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【外伝】貴方にとっては誤算でも俺たちにとっては正に僥倖
tjugo
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ネアリチュアでの定期検診は毎日三時間、それが五日間続く。初日の検診を終えると俺たちは急いでグウェイン家へと戻った。今までは適当に出掛けていたけど、今回はウルちゃんが待っている。篤臣はフィンレーと話しているし、今なら俺たちだけのウルちゃんだ。
そう思って帰って来たら、思わぬ伏兵がいた。クロエさんだ。一緒にティタニアとユリアンもいる。なにより腹が立つのはウルちゃんの両隣に、べったりティタニアとユリアンが張り付いていることだった。正面にはクロエさんがいて四人でティータイムをしていたらしい。
「あ、おかえり。」
ふにゃんと笑うウルちゃんの笑顔に、ときめいているとユリアンが、きゅっとウルちゃんの手を握った。
「ウルさん、マカロンは好きですか?」
「ん?マカロン?んー、あんま食べたことないかも。」
「じゃあ是非食べてみて下さい!ピンクはベリーなんですよ?グリーンはピスタチオです。」
「うーんと。じゃあベリーかなぁ?」
「分かりました!はい、あーん。」
ユリアンが手に取ったピンクのマカロンを伸び上がって口元へと運ぶ。ウルちゃんの小さな口が開いて、ぱくりと食べた。その様子をじぃっと穴が開くほど見つめるユリアン。
「どうですか?」
「んふふ。おいしい。」
へらっと笑ったウルちゃんにユリアンが、でれっと笑う。
国境超えて、たらし込んでる!
「ウルさん!カヌレも!こちらも美味しいのよ!」
負けじとティタニアが袖を引く。両隣から次々に餌付けされ、恥ずかしそうにウルちゃんが笑う。
ちくしょう!篤臣がいないと思ったらこれかよ!しかも座るところないし!
三人で内心地団駄踏んで悔しがっていると、クロエさんが微笑んだ。
「いつもは中々帰ってこないのに。珍しいわね?」
「「「……。」」」
「まぁ分かるわ。鬼の居ぬ間に何とやらってね。」
「「「……。」」」
「小鬼が沸いたみたいだけど。」
ティタニアとユリアンがウルちゃんを取り合う様を、じっとりと見つめる。どこかに割り込む隙はないものかと諦めきれなかった。
そう思って帰って来たら、思わぬ伏兵がいた。クロエさんだ。一緒にティタニアとユリアンもいる。なにより腹が立つのはウルちゃんの両隣に、べったりティタニアとユリアンが張り付いていることだった。正面にはクロエさんがいて四人でティータイムをしていたらしい。
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ふにゃんと笑うウルちゃんの笑顔に、ときめいているとユリアンが、きゅっとウルちゃんの手を握った。
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「ん?マカロン?んー、あんま食べたことないかも。」
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「うーんと。じゃあベリーかなぁ?」
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ユリアンが手に取ったピンクのマカロンを伸び上がって口元へと運ぶ。ウルちゃんの小さな口が開いて、ぱくりと食べた。その様子をじぃっと穴が開くほど見つめるユリアン。
「どうですか?」
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負けじとティタニアが袖を引く。両隣から次々に餌付けされ、恥ずかしそうにウルちゃんが笑う。
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