【完結】R-18 逃がさないから覚悟して

遥瀬 ひな

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Hauptteil Akt 9

achtundachtzig

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 篤臣がそろそろ帰るかと立ち上がったところで、ばぁんと投資事業部本部長室のドアが開いた。

「兄さん!」

 悲鳴のような弟の声に頭痛がする。

「実臣。ノックくらいしろ。」
「ご、ごめん。でも。」
「言い訳はいい。」
 ぴしゃりと跳ねつけると、ぐっと押し黙った。後ろには秘書が所在な気に佇んでいる。

「君、もういいよ。」

 篤臣に声を掛けられ、意味が分からず秘書が首を傾げた。

「仕える相手が誰だか分からないようなものを、これ以上そばに置く気はない。身の回りを整理したら出ていくように。」
「!部長、申し訳ありません!どうか、どうかお許しを。」
 平身低頭謝る秘書から実臣に視線を移す。
 
「実臣。お前のせいで、このものは職を失う。」
 淡々と告げると、さぁっと青ざめた。

「満足か?」
「に、兄さん。ごめん、ごめんなさい。」
「お前はやり過ぎた。どこかで思い止まるかと見ていたが。どうやら買い被っていたようだ。」
「……。」
「イーサンやジェットにも、迷惑をかけたな?」
「……告げ口したんだ。あの人たち。」
「お前のやったことをそのまま話しただけだ。それを告げ口だと言うのなら、お前の行動そのものが非難されるものだったと言うことだろう。」
「……。」
「お前には失望したよ。」
「そ、んな。」
「秘書の処遇はお前が責任を取れ。」
 言い捨てて隣をすり抜ける。

「兄さん。」
「俺から連絡するまで大人しくしていろ。」
 そちらから連絡も接触も許さないと言外に告げる。

 これで少しは反省すればいい。が、無理だろうなと溜め息を吐いた。
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