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Hauptteil Akt 15
hundertsiebenundvierzig
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「ジュード・カーティスと申します。」
大きな身体を畳むようにしてお辞儀された茉莉は面食らった。営業再開したCarmで約束通りバイトとして復帰してから一週間。いつも通り楽しく接客していたら、いつかの男性が、のっそり現れ、いきなり名乗られたのだ。インパクトが凄くて覚えていたけれど、急すぎて、どうして良いのか分からない。
「お。ジュード。久しぶり。」
「お久しぶりです、深沢様。」
「あいつは?一緒じゃねえのか?」
「主人はクロエ様と。」
仲良さそうに話す二人を見て、首を傾げる。前回見かけた時はここまで距離感近くなかったよね?
「お名前を伺っても宜しいでしょうか?」
改めて向き直ったジュードに問われ、茉莉ははっとした。大柄な男性は何となく怖くて苦手だったが最推しの狗狼が親しくしてるのなら。
「枝反 茉莉です。」
「……ま、つり。茉莉。茉莉さん、ですね。」
「はぁ。」
天蒼の人ではないからかな?発音を確かめられ、頷くとそのまま、ぐいっと顔を寄せられた。以前も思ったが近くで見ると整った顔立ちなのがよく分かる。それに、なんだか凄く良い匂いがした。
「是非、ゲレンク-パラを前提にお付き合いして頂きたい。生涯あなただけを愛します。」
「……はいぃぃ?!」
「一目見た時から、あなたしかいないと思いました。私の番。」
超ド直球な告白に、頭のてっぺんから何か飛んでいったような錯覚を覚えた。その名を理性と言う。
「私のどこが好きなんですか!」
反射的に聞いてしまい、次の瞬間後悔した。
「まず、可愛らしい。柔らかそうで、こう。むちむちしています。触り心地は最高でしょう。それと、とても良い匂いがします。食べたくなるような、甘い匂いです。今こうして話してる間も、舐めたくて仕方ない。」
なんってこと言うのよ!
「むちむちしてて悪かったですね!」
ぽっちゃりって言われるから気にしてるのに!
「悪くありません。むしろ最高です。ご褒美です。このまま連れ帰って抱き潰して孕ませたい。」
この人恋愛したことないの?!
「約束します。あなたを生涯かけて愛し守ると。お願いします。茉莉。私のメイニーになって下さい。そしていずれはパートナーに。」
これってもうプロポーズじゃん!
「おー枝反。良かったじゃん。」
「深沢さん?!」
「元メイニーの浮気ヤローなんざ、さっさと忘れちまえよ。」
「すっかり忘れてましたよ!」
「そうか?」
言い合いしていると、すごごごっと黒い気配が渦巻いた。
「元メイニー。浮気ヤロー。深沢様、そいつはどこですか?」
「おいおい。やめろ、威圧すげえって。」
「茉莉と付き合えた幸運に感謝するどころか浮気ですか?」
「いやいや、そんなクズと別れたからこそ、お前が付き合えるんじゃん。」
「……それもそうですね。」
「ちょっと深沢さん!」
付き合うとか返事してないし!
しゅんっと瞬く間に威圧が無くなり、ジュードが茉莉の左手を握った。そのまま手の甲にちゅっとキスされる。
きゃあ!なにこれ!
そんなことをされたのは初めてで、真っ赤になって固まっていると次の瞬間ぺろりと唇を舐められた。
「ああ、可愛らしい。唇も甘いですね。付き合えるなんて夢のようです。」
「あっ、えっ。」
反応が遅れている間に抱き上げられ、咄嗟に胸にしがみついた。がっしりしていて何だか急にどきどきしてしまう。
え?私ってチョロかったの?
「貴宮様から個室があると伺いました。今からお借りしても宜しいでしょうか。」
「んー。そだなー。」
ちらりと茉莉見て狗狼がにやりと笑う。
「どーぞどーぞ。」
「え?は?ちょ!」
「では、行きましょう。大丈夫ですよ?キスしかしませんから。」
そのまま本当に個室に連れ込まれ、膝の上に乗せられたまま、かき口説かれる。
「種はマレートラです。茉莉は?」
「……バリトラ、です。」
「虎同士、一緒ですね。」
「はい。」
「子供は純血種になりますね。」
「子供?」
「はい。私たちの。」
「いやいやいや!まだ、そーゆーことしてないでしょ!?」
してないのに出来るわけないじゃん!
