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Hauptteil Akt 7
siebenundsechzig
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篤臣のマンションに着いたウルは、ブランケットに包まるとソファに座った。一緒に付いてきた狗狼がリビングを見渡し、呆れたように呟く。
「一人でこの広さかよ。」
「ワンフロアだと、こんなものだ。」
「まぁ……確かにな。隣上下居ないのは良いな、侵入経路が潰せる。」
「ああ。」
「ウル。当分ここで暮らせ、いいな。」
「うん、分かった。」
こくこくと頷く。篤臣がウルの荷物が入った鞄を床に置くと、狗狼と連絡先を交換しながら続けた。
「ウル、心配しなくていいからね。」
「うん。」
まだ何も説明されていないが、二人のことは信頼している。篤臣も狗狼も今までウルを守ってくれていて、二人がそうしろと言うなら、ウルはそうするだけだった。
「じゃ、ウル。オレは帰っから。必ず携帯持ち歩けよ?充電切らすな。」
「うん。」
立ち上がって、狗狼の後ろを付いて歩く。篤臣も続いて二人で狗狼を見送った。
「訪ねて来た時は通すよう、コンシェルジュには言っておく。」
「頼むわ。じゃあな。」
片手を上げ、慌ただしく狗狼が出て行く。ウルがふるふると手を振った。
「ウル。」
「うん?」
「説明するよ、いい?」
「うん。」
篤臣がウルを抱え上げると、リビングへと戻った。そのままソファに座ると向かい合わせに膝へ乗せ、額に軽くキスを落とす。
それから、今何が起きていて、これから何が起こるのか。起こりそうなのか。話し始めた。自分どころか父も危ないかもしれない、そう聞いてウルはぶるりと震えた。ぎゅっと篤臣の胸元に縋り付く。
「大丈夫、ウルの両親もここに住むよ。」
「そうなの?ここに?」
「うん。下のフロア二階分、誰も入居してないんだ。すぐ下に住んでもらえるよう手配するから。」
「ありがとう、篤臣くん。」
ふにゃっとウルが笑ったところで篤臣の携帯が震えた。ポケットから取り出し確認すると《着信 フィンレー》と表示されている。
人差し指を唇に押し当て、そのまま出た。
『もしもし。』
『篤臣?どこにいるんだい?』
『用があって、外にいるよ。』
『そうか、少し気になることがあってね。ジュードも交えて話したいんだが。』
向こうでフィンレーの声が聞こえる。返しながら合間にウルの唇に吸い付いた。
「っ!」
ウルが声を抑えてふるふる震える。ぺろりと舌舐めずりしてから耳に吹き込んだ。
「そのまま声我慢しててね、ウルちゃん。」
「っふ。」
『フィンレー、場所を変えよう。』
するりとウルの頬を撫でる。首にかけて滑らせると、みるみる瞳が潤んだ。
かわいい。
『君のオフィスではまずいのかい。』
『詳しいことは会って話すけど。少し気になることがあってね。』
人差し指をウルの口に差し入れる。小さな舌を指の腹でぬるっと撫でた。
「ウルちゃん、舐めて。」
囁いて瞳を覗き込む。
「……んぅ。」
小さな舌がちゅうっと吸い付いた。つるつるした感触が気持ち良い。唇の端から、たらりと唾液が垂れた。
『分かったよ。どこで落ち合えばいいかな。』
『イロフネストに着いたら連絡するよ。』
ゆるっゆるっと指を動かす。ぷっくりした唇に挟まれ、舌が必死に指を追う様が見えた。
楽観できない状況だけど、同棲に変わりはない。これから毎日、ウルと一緒だなんて。楽しみだ。
そのまま携帯をぷつりと切る。座面に放ると人差し指を引き抜き、口に含んでウルの唾液を舐めた。
ぽーっと見上げるウルの唇に吸い付いて、垂れた唾液を舐めとる。そのまま口内に舌を差し入れ、小さくて形のいい歯列を舌でゆっくり舐めた。端から順に、辿って行く。
「ふっあぅ。」
「ウルちゃん、愛してる。」
「ぁう。」
「指、舐めてくれて気持ち良かったよ。またしてくれる?」
「う、ん。」
「ありがと。じゃ今は舌舐めて。ね?」
「うぁっ。」
小さな舌に絡めると、必死でちゅうっと吸い付いてきた。夢中で可愛がる。
「あつおみくん。すき。」
「俺も。ウルちゃん大好き。」
「毎日いっしょなの、嬉しい。」
「ね。」
