【完結】R-18 逃がさないから覚悟して

遥瀬 ひな

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【外伝】貴方にとっては誤算でも俺たちにとっては正に僥倖

tio

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 新しく、カウンセラーがくるとかで授業用端末であるタブレットに、その人物が映し出された。

 茶色の髪は、ぼさぼさで目にかかっていた。髪に隠れて下半分だけ見える眼鏡のレンズは汚れて曇っている。鼻筋は通っているが血色の悪い顔と、同じく色味のない厚ぼったくて小さな唇は不健康そうだった。折れそうな首。だぼんとサイズの合ってない白衣。どこをどう見ても、いっぺん風呂でも入って身嗜み整えてこいと言いたくなる見た目だった。

 別に容姿にうるさい方ではないが、不潔なのは勘弁だ。こんなやつがいる保健室なんて行かないな、と鼻が鳴った。

淼矢 梨李みずや りいです。よろしく。」

 無愛想な挨拶。にこりともしない。なんだか見てて、いらいらする。

 ちらりと視線を向けると、擁も遵も不快そうに眉を顰めていた。共感しなくても分かる。弟たちも同様に感じたらしい。

 やがて配信が切れると、担任が取り繕うように説明を始めた。なんでもこれから一年間、時間を調整しつつクラスごとにカウンセリングを受けるらしい。一体なんのカウンセリングだとクラス中が色めき立った。

「成長期のフェイとグラスそれぞれの成長過程における……まー、その、なんだ。その他もろもろのデータを集める為らしい。詳しくは知らん。国から全クシュダートの中で、名誉なことに我が校が選ばれた。まぁなんてったって、うちは国内トップの進学校だからな!当然だな!ああ、お前ら。呼ばれたらサボらず行って受けてこいよ?分かったな?」

 なんて適当な説明だよ。

 頬杖をついて、ぼんやりと窓の外を眺めた。面倒くさいなと溜め息が漏れる。

 何がカウンセリングだ。
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