「誘ってくれてる?」
どう見ても茉莉より大分年上で色気ダダ漏れなジュードにくらくらしてしまう。大柄な男性は苦手だったのに!なんで抱っこされて安心してるの!
「可愛い。」
ちゅっちゅっと顔中にキスされて何となく受け入れてしまったら、唇に食らいつかれた。分厚い舌で舐められ、食まれる。
「茉莉。キスしたい。」
「んっ!」
「舌入れて良い?舐めて良い?絡めて良い?」
言いながら、舌がぬるりと強引に唇を割った。そのまま口いっぱいに舌が入ってくる。
「ああ。やっぱり。甘くて美味しい。」
「ふぁ!あっ!」
「唾液欲しい。飲みたい。茉莉。」
「あん!」
「声も良い。ああ、想像以上に柔らかい。」
いつのまにか大きな手が、やわやわとお尻を揉んでいた。ぽっちゃりを気にしていた茉莉は途端に我に返り、胸を叩く。
「や!」
「ん?なんで?」
「ふ、太ってるからぁ!」
「どこが?」
「へ?」
「どこもかしこも柔らかくて最高です。手を離したくない。ずっと揉んでたい。」
恥ずかしいことを真顔で言われて真っ赤になると再びキスされた。
「愛してます。」
「ジュードさん!」
「……名前、呼び捨てがいいです。」
「!」
「茉莉。愛してる。大好きです。」
言葉通り、ずっとお尻を揉み続けるジュード。真顔なのにやってることは。
「へ、変な人。」
くすくす笑い出した茉莉を見て、ジュードが嬉しそうに笑う。
「可愛い。もっと笑って茉莉。」
「……もう、仕方ないなぁジュードは。」
ちゅっと頬にキスし返して笑うとジュードの手に力が籠った。そのままさっきよりも執拗にお尻を揉み始める。
「すぐに巣に連れ帰りたい。」
「す、巣って。」
「蜜月に入っても良いですか?」
「だ、駄目!それはゲレンク-パラを済ませてから!」
「ではセックスはお預け?」
「そ、れは。」
「してもいい?孕ませないようにするから。」
「!いちいち聞かないでよ!」
「茉莉!」
結局お付き合いどころかプロポーズまで受けてしまい、個室から出た茉莉を狗狼が揶揄ったのは言うまでもない。
「良い男捕まえたじゃねえか。」
大きな身体を畳むようにしてお辞儀された茉莉は面食らった。営業再開したCarmで約束通りバイトとして復帰してから一週間。いつも通り楽しく接客していたら、いつかの男性が、のっそり現れ、いきなり名乗られたのだ。インパクトが凄くて覚えていたけれど、急すぎて、どうして良いのか分からない。
「お。ジュード。久しぶり。」
「お久しぶりです、深沢様。」
「あいつは?一緒じゃねえのか?」
「主人はクロエ様と。」
仲良さそうに話す二人を見て、首を傾げる。前回見かけた時はここまで距離感近くなかったよね?
「お名前を伺っても宜しいでしょうか?」
改めて向き直ったジュードに問われ、茉莉ははっとした。大柄な男性は何となく怖くて苦手だったが最推しの狗狼が親しくしてるのなら。
「枝反 茉莉です。」
「……ま、つり。茉莉。茉莉さん、ですね。」
「はぁ。」
天蒼の人ではないからかな?発音を確かめられ、頷くとそのまま、ぐいっと顔を寄せられた。以前も思ったが近くで見ると整った顔立ちなのがよく分かる。それに、なんだか凄く良い匂いがした。
「是非、ゲレンク-パラを前提にお付き合いして頂きたい。生涯あなただけを愛します。」
「……はいぃぃ?!」
「一目見た時から、あなたしかいないと思いました。私の番。」
超ド直球な告白に、頭のてっぺんから何か飛んでいったような錯覚を覚えた。その名を理性と言う。
「私のどこが好きなんですか!」
反射的に聞いてしまい、次の瞬間後悔した。
「まず、可愛らしい。柔らかそうで、こう。むちむちしています。触り心地は最高でしょう。それと、とても良い匂いがします。食べたくなるような、甘い匂いです。今こうして話してる間も、舐めたくて仕方ない。」
なんってこと言うのよ!
「むちむちしてて悪かったですね!」
ぽっちゃりって言われるから気にしてるのに!