細い腰に両手を添え、くちゅくちゅと口内を味わう。
「今日から毎日、可愛がるからね。」
「うん。」
篤臣の言う可愛がるには多分にいやらしい意味が含まれていたけれど。鈍いウルは額面通りに受け取って、篤臣の首に両腕を回して甘えた。
「一人でこの広さかよ。」
「ワンフロアだと、こんなものだ。」
「まぁ……確かにな。隣上下居ないのは良いな、侵入経路が潰せる。」
「ああ。」
「ウル。当分ここで暮らせ、いいな。」
「うん、分かった。」
こくこくと頷く。篤臣がウルの荷物が入った鞄を床に置くと、狗狼と連絡先を交換しながら続けた。
「ウル、心配しなくていいからね。」
「うん。」
まだ何も説明されていないが、二人のことは信頼している。篤臣も狗狼も今までウルを守ってくれていて、二人がそうしろと言うなら、ウルはそうするだけだった。
「じゃ、ウル。オレは帰っから。必ず携帯持ち歩けよ?充電切らすな。」
「うん。」
立ち上がって、狗狼の後ろを付いて歩く。篤臣も続いて二人で狗狼を見送った。
「訪ねて来た時は通すよう、コンシェルジュには言っておく。」
「頼むわ。じゃあな。」
片手を上げ、慌ただしく狗狼が出て行く。ウルがふるふると手を振った。
「ウル。」
「うん?」
「説明するよ、いい?」
「うん。」
篤臣がウルを抱え上げると、リビングへと戻った。そのままソファに座ると向かい合わせに膝へ乗せ、額に軽くキスを落とす。
それから、今何が起きていて、これから何が起こるのか。起こりそうなのか。話し始めた。自分どころか父も危ないかもしれない、そう聞いてウルはぶるりと震えた。ぎゅっと篤臣の胸元に縋り付く。
「大丈夫、ウルの両親もここに住むよ。」
「そうなの?ここに?」
「うん。下のフロア二階分、誰も入居してないんだ。すぐ下に住んでもらえるよう手配するから。」
「ありがとう、篤臣くん。」
ふにゃっとウルが笑ったところで篤臣の携帯が震えた。ポケットから取り出し確認すると《着信 フィンレー》と表示されている。
人差し指を唇に押し当て、そのまま出た。
『もしもし。』
『篤臣?どこにいるんだい?』
『用があって、外にいるよ。』
『そうか、少し気になることがあってね。ジュードも交えて話したいんだが。』
向こうでフィンレーの声が聞こえる。返しながら合間にウルの唇に吸い付いた。
「っ!」
ウルが声を抑えてふるふる震える。ぺろりと舌舐めずりしてから耳に吹き込んだ。
「そのまま声我慢しててね、ウルちゃん。」
「っふ。」
『フィンレー、場所を変えよう。』
するりとウルの頬を撫でる。首にかけて滑らせると、みるみる瞳が潤んだ。
かわいい。
『君のオフィスではまずいのかい。』
『詳しいことは会って話すけど。少し気になることがあってね。』
人差し指をウルの口に差し入れる。小さな舌を指の腹でぬるっと撫でた。
「ウルちゃん、舐めて。」
囁いて瞳を覗き込む。
「……んぅ。」
小さな舌がちゅうっと吸い付いた。つるつるした感触が気持ち良い。唇の端から、たらりと唾液が垂れた。
『分かったよ。どこで落ち合えばいいかな。』
『イロフネストに着いたら連絡するよ。』
ゆるっゆるっと指を動かす。ぷっくりした唇に挟まれ、舌が必死に指を追う様が見えた。
楽観できない状況だけど、同棲に変わりはない。これから毎日、ウルと一緒だなんて。楽しみだ。
そのまま携帯をぷつりと切る。座面に放ると人差し指を引き抜き、口に含んでウルの唾液を舐めた。
ぽーっと見上げるウルの唇に吸い付いて、垂れた唾液を舐めとる。そのまま口内に舌を差し入れ、小さくて形のいい歯列を舌でゆっくり舐めた。端から順に、辿って行く。
「ふっあぅ。」
「ウルちゃん、愛してる。」
「ぁう。」
「指、舐めてくれて気持ち良かったよ。またしてくれる?」
「う、ん。」
「ありがと。じゃ今は舌舐めて。ね?」
「うぁっ。」
小さな舌に絡めると、必死でちゅうっと吸い付いてきた。夢中で可愛がる。
「あつおみくん。すき。」
「俺も。ウルちゃん大好き。」
「毎日いっしょなの、嬉しい。」
「ね。」
細い腰に両手を添え、くちゅくちゅと口内を味わう。
「今日から毎日、可愛がるからね。」
「うん。」
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