかぁっと熱く火照ってくる。
つづけて甘い感触は胸元へとのぼっていった。初々しくふくらんだ蕾の縁を、先生に借りたTシャツの上からなぞるように左右に動かされ、堪えきれずにあっと吐息が漏れる。
「ここはすごく柔らかいね」
「や、だめ、先生くすぐったいっ」
「嫌ならやめるよ、いいの?」
ニコは素直に頭を振った。
「やめ、ないで……先生の指じんじんする」
花芯を摘み取るようなしぐさに震えているうちに、耳たぶに先生の唇が触れた。
「ニコに初めてふれるんだ、急ぐのはもったいなくて。少しずつ少しずつ近づきたい」
幼子を諭すような慈愛に満ちた声が心地いい。
「ニコ……大好きだよ」
先生の言葉がやわらかに肌の上を撫でていって、心も身体もとろけてしまいそうになる。
ちゅっと口づけを交わしてから、シャツを鎖骨までめくり上げられる。ぷっくりと固くなった突起に唇を寄せ、つづけて肉厚な舌先が触れた。ぬるりとした刺激にびくっとニコの腰が跳ねあがる。
「やぁっ……」
「ごめん、まだ早かったね」
「や、やめないで、先生」
「もうちょっと後にとっておくよ」
シャツを下ろして謝る先生がもどかしい。ぐずりと込み上げる下腹部の熱がもう行き場をなくして暴発してしまいそう。ニコは膝同士を必死に擦り寄せた。
「素直だねニコは。ほら、もう反応してる」
「やっ、見ないで……」
もう薄いスウェット越しからでも分かってしまうほど、そこははっきりと盛り上がっている。目ざとい先生を前にして、ごまかせるはずもなく。
先生ははにかんだ微笑を浮かべたまま肌を滑らせるようにして、ニコの腰骨にあるスウェットズボンを両手で掴んだ。
「だめ、先生……待って」
「恥ずかしい?」
「めちゃくちゃ恥ずかしいです」
「なら、僕が先に脱ごうか?」
「よけい恥ずかしいからダメです!」
「じゃあ、目でもつむってればいい」
言われた通り素直にニコはぎゅっと目をつぶった。先生は躊躇なくズボンを足首の先まで剥がしていく。するすると自らの細い足が露わになっていく有り様が、まぶたの裏に浮かぶ。
これから何をするのか頭では分かっているはずだった。
何度か読んだ母の漫画の中では、服を脱いで余裕もなく貪るように互いを求め合っていた。世の中のセックスって、そういうどうしようもない獣みたいな本能にまかせてするものかと思っていた。
なのに先生は違う。なんか調子が狂ってしまう。
夜露に濡れて光る、蜘蛛の巣みたいだ。
自分はその巣に引っかかったミツバチで。
巣の主である大きな女郎蜘蛛がのんびりとやってきて、かかった獲物をおしりからゆっくりとかじって味わっていく。
先生はおもしろがってるんだ。
自分の反応を見て楽しんでる。
でもそれは禁断の魅力に溢れ、耐え難いほどの快楽で。たとえ食べられてしまうとしても、もう逃げ出そうなんてこと考える暇もない。
先生は仰向けに寝そべるニコの足首を、くっと掴んで膝を立たせた。
「ねぇ、この白いところ誰かにさわられたことある?」
「んっ……ない、です」
太もものつけ根を揉みほぐすように、熱のこもった手のひらで入念に撫でられる。ただそれだけなのに快感が細い火花のように体を貫いていった。
「ここもすごく、柔らかい」
汗ばんだボクサーパンツの裾際に爪の先が潜ってきても、一番敏感なところまでは攻め込まない。
「んぁっ……」
焦らされていると分かっていた。いっそさわってくれればと願うけど口にはできない。苦しげに呼吸は乱れ、抗えない衝動にびくびくと何度も腰を浮かせた。
いつもはチョークを支えている中指をしなわせ、ニコのTシャツの裾からつっと脇腹へと滑り込ませた。
「どこをさわられるのが好き?」
「わかんない……です」
誰にもふれられたことなんてない、あなたが初めてです。なんて答えたら興ざめされてしまうだろうか。「知ってる」って一笑に付されてしまうだろうか。
「ひとりでする時はどうしてるの?」
「そんなこと……言えません。恥ずかしくて」
「してるんだ、僕をオカズにしたことある?」
「先生っ!」
「内緒なの? いいよ身体に聞くから」
すらりと伸びた指先が、ニコの立体的な筋肉の溝を軽やかに伝う。先生から与えられる刺激が、身体の細胞ひとつひとつを舐めるように広がっていった。
