89 / 238
Hauptteil Akt 8
dreiundsiebzig
しおりを挟む
フィンレーから追加で齎された情報は篤臣にとって頭の痛いものだった。
『一般人の家か。確かに見つかりにくいね。』
『ああ。コネクションのあるものなら、何かしら探りやすいんだけどね。でも、手掛かりと言えるものを見つけた。これなんだけど。』
そう言って、フィンレーは篤臣にタブレットの画面を開いて見せた。
『ここ。少しだけ写り込んでいる女だよ。』
それはカフェの丸テーブルの上で、手を握り合う二人の女性の写真だった。一人は弾けるような笑顔で写っていて、恐らくアカウントはこの女性のものだろうと思われた。その隣にテーブルから上、口元までしか画角に入っていない女が写り込んでいた。烏の濡れ羽のように艶やかな髪。抜けるような白い肌。赤く薄い唇。肩や二の腕は驚くほど細く華奢。なのに胸だけは大きく、下着を着けていないのか乳首がはっきりと分かるくらい浮き上がっていた。一部分しか写っていないが知り得た情報と一致する。
『画像では、これしかヒットしなかった。幸い、このアカウントの女性は顔を晒してくれてるからね。見つけやすいと思うんだ。』
『分かった、今までの投稿を浚って個人情報に繋がるものはないか精査しよう。当たりがつけば見つけやすい。』
『頼んだよ。』
『アカウント名は……さすがに名前は使ってないか。』
『ああ。そうだね。』
『……急いで調べよう。』
『頼んだよ。必要ならジュードを使ってくれ。』
フィンレーの後ろでジュードが会釈した。
『助かるよ。どうやら俺の秘書は買収されてるようでね。信用ならない。』
『不穏だね。』
『ああ。まぁ、誰がやったのか当たりはついている。放っておくよ。外して新しく入れ替えたところで又買収されれば同じだからね。』
『イタチごっこと言うわけか。』
『そう言うこと。』
『それで君のオフィスでは話せないのか。』
『悪いね。』
『いや。しかし、君に仕掛けるとは。随分と怖いもの知らずだ。』
『誰よりも知ってるはずなんだけどね。』
脳裏に浮かんだ愚弟の額を渾身の力で弾き飛ばしてやった。
『一般人の家か。確かに見つかりにくいね。』
『ああ。コネクションのあるものなら、何かしら探りやすいんだけどね。でも、手掛かりと言えるものを見つけた。これなんだけど。』
そう言って、フィンレーは篤臣にタブレットの画面を開いて見せた。
『ここ。少しだけ写り込んでいる女だよ。』
それはカフェの丸テーブルの上で、手を握り合う二人の女性の写真だった。一人は弾けるような笑顔で写っていて、恐らくアカウントはこの女性のものだろうと思われた。その隣にテーブルから上、口元までしか画角に入っていない女が写り込んでいた。烏の濡れ羽のように艶やかな髪。抜けるような白い肌。赤く薄い唇。肩や二の腕は驚くほど細く華奢。なのに胸だけは大きく、下着を着けていないのか乳首がはっきりと分かるくらい浮き上がっていた。一部分しか写っていないが知り得た情報と一致する。
『画像では、これしかヒットしなかった。幸い、このアカウントの女性は顔を晒してくれてるからね。見つけやすいと思うんだ。』
『分かった、今までの投稿を浚って個人情報に繋がるものはないか精査しよう。当たりがつけば見つけやすい。』
『頼んだよ。』
『アカウント名は……さすがに名前は使ってないか。』
『ああ。そうだね。』
『……急いで調べよう。』
『頼んだよ。必要ならジュードを使ってくれ。』
フィンレーの後ろでジュードが会釈した。
『助かるよ。どうやら俺の秘書は買収されてるようでね。信用ならない。』
『不穏だね。』
『ああ。まぁ、誰がやったのか当たりはついている。放っておくよ。外して新しく入れ替えたところで又買収されれば同じだからね。』
『イタチごっこと言うわけか。』
『そう言うこと。』
『それで君のオフィスでは話せないのか。』
『悪いね。』
『いや。しかし、君に仕掛けるとは。随分と怖いもの知らずだ。』
『誰よりも知ってるはずなんだけどね。』
脳裏に浮かんだ愚弟の額を渾身の力で弾き飛ばしてやった。
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。





淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる