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【外伝】貴方にとっては誤算でも俺たちにとっては正に僥倖
fyrtioett
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ゲヘリングの殲滅。
それを決めた俺たちは、作戦を練ることにした。奴らは世界各国に散らばる医師たちだ。決まった組織系統で動いているわけではない。それぞれが、お互いの思想を讃え協力し合う同胞たち。だから一斉掃討は難しい。言葉は悪いが野放しだった。あと、もう一つ。高名な医師と言うことが挙げられる。彼らの大半が表向き人の命を救うことを仕事としている。つまり医師でもあり、ゲヘリングでもある奴らは難しい手術や治療を最高の医術や知識、経験でこなす事が出来る限られた人間と言うことだった。奴らの腕を買い、頼る患者やその家族がいる。かつての梨李やその両親、祖父母のように。
奴らを殲滅すると言うことは、そういった助かるかもしれない命を間接的に奪うと言うことになる。
「それがなんだい?たらればを言えばキリがないだろう?」
彪束 氷午は、あっさりと一蹴した。
「確かに助かる命があるかもしれない。でもそれらの生殺与奪を握るのは?人を人とも思わないゲヘリングだろう?実際淼矢夫妻は殺された。梨李は拉致され、実験体として十三年と言う時間を食い潰された。救うか殺すか、奴らがその権利を握ってる。その現状が私は我慢ならないんだよ。」
そう言って微笑んだ。
「奴らがいなくなったら困るって?奴らが産まれる前、患者は死を待つばかりだったとでも?そんな訳がないだろう?必ずいつの時代も頭角を表すものは現れる。」
きっと彪束 氷午と言う男は自分の妻子がゲヘリングに縋るようなことがあっても、迷うことなく殺すだろう。代わりに信頼おける医師を確保して。
いいと思う。結局どんな綺麗事を言ったって、大なり小なり世間とのズレは必ず生じる。そこに責任が持てるなら。人は自分が救いたいものしか救わない。
「ゲヘリングと同じだと謗るものもいるだろう。だから?何とでも言えばいい。」
こうなりたいとは思わないし、なれるとも思わない。ただ人の価値観を否定するほど出来た人間でもない。
俺たちだって、結局自分と護りたいものたちのために動くんだ。
「俺たちの存在を公表する。共感能力保有者が存在するって大々的にな。フォーラムを開いて世界各国のゲヘリングを誘き寄せるぞ。そこで奴らをぶっ潰す。」
それを決めた俺たちは、作戦を練ることにした。奴らは世界各国に散らばる医師たちだ。決まった組織系統で動いているわけではない。それぞれが、お互いの思想を讃え協力し合う同胞たち。だから一斉掃討は難しい。言葉は悪いが野放しだった。あと、もう一つ。高名な医師と言うことが挙げられる。彼らの大半が表向き人の命を救うことを仕事としている。つまり医師でもあり、ゲヘリングでもある奴らは難しい手術や治療を最高の医術や知識、経験でこなす事が出来る限られた人間と言うことだった。奴らの腕を買い、頼る患者やその家族がいる。かつての梨李やその両親、祖父母のように。
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「それがなんだい?たらればを言えばキリがないだろう?」
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「確かに助かる命があるかもしれない。でもそれらの生殺与奪を握るのは?人を人とも思わないゲヘリングだろう?実際淼矢夫妻は殺された。梨李は拉致され、実験体として十三年と言う時間を食い潰された。救うか殺すか、奴らがその権利を握ってる。その現状が私は我慢ならないんだよ。」
そう言って微笑んだ。
「奴らがいなくなったら困るって?奴らが産まれる前、患者は死を待つばかりだったとでも?そんな訳がないだろう?必ずいつの時代も頭角を表すものは現れる。」
きっと彪束 氷午と言う男は自分の妻子がゲヘリングに縋るようなことがあっても、迷うことなく殺すだろう。代わりに信頼おける医師を確保して。
いいと思う。結局どんな綺麗事を言ったって、大なり小なり世間とのズレは必ず生じる。そこに責任が持てるなら。人は自分が救いたいものしか救わない。
「ゲヘリングと同じだと謗るものもいるだろう。だから?何とでも言えばいい。」
こうなりたいとは思わないし、なれるとも思わない。ただ人の価値観を否定するほど出来た人間でもない。
俺たちだって、結局自分と護りたいものたちのために動くんだ。
「俺たちの存在を公表する。共感能力保有者が存在するって大々的にな。フォーラムを開いて世界各国のゲヘリングを誘き寄せるぞ。そこで奴らをぶっ潰す。」
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