【完結】R-18 逃がさないから覚悟して

遥瀬 ひな

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【外伝】貴方にとっては誤算でも俺たちにとっては正に僥倖

arton

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 5歳のあの日、俺たちの未来を決定づけるテストをした、おっさんがウルちゃんと一緒にいるのを見て俺たちは呆気に取られた。何でも今回のリージョン行きには、おっさんも同行するのだと言う。

 彪束家が用意したプライベートジェットのタラップ前で親しそうに話す二人に面食らう。おっさんは元々ウルちゃんの専門医で当時伝手を頼ってネアリチュアにいる友人に俺たちのことを密かに頼んでくれたらしい。出張検診までして確認してくれたその友人は、父さんにネアリチュアはグウェイン家からの支援を受けていることを説明し、協力を取り付けた方がいいと助言までしてくれたと言う。

 何だそれ、恩人じゃねぇか。

 おっさんがネアリチュアの友人を選んで頼ってくれた。結果グウェイン家まで繋がって、あの時俺たちの身の安全は保証されたのだ。

「あの時は、ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
「……ありがとうございました。」

 三人で頭を下げると、おっさんが、へらりと笑った。

「いやいや。まさか自分が保有者に会えるとは思わなかったよ、貴重な体験だった。」

 まさに好々爺と言った、おっさん。いやもう、じいさんか。

「三人とも、久しぶりだねぇ?クシュダートはどう?楽しい?」
 ふにゃりと笑ってウルちゃんが見上げてくる。黒く艶やかな、ふわふわの癖っ毛。くりくりした瑠璃色の瞳。相変わらず可愛い。

 答えるより先に、ウルちゃんの細い腰に、ぐるっと腕が巻き付いた。俺たちの天敵、篤臣がウルちゃんを縦抱きにして抱え込む。

「やぁ、久しぶりだね。」

 でやがったな。

 やっぱり、こいつは気に食わない。そろそろ本気でシュラハトけしかけてやろうか。

 三人で睨みつける。ウルちゃんが「こらぁ!」と、いまいち威厳のない声を上げた。

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