【完結】R-18 逃がさないから覚悟して

遥瀬 ひな

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Hauptteil Akt 10

siebenundneunzig

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 リーウェンは久しぶりに機嫌が良かった。やっと新しい拠点が完成し稼働すると報告が上がってきたからだ。

 二人の側近たちに新しい本拠地を手に入れるよう指示を出したのは、本拠地にアゲンツの侵入を許し、お気に入りのグラスを奪われてからすぐだった。二人には工作員の殆どを付け、オークション会場も兼ねた動く拠点を作るよう指示する。構想したのは巨大な移動型要塞の船。これからは、その船を本拠地兼オークション会場にし、活動することにした。

 今回のことで、例え断崖絶壁の島と言う天然の要塞であっても安心出来ないと痛感した。だったらこちらが常に動けば良い。側近たちや工作員たち全てとオークションに掛けるタイプたち。そしてそれらを買いに来る客たち。全て受け入れても尚余る巨大な船を作り新な拠点にすればいいと思いついた。

電磁加速砲EMLは?』
『はい、問題なく装備されております。』
『ふっ!はははは!これで空から近寄るなんてことは出来んなぁ。』
『はい。船底にはセンサー探知機能と魚雷MKも装備完了致しました。』
『よし。』
 最新鋭の船は常に海上を回遊する。必要な協力は既に得られていた。長年付き合いのある客たちはどれも支援を惜しまない。彼らとてリーウェンの開催するオークションが無くなるのは困るのだ。質のいい、好みのタイプを競り落とす。取り合い、奪い合い、押さえ付けて手に入れる極上の男女たち。フェティシズムを存分に満たしてくれる彼ら彼女らはなくてはならないものだった。金、金、金、金。それさえあれば、手に入り、死ぬまで好きに扱っていいのだから。

 さて。出来上がったらまずは披露目を兼ねて派手にオークションを開催するか。既に十人用意出来ている。今までは広く大々的にやっていたが、これからは厳選して招待しよう。

『天蒼で拐えたのは三人か。そうだなぁ、一人は取っておけ。』
『どれを残されますか?』
『馬がいただろう?威勢の良い処女の馬が。あれの男が今リージョンにいる。天蒼に戻ったらすぐ拐って来い。目の前で自分の男が犯されるところを見せてやる。今まで薄布越しとはいえ散々目の前で見せつけたが、なかなかどうして。折れずに歯向かう気骨のある面白い女だ。だが流石に今度はそうも行かんだろ。は!はははは!気が狂うだろうなぁ。』
 側近を連れテラスへ出ると、遠くに見える海岸沿いを見つめる。山の中腹にひっそりと建つペントハウスからの眺めはよく、視界を遮るものは何もなかった。下の階層にある部屋は側近や十人の工作員たちが、それぞれ使用している。拐ってきた十人の男女たちはタイプや性別で四部屋に分けて監禁していた。一階の北東角部屋がリーウェンお気に入りの部屋で、そこに檻を入れ藍里を監禁していた。目の前のベッドで拐ってきた男女を犯し、その様を薄布越しに見せ付けて怒りや恐怖を煽るのだ。リーウェンが今一番心躍る遊びだった。

 それももう、一旦は止める。ここを引き払い、完成した船へと移る目処が立ったのだ。

『なぁ、アラタ。手に入れたら一日中、ワレのものを嵌め込んで可愛がってやろうなぁ。常に陰茎を咥え込み、しゃぶる、いやらしい淫猥な穴にしてやろう。』
 楽しくて堪らないと忍び笑う。

『あぁそうだ、ユェルンにそろそろ戻るよう伝えろ。』
『笹川 新の狩りは宜しいので?』
『工作員たちにやらせろ。その方が向こうも油断するだろう。ユェルンに神経を尖らせているだろうからな。』
『では、そのように。』

 ユェルンは不満だろうが、あれだけ護りを固められては面が割れたものを近付けるのは危険だった。あの容姿に靡かなかっただけでなく、かなり警戒されている。リージョンへ向かう直前から護衛まで付いてしまった。拐うには骨が折れる。ユェルン一人に任せるには些か荷が重すぎた。

『必ず手に入れろ。』
『畏まりました。』

 目が逸れているうちに、動いておかねば。
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