【完結】R-18 逃がさないから覚悟して

遥瀬 ひな

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Hauptteil Akt 8

siebenundsiebzig

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 ウルと会ってたくさん話をして、新しい生活に馴染んでいることに安心していると新の携帯が震えた。取り出して画面を見ると祖父の名前が表示されている。珍しいなと思いつつ、断って出てみた。

「もしもし。」
「ああ新、よかった。今どこにいる?」
「今?友だちの家だけど。」
「そうか、いつ頃帰るんだ?」
「なに?何かあったの?」
「それが、その。この前話した由月のことなんだが。訪ねて来ているんだ、なんでもお前に聞きたいことがあるらしい。」
「そう。」
 いきなり訪ねてくるとは珍しい。しかも祖父の口ぶりではすぐにでも帰って来て欲しそうだった。ウルとは充分話せたし、クロエも仲直り出来て篤臣と普通に話している。自分が先に帰っても問題なさそうだと判断した。

「分かったよ。今から帰るね。」
「ああ。本当にすまない。迎えをやるから。」
 そんなに急ぐのかと訝しんだ。断って押し問答する方が煩わしい。素直に頷いた。

 マンションの入り口まで、車を手配してもらう。着いたら運転手が電話すると言われて了承した。

「ウルくん、ごめん。家の急用が出来ちゃった。僕は先にお暇するよ。」
「うん。また来てくれる?」
「もちろん。今度はウルくんの好きなケーキ持ってくるね。」
「わぁ!ありがとう!」
 ウルの好きなケーキと聞いて篤臣がぴくりと反応した。すっと近寄って来て囁く。

「新くん、後でそのお店教えてくれる?」
 ぶれない篤臣に笑った。

「もちろん。」
 微笑んで返すとクロエに断りを入れた。

「すみません、クロエさん。僕先に帰ります。」
「分かったわ。またね、新。」
「君も帰って良いよ。」
「帰らないわよ、まだウルさんと話すんだから。」
 篤臣とクロエが言い合いを始めた横でウルと話を続ける。

「なんだかんだ、友だちだねぇ。」
「そうみたい。ふふふ。仲良いよねぇ。」
 迎えがくるまでの間、ゆったりと言葉を交わし新は一人マンションを後にした。
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