「悪くありません。むしろ最高です。ご褒美です。このまま連れ帰って抱き潰して孕ませたい。」
この人恋愛したことないの?!
「約束します。あなたを生涯かけて愛し守ると。お願いします。茉莉。私のメイニーになって下さい。そしていずれはパートナーに。」
これってもうプロポーズじゃん!
「おー枝反。良かったじゃん。」
「深沢さん?!」
「元メイニーの浮気ヤローなんざ、さっさと忘れちまえよ。」
「すっかり忘れてましたよ!」
「そうか?」
言い合いしていると、すごごごっと黒い気配が渦巻いた。
「元メイニー。浮気ヤロー。深沢様、そいつはどこですか?」
「おいおい。やめろ、威圧すげえって。」
「茉莉と付き合えた幸運に感謝するどころか浮気ですか?」
「いやいや、そんなクズと別れたからこそ、お前が付き合えるんじゃん。」
「……それもそうですね。」
「ちょっと深沢さん!」
付き合うとか返事してないし!
しゅんっと瞬く間に威圧が無くなり、ジュードが茉莉の左手を握った。そのまま手の甲にちゅっとキスされる。
きゃあ!なにこれ!
そんなことをされたのは初めてで、真っ赤になって固まっていると次の瞬間ぺろりと唇を舐められた。
「ああ、可愛らしい。唇も甘いですね。付き合えるなんて夢のようです。」
「あっ、えっ。」
反応が遅れている間に抱き上げられ、咄嗟に胸にしがみついた。がっしりしていて何だか急にどきどきしてしまう。
え?私ってチョロかったの?
「貴宮様から個室があると伺いました。今からお借りしても宜しいでしょうか。」
「んー。そだなー。」
ちらりと茉莉見て狗狼がにやりと笑う。
「どーぞどーぞ。」
「え?は?ちょ!」
「では、行きましょう。大丈夫ですよ?キスしかしませんから。」
そのまま本当に個室に連れ込まれ、膝の上に乗せられたまま、かき口説かれる。
「種はマレートラです。茉莉は?」
「……バリトラ、です。」
「虎同士、一緒ですね。」
「はい。」
「子供は純血種になりますね。」
「子供?」
「はい。私たちの。」
「いやいやいや!まだ、そーゆーことしてないでしょ!?」
してないのに出来るわけないじゃん!
「誘ってくれてる?」
どう見ても茉莉より大分年上で色気ダダ漏れなジュードにくらくらしてしまう。大柄な男性は苦手だったのに!なんで抱っこされて安心してるの!
「可愛い。」
ちゅっちゅっと顔中にキスされて何となく受け入れてしまったら、唇に食らいつかれた。分厚い舌で舐められ、食まれる。
「茉莉。キスしたい。」
「んっ!」
「舌入れて良い?舐めて良い?絡めて良い?」
言いながら、舌がぬるりと強引に唇を割った。そのまま口いっぱいに舌が入ってくる。
「ああ。やっぱり。甘くて美味しい。」
「ふぁ!あっ!」
「唾液欲しい。飲みたい。茉莉。」
「あん!」
「声も良い。ああ、想像以上に柔らかい。」
いつのまにか大きな手が、やわやわとお尻を揉んでいた。ぽっちゃりを気にしていた茉莉は途端に我に返り、胸を叩く。
「や!」
「ん?なんで?」
「ふ、太ってるからぁ!」
「どこが?」
「へ?」
「どこもかしこも柔らかくて最高です。手を離したくない。ずっと揉んでたい。」
恥ずかしいことを真顔で言われて真っ赤になると再びキスされた。
「愛してます。」
「ジュードさん!」
「……名前、呼び捨てがいいです。」
「!」
「茉莉。愛してる。大好きです。」
言葉通り、ずっとお尻を揉み続けるジュード。真顔なのにやってることは。
「へ、変な人。」
くすくす笑い出した茉莉を見て、ジュードが嬉しそうに笑う。
「可愛い。もっと笑って茉莉。」
「……もう、仕方ないなぁジュードは。」
ちゅっと頬にキスし返して笑うとジュードの手に力が籠った。そのままさっきよりも執拗にお尻を揉み始める。
「すぐに巣に連れ帰りたい。」
「す、巣って。」
「蜜月に入っても良いですか?」
「だ、駄目!それはゲレンク-パラを済ませてから!」
「ではセックスはお預け?」
「そ、れは。」
「してもいい?孕ませないようにするから。」
「!いちいち聞かないでよ!」
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