ヤンデレ男子に溺愛されて逃げられない短編集

星野銀貨

文字の大きさ
上 下
1 / 9

やきもちを妬いたヤンデレお兄ちゃんに、雨の日の学校のトイレでおしおきエッチされるお話。

しおりを挟む
『お兄ちゃんは妹を愛しすぎている』の過去の話。


ーーー

〈登場人物〉

主人公
伊織の年の離れた妹。
兄に対して愛情と葛藤の混じった、複雑な感情を抱いている。

伊織
主人公の兄。
職業作家、ヤンデレ。
高身長で逞しい身体に、端正な顔立ち。
妹に執着し、溺愛している。






 
 その日は、冷たい春の雨が降っていた。
 傘を忘れた私は、学校の玄関先でぼうっと落ちて流れてゆく雨水を眺めていた。
 ぬるい風が頬を撫で、生暖かい空気になぜか劣情を感じ、お腹の奥がぞわりとしてくる。
 
 いつも私を暇さえあれば抱いている兄の伊織は、最近珍しく仕事が修羅場であるとかで部屋に篭もりきり、私に指一本すら触れていない。
 
「ーーお兄、ちゃん」
 
 呟いた声は思ったよりも甘く、少しだけ掠れていた。
 
「あっ、お前も傘無いの?」
 
 不意にかけられた声に、怪訝な目を向ければ、クラスメイトの男子が人懐っこい顔をして笑っていた。
 
「……うん。すごいね、雨」
 
 伊織が言いつけた通り、私は学校で男子と最低限の関わりしか持たないようにしている。
 
「走って帰れるかなー……あっ」
 
「んっ」
 
 骨張った指が髪を撫で、男の匂いが一瞬だけ鼻先に近づいた。
 ーー伊織とは、違う少年らしい指。
 お兄ちゃんとは違う、雄の香り……。
 
「ご、ごめん。ほら、髪になんかついてたから……」
 
 反射的に漏れた私の甘い声に、クラスメイトは照れたような、驚いたような表情で謝罪した。
 
「いいの……。きゃっ」
 
 ゆるく頭《かぶり》を振る私の手首を、不意に大きく無骨な手のひらが掴んだ。
 滴り落ちてくる雨水とは逆に、熱を帯びたそれは、私の頬へと伸びてーー。
 
「おにぃ、ちゃん……」
 
 私の赤い傘をさした伊織が、昏《くら》い目をして立っていた。
 おそらく急な雨に迎えに来てくれたのだろう。
 でも……。
 
「あっ、お兄さん⁉︎ 初めまして~。俺、クラスメイトの……」
 
 場違いに明るい声をあげるクラスメイトを、伊織は大切なものを隠す蛇のように睨め付けてーー。
 
「行くぞ」
 
「お、お兄ちゃん……痛いっ」
 
 伊織が私の手を引いて、ばしゃばしゃと雨溜まりの地面を荒らしていく。
 一応相合傘の体をしている傘も意味を成さず、髪や身体が冷たく濡れてゆく。
 
 ーー迎えに来た意味、無い……。
 
 どこか冷静に考える自分がいて。
 伊織の言動に恐怖と甘い期待を感じる自分もいてーー。
 久しぶりに体感する伊織の力強さに、お腹の奥がじわじわと熱くなる。
 
 私たちは実の兄妹なのに……。
[#改ページ]
「学校で男に近づいたら駄目だって、お兄ちゃん言ったよなぁ?」
 
 連れ込まれたのは古びた旧校舎近くのトイレで、背も高く筋肉質な伊織と二人では、個室が満杯になってしまう。
 
「で、でも……クラスメイトだしっ、さっきのはゴミを取って……ひゃんっ⁉︎」
 
 便器に座らされた私を見下ろすように、伊織が壁に手をついた。
 捕食者のような目。
 でも、それは、どこか甘くてーー……。
 
「悪い子にはおしおきしないとなぁ」
 
「おに、ぃちゃ……おうち、おうち帰ろ? ちゃんとごめんなさいするから……」
 
 甘えて伊織のシャツを掴む私の髪を、伊織の大きな手が愛おしそうに撫でる。
 濡れた髪に温かい手のひらが気持ちいい。
 
「だーめ。お前はこんなに可愛いのに……お兄ちゃん以外の男の前で無防備になるなんて、悪い子だなぁ?」
 
「人が来ちゃ……んぅ♡」
 
 長躯を屈めた伊織が、私に口づけた。
 久しぶりのキスは濃厚で、執拗で。
 伊織の厚く大きな舌は丁寧に私の口内を犯し、ねっとりと歯列を舐めあげ、舌を吸った。
 
 ーー大好きなお兄ちゃんの、味……。
 いつもの煙草の、匂い……。
 
 たまらなくなって私も自ら伊織の首に抱きついて、激しく舌を絡める。
 
 ちゅ、ぺちゃぺちゃ……ちゅぱ……。
 
 雨音に混じって、いやらしい水音がよく響いた。
 湿った空気。
 篭った体温。
 濡れた身体ーー。
 
「ふ、ぁ、きもちぃ……♡」
 
 うっとりとした目で伊織を見つめる。
 雨に濡れた伊織の美しい黒髪は僅かに水を滴らせていて、シャツが逞しい身体に張りついている。
 いやらしい、私のお兄ちゃん……。
 なんて格好良いんだろう……。
 
「最近仕事が忙しくて抱いてやれなかったからな。お前も欲しかっただろぉ?」
 
 片手でブラを外しながら、伊織が私の首筋を舐めあげる。
 
「俺も我慢してたんだぞ」
 
 濡れた制服が露わになった胸に張りついて気持ちが悪い。
 
「制服が透けてエロいなぁ……ほら」
 
 くりゅ♡ くりくりくりっ♡♡
 
「んんっ♡ おにいちゃ、待って……」
 
「勃起乳首に張りついて丸見えだぞぉ……やらしいなぁ?」
 
 伊織が意地悪な笑みを浮かべて、制服の上から乳首を強く扱き、胸を揉む。
 硬い生地が、勃起して敏感になっている乳首に擦れて……快感がビリビリと全身を走る。
 
「ああっ♡ あんっ♡ ちくびコリコリしゅきぃ♡♡」
 
 待ちわびた快楽に、ここが学校であるのも忘れて大きく喘いでしまった。
 
 コリコリ♡ くりゅくりゅくりゅっ♡♡
 
「あん♡ あん♡ ふぁあああぁっ♡♡♡」
 
 気持ちいいのが止まらなくて……おまんこがムズムズする。
 全身がそわそわして、頭がぼうっとして……。
 おまんこから、ぷしゃあああ♡ と潮を吹いて、私はイッてしまった。
 
「お前……まんこも触らないでイッたのかよ。どんだけ淫乱なんだぁ?」
 
「ご、ごめ、なしゃ……」
 
 脱力した身体で荒い息を繰り返す。
 トイレに篭った春雨の生暖かい空気は、気持ち悪いのになんだかいやらしくて……。
 雨と汗で湿ったスカートを脱ぎ落とし、愛液でぐっちょりと濡れたショーツも脱ぎ捨てる。
 私は便器の上で自分の太腿を持って大きく脚を開いた。
 
「お兄ちゃぁん……も、我慢できないのっ‼︎ お兄ちゃんの、おっきぃおちんちん挿入《い》れてぇ……」



ーーー

フルバージョンはリンク先のDLsiteに置いてあります。
フルカラー漫画『お兄ちゃんの正しい愛し方』に同梱収録されています。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~

雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」 夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。 そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。 全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

処理中です...