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Hauptteil Akt 11
hundertsieben
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実臣は篤臣のマンションをまた、訪れていた。敷地に徒歩で入り、遊歩道を目指して歩いていると停車している車に駆け寄る男の子が見えた。少し前に会った、あの子だった。
「行ってくるわね、お弁当ありがとう。」
「えへへ。いってらっしゃい。」
色は違うけど、顔のパーツは似ていた。
「こんにちは。」
「あ、こんにちは。」
見送り終わった背中に声を掛ける。振り向いてふにゃりと笑った顔に、かわいいなぁと癒された。
「お母さん?」
「はい。」
「お弁当作ってあげたの?」
「はい。頑張っちゃいました。」
こくんと頷く。
平日の昼近く、家にいると言うことは何かしら事情があってクシュダートには通ってないのだろう。
「いいね、手作りのお弁当。羨ましいよ。」
「?」
「作ってもらったこと、ないから。」
「そ、なんですか?」
「うん。家族皆んな、忙しい人たちだったからね。」
「……。」
へにゃりと眉が下がる。見上げてくる瞳が心配そうで、苦笑した。
「別に仲が悪いわけじゃないよ?」
「あ。良かったぁ。」
ほっとしたのか、にこっと笑った。
やっぱり、可愛い。
「特に兄さんとは、仲が良いんだ。尊敬してる。」
ふんふんと頷く姿に何となく、話続けてしまう。
「ただ、最近すれ違いが多くて。去年、父が兄さんをリーダーに指名してから特に忙しいみたいなんだ。」
「寂しいですね……。」
しゅんと俯く姿につい、頭を撫でる。
「仕方ないとは思ってるんだ。僕も出来ることがあれば手伝いたいと思ってる。でもなかなか上手くいかなくて。」
「お兄さんが知ったら、きっと嬉しいと思います。」
両手の拳を握りしめながら言われる。手が離せない。
「そうかな?」
「はい。絶対!」
「ありがとう。」
なんだろう。ずっと撫でていたい。
「頑張ろうかな。」
「はい。」
こくこく頷く頭をゆっくり撫でた。兄さんや、あの二人を探るより、この子に会いに来ているようなそんな気がした。
「行ってくるわね、お弁当ありがとう。」
「えへへ。いってらっしゃい。」
色は違うけど、顔のパーツは似ていた。
「こんにちは。」
「あ、こんにちは。」
見送り終わった背中に声を掛ける。振り向いてふにゃりと笑った顔に、かわいいなぁと癒された。
「お母さん?」
「はい。」
「お弁当作ってあげたの?」
「はい。頑張っちゃいました。」
こくんと頷く。
平日の昼近く、家にいると言うことは何かしら事情があってクシュダートには通ってないのだろう。
「いいね、手作りのお弁当。羨ましいよ。」
「?」
「作ってもらったこと、ないから。」
「そ、なんですか?」
「うん。家族皆んな、忙しい人たちだったからね。」
「……。」
へにゃりと眉が下がる。見上げてくる瞳が心配そうで、苦笑した。
「別に仲が悪いわけじゃないよ?」
「あ。良かったぁ。」
ほっとしたのか、にこっと笑った。
やっぱり、可愛い。
「特に兄さんとは、仲が良いんだ。尊敬してる。」
ふんふんと頷く姿に何となく、話続けてしまう。
「ただ、最近すれ違いが多くて。去年、父が兄さんをリーダーに指名してから特に忙しいみたいなんだ。」
「寂しいですね……。」
しゅんと俯く姿につい、頭を撫でる。
「仕方ないとは思ってるんだ。僕も出来ることがあれば手伝いたいと思ってる。でもなかなか上手くいかなくて。」
「お兄さんが知ったら、きっと嬉しいと思います。」
両手の拳を握りしめながら言われる。手が離せない。
「そうかな?」
「はい。絶対!」
「ありがとう。」
なんだろう。ずっと撫でていたい。
「頑張ろうかな。」
「はい。」
こくこく頷く頭をゆっくり撫でた。兄さんや、あの二人を探るより、この子に会いに来ているようなそんな気がした。
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