【完結】R-18 逃がさないから覚悟して

遥瀬 ひな

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Hauptteil Akt 4

vierundvierzig

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「良かったねぇ。」
 にこにこ笑いながら、新がジュースを手に取る。ウルは真っ赤になって俯いた。

「うん。その節は……。ありがとう。」
「ふふふ。いいよー。ご飯美味しかったし。」
 ちゅーっとストローに吸い付きながら新が答える。向かいに座った篤臣がにっこり笑った。

「初めまして。ウルのマッシブ、貴宮 篤臣です。」
「初めまして。笹川 新です。ウルくんとは親友です。」
 誇らしげに答え、ジュースを置く。

「お相手が貴宮くんで納得しました。」
「え?そなの?なんで?」
 二人の間に立ち、トレイを抱えたウルがきょとんと問い返す。

「だって貴宮くん、ウルくんのことよく見てたもん。穴開くくらい。」
 篤臣がぐっと喉を鳴らす。ウルが、ぼんっと赤面した。

「あー。気になるんだなぁって思ってたんだ。隣にいたからね。視線感じると大抵貴宮くんだった。」
 悪びれなく告げられ、篤臣が視線を逸らす。ウルがあわあわと狼狽えた。

「ウルくんも、よく貴宮くん見てたもんね。」
「も、もう……やめて……。」
 恥ずかしさで悲鳴を上げそうになる。トレイで顔を隠すと篤臣が立ち上がり、きゅっと抱き込んだ。

「わーお。」
「いや。可愛すぎるんで。隠しとかないと。」
「貴宮くんてそう言うキャラですか。」
「ウルだけね。」
「なるほど。分かりました。」
 したり顔で頷く新は確実に二人を揶揄っていた。篤臣は分かっていて乗っているがウルはいっぱいいっぱいだった。

「これはあれですね。溺愛ってやつですね。」
「ウルだけね。」
 繰り返しながら、ウルの頭を優しく撫でる。その間隙あらば匂いを嗅いでいる篤臣に新は苦笑した。

 溺愛通り越してこれ、執着の域だよ。

「ウル。マーキングしとこうね。」
「うん……ありがと。」
 ちゅっちゅっと頭頂部にキスしながら篤臣がウルに頬擦りする。

「僕、何見せられてるのかな。」
 ぼんやりと遠い瞳で新が呟いた。
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