「固いんだね、ニコのお腹」
「……庭仕事で鍛えられましたから」
何もかも知り尽くしたような先生の指先に、ニコの無垢な皮膚が抵抗できるはずもなく。指先はくぼんだ臍へとはまり込んだ。
「んっ……」
驚きで息が止まり、一瞬だけ緊張した筋肉に弾かれる。
「もっと、力抜いていいよ」
「だって……」
「ニコの嫌なことはなんにもしないから」
「先生にされて嫌なことなんて……」
「ない? いい子だね」
指先は臍の下にある平原に辿り着き、二本の指でゆったりと大きな楕円を描く。近づいては遠ざかる煽られるような動きに、すぐ下の場所がかぁっと熱く火照ってくる。
つづけて甘い感触は胸元へとのぼっていった。初々しくふくらんだ蕾の縁を、先生に借りたTシャツの上からなぞるように左右に動かされ、堪えきれずにあっと吐息が漏れる。
「ここはすごく柔らかいね」
「や、だめ、先生くすぐったいっ」
「嫌ならやめるよ、いいの?」
ニコは素直に頭を振った。
「やめ、ないで……先生の指じんじんする」
花芯を摘み取るようなしぐさに震えているうちに、耳たぶに先生の唇が触れた。
「ニコに初めてふれるんだ、急ぐのはもったいなくて。少しずつ少しずつ近づきたい」
幼子を諭すような慈愛に満ちた声が心地いい。
「ニコ……大好きだよ」
先生の言葉がやわらかに肌の上を撫でていって、心も身体もとろけてしまいそうになる。
ちゅっと口づけを交わしてから、シャツを鎖骨までめくり上げられる。ぷっくりと固くなった突起に唇を寄せ、つづけて肉厚な舌先が触れた。ぬるりとした刺激にびくっとニコの腰が跳ねあがる。
「やぁっ……」
「ごめん、まだ早かったね」
「や、やめないで、先生」
「もうちょっと後にとっておくよ」
シャツを下ろして謝る先生がもどかしい。ぐずりと込み上げる下腹部の熱がもう行き場をなくして暴発してしまいそう。ニコは膝同士を必死に擦り寄せた。
「素直だねニコは。ほら、もう反応してる」
「やっ、見ないで……」
もう薄いスウェット越しからでも分かってしまうほど、そこははっきりと盛り上がっている。目ざとい先生を前にして、ごまかせるはずもなく。
先生ははにかんだ微笑を浮かべたまま肌を滑らせるようにして、ニコの腰骨にあるスウェットズボンを両手で掴んだ。
「だめ、先生……待って」
「恥ずかしい?」
「めちゃくちゃ恥ずかしいです」
「なら、僕が先に脱ごうか?」
「よけい恥ずかしいからダメです!」
「じゃあ、目でもつむってればいい」
言われた通り素直にニコはぎゅっと目をつぶった。先生は躊躇なくズボンを足首の先まで剥がしていく。するすると自らの細い足が露わになっていく有り様が、まぶたの裏に浮かぶ。
これから何をするのか頭では分かっているはずだった。
何度か読んだ母の漫画の中では、服を脱いで余裕もなく貪るように互いを求め合っていた。世の中のセックスって、そういうどうしようもない獣みたいな本能にまかせてするものかと思っていた。
なのに先生は違う。なんか調子が狂ってしまう。
夜露に濡れて光る、蜘蛛の巣みたいだ。
自分はその巣に引っかかったミツバチで。
巣の主である大きな女郎蜘蛛がのんびりとやってきて、かかった獲物をおしりからゆっくりとかじって味わっていく。
先生はおもしろがってるんだ。
自分の反応を見て楽しんでる。
でもそれは禁断の魅力に溢れ、耐え難いほどの快楽で。たとえ食べられてしまうとしても、もう逃げ出そうなんてこと考える暇もない。
先生は仰向けに寝そべるニコの足首を、くっと掴んで膝を立たせた。
「ねぇ、この白いところ誰かにさわられたことある?」
「んっ……ない、です」
太もものつけ根を揉みほぐすように、熱のこもった手のひらで入念に撫でられる。ただそれだけなのに快感が細い火花のように体を貫いていった。
「ここもすごく、柔らかい」
汗ばんだボクサーパンツの裾際に爪の先が潜ってきても、一番敏感なところまでは攻め込まない。
「んぁっ……」
焦らされていると分かっていた。いっそさわってくれればと願うけど口にはできない。苦しげに呼吸は乱れ、抗えない衝動にびくびくと何度も腰を浮かせた。
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