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【外伝】貴方にとっては誤算でも俺たちにとっては正に僥倖
åtta
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『よ、よく来たわね!』
目の前でふんぞり返る美少女はティタニア・グウェイン。グウェイン家リーダー、フィンレー・グウェインの長女だ。確か12歳。
分かり易いよなぁ。
ティタニアは俺に惚れている。所謂ツンデレ属性。これはクロエさんの遺伝だろう。
『お母様とお菓子を作ったの!食べるといいわ!』
そうやって話しかけている相手は擁だった。面倒なのでそのまま知らんぷりしていると、遵に近づいた弟のユリアン・グウェインが脚にしがみつき、ティタニアに声を掛ける。
『お姉様。濫お兄様はこちらですよ。』
『え?そんなわけないわ!私が間違うはずないでしょう?』
きゃんきゃん言い合う姉弟を置いて、おっさんに視線を向ける。
『フィンレー様がお待ちです、案内します。』
『おい。擁、遵。行くぞ。』
『はい。』
『……うん。』
顔も見ずに声を掛け、おっさんと茉莉さんの後ろについて行く。茉莉さんが、ちらちらと騒ぐ子供二人を見やった。さっきまで騒いでいたティタニアとユリアンが、ぽかんと口を開ける。
『お姉様……好きな人を間違えるなんて。』
『ち、違うわ!好きじゃないったら!』
必死になって言い訳するティタニアを残念そうに見つめるユリアン。それを見て、擁と遵はそれぞれの頭に手を乗せると、くしゃっと撫でるだけに留めた。
(〈別に間違ったところで何とも思ってないんだけどな。〉)
([どうでもいいことですから。])
(〔……気にしてない。〕)
二人を置いて、擁と遵も後を付いてくる。俺たちが毎年ここ、グウェイン家を訪れネアリチュアで検査を受けていることは秘匿されている。表向き次の後継者候補として、学びの多いグウェイン家を定期的に訪問してると言うことになっていた。ティタニアとユリアンに至っては俺たちが毎年遊びに来ていると思っている。
滞在中構った覚えなどないのに何故こんなに懐かれるのか分からない。しかも、居るのは毎年一週間前後と短いのに。
三人でグウェイン家のリーダー、フィンレー・グウェインのいる執務室へと向かう。何百年も受け継がれた美しき古城。訪れる度に思うが、広過ぎて落ち着かない家だと首を捻り、鳴らした。
目の前でふんぞり返る美少女はティタニア・グウェイン。グウェイン家リーダー、フィンレー・グウェインの長女だ。確か12歳。
分かり易いよなぁ。
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『はい。』
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(〈別に間違ったところで何とも思ってないんだけどな。〉)
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(〔……気にしてない。〕)
二人を置いて、擁と遵も後を付いてくる。俺たちが毎年ここ、グウェイン家を訪れネアリチュアで検査を受けていることは秘匿されている。表向き次の後継者候補として、学びの多いグウェイン家を定期的に訪問してると言うことになっていた。ティタニアとユリアンに至っては俺たちが毎年遊びに来ていると思っている。
滞在中構った覚えなどないのに何故こんなに懐かれるのか分からない。しかも、居るのは毎年一週間前後と短いのに。
三人でグウェイン家のリーダー、フィンレー・グウェインのいる執務室へと向かう。何百年も受け継がれた美しき古城。訪れる度に思うが、広過ぎて落ち着かない家だと首を捻り、鳴らした。
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